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2007年07月04日

たんぼの生き物調査

とんぼと田んぼの山形・庄内ツアーから -PARTⅡ
今回は、「田んぼの生き物調査」の紹介です。

7月1日(日)、ツアー二日目。
佐藤秀雄さんの田んぼから、「アルケッチャーノ」での優雅で贅沢な昼食を堪能して、
一行は「庄内協同ファーム」代表・志籐正一さんの田んぼに向かう。

現地では、すでに生産者が道具を用意して待ち構えていて、
説明もそこそこに、「田んぼの生き物調査」実習に入る。

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まずは畦を歩きながら、飛び出すカエルを数えていく。
先頭が「アカ1!」「アオ2!」とか叫ぶ。
それぞれアカガエル、アマガエルの意味である。
それに応じて、後ろに続く人が手に持ったカウンターをカチャカチャと打つ。

でも、誰ともなく田んぼを覗いては足を止め、虫を見つけて歓声を上げる。
カエルがその先でチャポンチャポンと逃げているような……
どうも正確な調査になってないけど、ま、いいか。 みんな楽しんでるし。

協同ファームの生産者たちがこの調査を始めて、もう3年になるね。
すっかり慣れたもので、ふと見れば、別の人が土のサンプルを取っては
ネットの中で洗いながら土を落とし、少しずつ分けて白いバットに広げている。
そこで参加者が細い竹串を使って土や植物をより分けながら、
生き物を見つけて、数を伝える。
その数から、この田んぼにイトミミズが何匹、と算出される。

e07070402.JPG

今回はまあデモみたいなものなので、数の正確さは問題ではない。
大事なのは、この田んぼの土が生き物の宝庫であると実感してもらうこと。
それは、田んぼを米の生産手段としか捉えない者には見えない、
見えなかった世界なのである。

大の大人がポケット図鑑を持って田に足を入れ、
様々な虫を同定しては、数を数える。
それは見る人にとっては、実に異様な光景だろう。
ごっついオッサンが、子どものように田んぼの中の虫を観察しているのだ。
でも有機の生産者たちは、この作業を実に面白がって、やる。
子どものように。


オレの田んぼは、豊かだ。
もっと調べてみたい。


この‘気づき’が生き物調査の意味である。説明は要らないよね。

e07070403.JPG

忙しい時期だけど、今しかできないから、
消費者を受け入れて、自分たちのやっている調査の意味を伝える。
庄内弁の優しい語り口で語る志藤さん。

豊かな田んぼに接してほしい。
そして、田んぼを好きになってほしいのだ。