2008年2月 5日

メンテナンス中の出来事いろいろ

 

「メンテナンス中」 がちょっと長引いただけで、ダレるようではブロガー失格といわざるを得ない。

ここは厳しく己れを叱咤して、先週を振り返らせてみたい。

 

まずは1月29日(火)、茨城・つくばで生産者の新年会に参加する。

今回は北浦(現行方市) の卵の生産者・濱田幸生さんから、

茨城県で進みつつある有機農業関係のネットワークづくりの話をしていただく。

新年会といっても、ちゃんと勉強会つきである。

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濱田さんがつくろうとしているのは、

有機農業推進法の施行によって、

各都道府県レベルで有機農業の推進策を策定するようにと、

国から方針が下りてきたことに対して、

下(現場) からの提案とモデルを作っていこうぜ、というものだ。

そこで結成されたのが 『茨城県有機農業推進フォーラム』 である。

生産者だけの集まりにせず、茨城県内の環境NGOや研究機関、流通、自治体も連携して、

有機農業を発展させるための様々な構想や企画アイディアが盛り込まれている。

 

有機農業農家の横のつながりを作るためのマップづくり。

有機農業の普及支援。そのための研究。

消費者が体験できる有機農業公園や、交流を活発にさせるお祭りの開催。

新規就農のお手伝い。

環境NGOも参画しての環境保全型の地域モデルづくり、などなど......

まずはみんなが集まり、語り合える 「フォーラム」 をつくりたい。

 

行政任せにしないで、俺たちで作り上げていこうよ。

やりたいことは一杯ある。やれることはどんどんやろう、ってワケだ。

まったくアツいね、濱田さん。

ちょっと最初から風呂敷を広げすぎている気がしないでもないが、

イメージのウィングは広くもって、たくさんの人に参画してもらいたいのだ。

茨城に入植して20数年。

「俺は茨城が好きなんだ」 と言って先輩農家に呼びかけている。

放ってはおけないよね、皆さん。

時代が、未来が、俺たちに 「頼む」 と言ってきてるんですよ。

 

あとは楽しい(つらい?) 新年会。

 

「(野菜作りの奥義のようなもの? が) だいぶ見えてきた。 もう少しです。」

とスゴイ台詞を吐いた中根剛さん。

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(写真は中根グループの方々。右から二人目が中根剛さん)

 

お父さんの急死を乗り越えて、立派になってきた。

 

「エビちゃんのブログはちょっと難しいな。 もうちょっとやさしく書いてくれないと。」

と意見をくれた堀田辰郎さん。

ちゃんとチェックしてくれているだけでも、感激である。

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「あと一年で長男が(大学を卒業して) 帰ってくんだ。 そしたら書類もパッと出せっから。」

そういう問題ではないと思うんですけど、樫村健司さん。

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いずれにしても、その下にまだ4人の男の子が控えていて、彼の茨の道はまだまだ続くのである。

 

いつも仲良し、小野寺孝一・きよ子夫妻。

どんな時も明るい '気' を送ってくれる。

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二次会では、濱田さんと有機農業推進法や有機JAS制度論議。

部屋に戻っての三次会は......ここでは言えない。

「こんな○○作ってちゃダメだよ」 「俺だって必死にやってんだぁ」 -×●△!#$↑%!~

でご想像いただきたい。

ま、今日も何とか最後まで頑張った (別にそれが偉いわけではないが)。

 

帰ってきた翌30日(水) の夜。

二日酔いがようやく醒めたと思ったら、今度は新宿までお出かけして、

高校時代の同級生が集まっての飲み会に参加する。

実は、わが母校が春の選抜高校野球の 「21世紀枠」 の四国代表に選ばれていて、

ついに甲子園か!

の期待が高まっていたのですが、最終選考で脱落。

気の早い仲間が祝杯を挙げるべく居酒屋を予約してしまっていて、

まあもったいないから、残念会がてらの新年会と相成った次第。

事前に申し伝えられていた議題 -「甲子園初出場にあたって、OBとしてあるべき姿勢の件」

をめぐって、要するにな、我々OBとしても品行を改めんとあかん、ちゅうこっちゃ。

お前のことやけんな。ワレ(お前) に言われたないわ...と、昔の仲間と楽しく飲んだのでした。

ま、いい夢見させてもらったよ。 有り難う!後輩諸君。 夏もガンバってね。

 

重たい頭で翌日、それでも頼まれていた原稿を1本、書いて送る。

依頼者は、棚田の堰の保全活動で紹介した喜多方の浅見彰宏さん。

活動報告書をまとめるのに、賑やかしの一文を、と依頼されていたもの。

2月9日の大和川交流会の前に宿題が出せて、ホッとする。

 

2月2日(土)は、

東京で 「田んぼの生き物調査プロジェクト」 のシンポジウムに参加する。

 

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田んぼの生きものの種類や数を調べることから、実はすごい世界が見えてきている。

その意味を様々な角度から検証し、次の地平を切り拓こう、というもの。

'農業が環境を創造する' -その価値を目に見える形で指標化して、

それに対して農産物価格とは別の形で支援(保証) する仕組みがつくれないか......

そんな問題提起があった。

 

帰り際、セッションの司会をされた宇根豊さんに挨拶する。

「24日の大地の東京集会でも、お世話になります。 ヨロシクお願いしますね」

「戎谷さんから出されていた課題に、今日ひとつ答えたから」

 

そんなこんなの間にも、餃子報道である。

この整理は、もうちょっと待っていただきたい。

現時点ではっきりと言えることは、

 1.原料の野菜に農薬が残留していた、というような話ではない。

 2.これは製造-流通の日常的業務(常態) から発生したものではなく、

   極めてイレギュラーな、つまり想定外の 「(犯罪的)事件」 の色合いが強い。

その程度である。

 

じゃあ、どうやって身を守ればいいのよ?

-(あなたにとって) 信頼できるところから買ってください、というしかありません。

 「中国産」を捨てたからといって、 「安全を保証」するものではありません。

 

目に見えない「悪意」の存在を想定してしまったら、100%安全な場所はない。

「危険」 因子が設定できない以上、「安全」 は証明できない。

そのような不気味な 「事件」 だというのが、私の感覚です。 

 

素材から確かめられるもの、それが保証されることが 「安心」 の根拠だと思うが、

じつは生産から流通までのサプライチェーンで、それを担保するためには、

それ相応のコストが必要である。

安さで競争する人たちは、それを伝える努力をするわけでもなく、

からくりで構成された 「消費者ニーズ」 を盾に周辺コストの引き締めをはかる。

その結果のような気がする。

これは 「この国の生産・消費構造」 が持っている本質的なリスクだと思う。

 



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