2008年2月27日アーカイブ

2008年2月27日

「だいち交流会」 -横浜中区会場での話

 

二日間にわたる 「大地を守る東京集会」 が無事終了した。

終わった後も、残ってくれた生産者・消費者・事務局入り乱れて、二次会、三次会と、

議論あり、唄ありで飲み明かし、宙に浮いたような体で出勤すれば、

" せっかく東京に出てきたわけだし " ということで事務所に顔を出してくれる生産者がいる。

月曜日も商談やら農業談義やら...

夕方にはサンケイプラザに忘れ物を取りに行って、この日は終了 - 爆酔、じゃなくて爆睡。

(最近のワープロ漢字変換は油断ならない。 なぜ酔と出る? ご主人のことは分かってるとばかりに...)

そんなわけで例によって、

溜まった宿題を焦るものから順番にやっつけている今日 (27日) である。

 

さて、この怒涛の二日間をどう伝えようか、思案するもまだ頭の中が定まらない。

そういう時はオーソドックスに、時間を辿りながらいってみましょうか。

 

まずは一日目 (2/23)。12地区に分かれての 「だいち交流会」。

実行委員会から割り振られた横浜中区会場に行く。

場所は中華街や横浜スタジアムのあるJR関内駅前の「横浜酒販会館」ホール。

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午後1時半開会。

10に分かれたテーブルには、「ビール席」 とか 「ガス灯席」 とか

横浜にちなんだ名前がつけられていて、それぞれに分かれて座った生産者が順次紹介される。

大御所、重鎮が来ている。

北海道江別市の金井正さん。 じゃが芋・かぼちゃ・小豆などの生産者だ。

 

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「大地とのお付き合いは、そうですねぇ、 もう34年になりましょうか」......って、

大地発足年 (75年) からってことですね。 脱帽。

 

私の席は 「マッチ席」。

1875年、平沼に工場が建設され、汽車印のマッチが製造されたのだとか。

「アイスクリーム」 に 「カフェ」、「石鹸」、「鉄道」、「波止場」、「人力車」、「西洋野菜」 と、

ヨコハマのハイカラな歴史が偲ばれる。

 

生産者紹介のあと、「小さな勉強会」 と称して、二つのテーマで勉強会。

ひとつは原発。

大地を守る会の専門委員会 「原発とめよう会」 の事務局・斉藤聡が原発の問題点を語る。

次が私に課せられた課題 -「抗生物質と耐性菌の話」 。

なんでこういう場で抗生物質 (Vs. 耐性菌) なの ?

そうですね。 けっして楽しい話にはならないし・・。 でも受けちゃったんです。 

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実はこういう話。

抗生物質というのは、微生物から作られた、他の微生物の増殖や発育を抑制する物質の総称で、

有名なのが1929年に最初に発見された 「ペニシリン」。

戦後になってたくさんの抗生物質が生まれ、そして

今では農薬や家畜・養殖の飼料などに普通に使われるようになってしまった (ご存知でしたか?)。

その総量は年間2000トンを超える。

病院や外来処方で人間の病気治療に使われるのは、実はそのうちの500トンでしかない。

抗生物質は特定の細菌に対して毒性を示す。 人体そのものへのリスクは少ない。

しかし時間とともに 「耐性菌」 が発現して、その抗生物質が効かなくなる。

当然、濫用すればその時間は短くなる。

医療現場では、「ペニシリン」 → 耐性の出現 → 「メチシリン」 →

耐性 (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:MRSA) の出現、ときて、その院内感染が問題となった。

そしてMRSAに効果のある、究極の抗生物質と言われた 「バイコマイシン」 が作られたが、

すでにバイコマイシン耐性ブドウ球菌が出現している。

すなわち抗生物質と耐性菌は、こんなふうに " いたちごっこ " しながら、

生命・生態系の必然として 「進化」 しているのだと言える。

この 「進化」 によって種の多様性が確保され、

どんな天変地異や恐怖の伝染病が発生しようが生命が維持されてきたと考えれば、

耐性菌の出現は恐れることではない。 いや、恐れても仕方がない、と言うべきか。

私たちはこの星の生命体として、否も応もなく微生物と一緒に生きている。

 

とりあえず私たち (今を生きているヒト) にとっての問題は、いざ感染症が拡散した際に、

抗生物質が効かない (効く抗生物質がない) 事態が想定されることである。

したがって、抗生物質とは 「必要な時だけ利用する」 (耐性の出現を遅らせる)

のが賢明な付き合い方、ということになる。

 

しかし日本では、農業・畜産・水産の現場で野放図に使われ過ぎているために、

自然界で耐性菌の出現が起きている。 しかも相当な範囲とスピードで。

すでに沖縄のヤンバルクイナから抗生物質の耐性菌が確認されている。

北海道のアライグマからも、河川の細菌からも・・・・・

米国の医学教科書には、こういう記述があるそうだ。

「新しい抗生物質ができても、日本では数ヶ月で耐性菌が出現する」

 

耐性の出現は抗生物質に限らず、あらゆる薬剤に言えることである。

家庭用殺虫剤 (Vs.チャバネゴキブリ) から遺伝子組み換え作物まで-

いたちごっこのスピードが速まれば速まるほど、我々にとってのリスクも高まる。

 

そこで私たちが唱える  " 有機農業の推進 "  とは-

その食品の安全性にとどまらず、生態系の安定 (多様性の保持) や環境との調和を通じて、

生命の健康を守ることだと考える。

生態系の安定は、たとえオーガニックであろうが、輸入品では賄えない。

だからこそ  " 基本は国産でいこう "  というのが大地の考え。

有機農業もまた、微生物と共存・共栄する考え方・技術として 「進化」 しつつある。

 

国産の原料にこだわってくれる畜産も存在する。

それらの受け皿となってくれる加工者もいてくれる。

これらのつながり (輪) を支えているのが、まぎれもない  "消費の力" 。

でもけっして特別な人たちでやってきたわけではない。

だいたいがごくフツーのオジサン・オバサンたち。

今日はそんな人たちが集まって、その輪が見える日。

どうぞ、とくとご覧になって、大いに交流してほしい。

 

とまあ、何とかこのテーマを依頼された実行委員の要望には応えられたか、

と思ってはいるのだけど、本当はどうだったか......

その辺は本人には分からない。

 

勉強会のあとはテーブルごとに歓談。

「有機農業はとにかく草取り」 と生産現場での苦労話 (さんぶ野菜ネットワークの斉藤勝男さん) や、

畜産での餌の話 (中津ミートの太田雄大さん) が出る。

特にノンGM飼料が確保できなくなってきていること。 どうやって安全な循環をつくるか。 

「コンビニの食品残さを醗酵させて餌にするのも考えたりするが、添加物が心配だし・・・」

などなど~

「すこしくらい高くても安全なものを、と思って買っている。 頑張ってください」

こんなありがたい消費者の声は、想像以上に生産者に響いていることは、

この場を借りてお伝えしておきたい。

 

《もうちょっと東京集会のトピックで続けます。》

 



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