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2007年07月12日

世界を変える社会起業家100人

昨日発売の週刊『Newsweek』(日本版)。
「世界を変える社会起業家100人」という特集が組まれている。
その100人に何と、大地を守る会会長・藤田和芳が選ばれた。
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貧しい人のために無担保の小口融資銀行をつくったことでノーベル平和賞を受賞した
バングラデシュのムハンマド・ユヌスさんや、
ハチミツ・ビジネスでアフリカ農民を支援するケニアのファルーク・ジワさんらと並んで
藤田さんが紹介されている。
お付き合いのあるところでは、「フェアトレード・カンパニー」のサフィア・ミニーさんのお顔もある。

ここで選ばれた基準-「社会起業家」とは。
環境問題や農業、途上国支援、貧困救済などの分野で社会貢献を目指しながら、
その活動を「ビジネス」として成立させることで持続可能性を獲得している起業家、
という感じで要約できるか。
しかもここで重要なのは、社会変革の牽引者として認められるか、ということのようだ。

藤田さんがメディアに登場するのはもう珍しいことではなくなったけど、
今回は、たかが6行での紹介とはいえ、「世界の100人」である。
えっ? そうなの? へぇ~、すごい!!! -これが社員の大方の反応みたいだ。
まるで他人事みたい。
仕方ないよね。イベントを派手にやることはあっても、
日常の仕事はかなり地味で、ストレスとのたたかいのような日々だからねぇ。

これは「時代の流れ」なのだ、きっと。
新しい、21世紀型の事業が形成されることを、社会が求めている。

それは利益こそ神のようなお金のための社会ではなく、一方で単純な理想主義でもない。
人の暮らしとこの星の資源の限界性とがきちんと調和した社会を築き直す仕事。
そのためには、‘できることから始める’‘経営の自立を優先する’という現実主義も時に採用される。
藤田さんが迷った時によく使う言葉が、「清濁併せ呑もう」だ。
“濁”を自覚することが、今日の覚悟を決め、明日へのステップを意識させる。

藤田さんが選ばれたのは、そういう意味で、僕ら社員にとっても誉れである。
事業の拡大(持続性)と社会運動の展開は、「大地」の車の両輪とよく言われるが、
その‘意思’を持続させたのは、それなりの組織論があったからだと思っている。

たった6行でも(しかも設立年が違ってる。75年です)、素直に、嬉しい。
僕も大地に入ってまもなく四半世紀。よくやって来れたなぁ……実に感慨深い。
と同時に、25年前には想像できなかった‘時代の変化’というものが、
今はそこそこ見えるような気がする。

大地は、人と地球に貢献する企業として全うしなければならない。
これは俺たちの義務だ。
この「期待」という重圧に、大地の一員として応えたい、と改めて思う。