2007年9月14日

『プロセス』 から 『ツチオーネ』 へ

 

大地を守る会の「大地宅配」。

会員向けの商品カタログ 『PROCESS』 の誌名が変更される。

今週が最後の 『PROCESS』 となった。

 

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『PROCESS』が発刊されたのは1989年7月。

何度ものリニュアルを重ねながら18年。

大地の成長とともに歩み、まさにそのプロセスを体現してきた情報誌だったと思う。

 

この誌名を社内に提案し、最初の編集・制作を担当したのは私である。

大地の姿勢や思想をそれなりに'つかんだ'ネーミングだったと、今でも思っている。


 

  今の時代、カンペキに 「安全です」 と言い切れる食べものは存在しない。

  水も空気も循環している以上、どんなに頑張っても、どんな場所でも、

  100%汚染から免れていると保証できるものはない。

 

  だからこそ 「安全」 にこだわり、前に進み続ける。

  できていることとできていないことを認め、自覚し、

  今の到達点を正直に伝える。

  目の前の商品ライン・アップもまた理想に向かう 「過程」 (プロセス)である。

  その 「いま」 を伝えよう。

 

この姿勢は、今日言われるところの 'トレーサビリティ' や '情報公開' の視点を

先取りしたものだったと自負するところだ。

たかが誌名であるが、我々の行動規範を示す言葉として、堂々と存在していたように思う。

 

これが『PROCESS』の創刊号。

 

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それまでバラバラに作られていた農産物情報や水産物情報、会員との交流紙などを

一本にまとめ、統一感をもたせるとともに柔軟な編集を可能にさせたい。

そんな意気込みで新しい媒体づくりに挑戦したものだった。

 

A4サイズ・16ページ・モノクロからのスタートだった。

それがいつの間にか、タブロイド版で28ページ・カラー印刷ものになっている。

ここまできたんだ、と改めて感慨深いものがある。

 

しかし印刷物のタイトルというものは、時代の変遷の中でいつかは寿命がくる。

これは仕方のないことだ。

変化の激しい大地の中で、よくぞ持った18年である。私は素直に誇りたい。

 

さて、来週からの誌名は、『Tsucione (ツチオーネ)』。

 

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正直、驚いた。大胆なセンスだ。

ツチオーネ・・「土大根(つちおおね)」。古事記に記された大根のことらしい。

 

大地を守る会設立時のメッセージ

 「農薬をこわい、こわいと百万遍叫ぶよりも、安心して食べられる大根一本を、つくり、食べよう」

この原点を忘れないという気持ちも込められている。

 

「プロセス」はその精神ゆえに、進化を求める。

前に進むためには、何かを変え続けなければならない。

しかし変化の中でも、変わらない精神を確認し続けることも大切なことだ。

 

大地年表に、新しい「ツチオーネ」時代が生まれた。

どんな時代を映し出すかは、我々次第である。

長く愛されることを願ってやまない。

 



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