2008年1月28日

STOP! ロッカショ

 

昨日(1/27)は日曜日だというのに忙しい一日になった。

 

朝9時半から六本木で「おさかな喰楽部新年勉強会」。

漁業資源の保護に取り組む漁業を証明するMSC認証について。

 

11時半に終えて、水産物生産者たちと日比谷公園に向かう。

 

持参のおにぎりに無料で振る舞われたつみれ汁(大地が担当)

を頂戴してお昼を済ます。

 

午後1時から、核燃料再処理工場の稼動に反対する集会とパレード。

 

パレード解散後

そのまま東京から新橋に向かって、おさかな喰楽部の新年会。

二次会までやっちゃって、

今朝はちょっとしんどい1週間のスタートだ。

 

ということで、まずはロッカショ集会の模様からお伝えしておきたい。


日比谷野外音楽堂集会に集まった参加者は2000人。

寒いけど、まあ晴れてよかった。

 

ステージは吉本多香美さんのアフリカンダンスから始まり、

多彩なゲストがそれぞれに演奏や歌を歌い、

再処理工場を止めようとのメッセージを伝えた。

 

吉本さんは、あるTV番組で原発に批判的な発言をしたところ、

番組のスポンサーが電力会社であったがために降ろされた

という話を吐露して、今のメディアの弱さを訴えていた。

こういう発言が、タレントの世界から出てきているところに、

広がりが感じられる。

 

梅津和時さん率いる「こまっちゃクレズマ」のジャズ演奏。

 

梅津さんは大地の国際局のツアーなどにも

'芸人'としてよく同行してくれる楽しい方だ

 

サンプラザ中野くん(最近「くん」がついたらしい)。

「大きな玉ねぎの下で」「ランナー」を歌ってくれる。

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随分痩せたと思ったら、マクロビオティックですっかりベジタリアンに

なったのだそうだ。

 

ミュージシャンのSUGIZOさん、

川田龍平さん・大河原雅子さん・保坂展人さんらの国会議員も登壇。

 

僕にとって、それよりも嬉しかったのは、

サーファーたちが乗り込んできたことだ。

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サーフィンは海から恩恵を受けているスポーツだ。

海の水もガブガブ飲んだりする。

波乗りの人たちにとって、目に見えない放射能はおそろしい。

原子力発電所が出す放射能1年分を1日で排出する再処理工場なんて、

許すわけにはいかない。

 

彼らはただ自分を守るためだけに動いているのではない。

ビーチ・クリーンナップ(ゴミ拾い)など地道な活動もしている。

彼らの危機感は、漁師の危機感に連帯している。

 

サーファーをバックに、

岩手県宮古から大挙して参加された重茂漁協の漁民たちが上がる。

皆、合羽姿にタオルの鉢巻、手には大漁旗。

何だか頼もしく感じる。

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先祖から引き継いだ豊かな自然を次の世代に伝えたい。

美しい海が放射能で汚染されるのは忍びない。

役所は危険じゃないというけれど、

それなら東京のど真ん中につくればいい。

なんで東北に持ってきて、40メートルの深さで流すのか。

都会の人には、もっと田舎を大切にして欲しい。

 

集会後はパレードに向かう。

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子どもを抱いた母親もたくさんいる。

家族で楽しそうに歩く人たち。

全体の雰囲気は、やっぱり昔と違って明るくなったような...

まあいいことだ

 

日比谷から銀座、東京へと歩く。

先頭のほうからはシュプレヒコールの声もかすかに聞こえるが、

3番手集団を任された大地の隊列は、お喋りしながらただ歩いている。

これも大地らしい。

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途中から男の子が

「再処理工場を止めよう!」

と声を張り上げてくれたので、

大人たちもそれに合わせて声を出す。

 

道行く人も立ち止まって我々を見ている。

たまにオジサンが拍手をくれたり、手を振ってくれるオバサンがいて、

お礼を言ったりしながら、歩く。

 

再処理工場がいよいよ稼動するという段階に至って、

たしかに色んな方たちが動き出した。

象徴的なのは、世界的な音楽家・坂本龍一さんの登場か。

 

ウェブサイトを立ち上げ、誰もが自由にダウンロードできる音楽

(クリエイティブ・コモンズと言うらしい)をアップして、

そこにたくさんのアーティストが

ボランタリィで楽曲やアートを提供している。

 

ミュージシャンのSUGIZOさんが呼応して、

こんな本も出版された。

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ロゴをデザインしたのは、これまた世界的デザイナー、

ジョナサン・バーンブルックさん。

この名前は覚えておいて欲しい。

大地でもいずれ登場してもらうことになるはずだ。

 

これ一冊で再処理工場の問題が分かる。

加えて、たくさんのアーティストがメッセージを寄せている。

Mr.Childrenの桜井和寿さん、

女優の高樹沙耶さん、

ブロードキャスターのピーター・バラカンさん、

ギタリストの佐藤タイジさん、などなど。

 

カッコいいと思ったのは、

選曲家・桑原茂一さん(クラブキング代表)のこんなセリフだ。

 

   YMOの存在が私の人生に不可欠だったように、

   STOP‐ROKKASHOへの意思表示もまた必然だ。

   国家は本来私たちを幸せにするために存在すると信じて生きている。

   私の人生を肯定するなら、今私は行動するしかない。

 

有名人の力を借りて運動を喧伝するのは恥ずかしくもあるが、

読みやすく、装丁もコンパクトで、かわいらしい本に仕上がっている。

あまり関心のない友人などに勧めるには'使える'かもしれない。

彼ら有名人たちも、利用してもらいたい(役に立ちたい)

と強く願っている。

 

翌日、国会議員の仲介で、80万人分の署名が国に提出された。

80万の意思表示があっても、国の既定方針が覆ることはないだろう。

 

しかし、この運動は多様性を見せ始めている。

たんに再処理工場をどうするかを超えて、

新しい価値観による社会をつくるムーヴメントに発展する

可能性を感じさせる。

 

本当に変えてみたいものだ、僕らの力で。

 



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