2007年7月 5日

土壌分析のすすめ

 

安全審査グループ有機農業推進室(以下、推進室)のスタッフが、新しい冊子を作った。

『土壌分析のすすめ(保存版)』(A4版・24頁)

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推進室では毎月、大地の機関誌(だいちMAGAGINE)と一緒に

部署内で制作した『今月のお知らせ』というニュースを生産者に送っている。

実にシンプルで、飽きのこないタイトルでしょう。

推進室から生産者への各種のお願いごとや、

有機農業とか農薬に関連する新しい情報、大地の行事の案内などをまとめて、

月に1回発行している。

 

そこに今月は上記の冊子が同封された。

『保存版』としたところにスタッフの気持ちが込められている。


土壌分析というのは、

畑の土の肥料(栄養)成分を測定することで、土壌の栄養バランス状態を正確に捉え、

肥料のやり方を調整して、品質や安全性の向上に役立てる、という科学的な手法である。

 

プロの農家相手に何と大胆なことを、と思われるだろうが、

有機農業派の中にはけっこう職人肌の方が多く、

みんながみんな科学的分析を基に肥料設計をしているわけではない。

 

長い経験によって培われた判断力や勘はその人の熟練技として、

ぼくらはただ感嘆して教えを乞うのみだが(それでも分かるわけではない)、

意外と土は栄養過多になっていたり、

あるいはいつの間にかバランスが崩れていたりすることもある。

 

そこで思い切って、

土壌分析の基本や数値の読み方について解説したものをつくって送ろう、となった。

分かっている農家には文字通り'釈迦に説法'だけど、

土壌分析というものを相手にしない人に対する我々なりの呼びかけとして。

 

主に書いたのは吉原清美である。

この間、自腹を切って地方での研修に出かけるなど、精力的に学んできた。

上司としては、「よくぞ書いたもんだ」 である。

私には、仮に知識があったとしても、コワい生産者の顔が浮かんでしまって、

とてもできない。

 

さて、生産者からの最初の反応は、

「他の仲間にも見せたいので、あと5部ほど送ってくれないか。」

推進室長の亀川が喜んで、皆に報告している。

上司のひと言は、かなりセコかった。

「コピーさせろよ」

 

ここは担当を褒めるべきでした。反省。

でも、こんなんではすまないんだぜ、きっと。

オメーらに何が分かる!

という顔がいくつか浮かんでいて、心の狭い上司の腹の中は戦々恐々なのである。

 

でも我々だって、ただチェックするだけが仕事じゃない。

品質や安全性の向上に、貢献したいのだ。

 

そうだね。ここは誰が何と言ってこようとも胸を張ってやらねば。

 



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