2008年2月11日

"この世の天国~" 大和川酒造交流会

 

2月9日(土)。

僕にとって一年で最もシアワセな一日、のひとつ。

会津・喜多方での 「大和川酒造交流会」 。

毎年2月第2土曜日に設定して、大地オリジナル純米酒 「種蒔人」 の

上槽(じょうそう:お酒を絞る) が行なわれる。

その完成の日にみんなで集まって、今年の新酒の出来を確かめ、祝うのだ。

 

種蒔人のファンが集まる。

原料米の生産者、「稲田稲作研究会」(福島県須賀川市) のメンバーも駆けつけてくれる。

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今年も、例年のリピーター含め36名が 「飯豊(いいで)蔵」 と名づけられた醸造蔵に集合。


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佐藤和典工場長の解説もそこそこに、

はやる気持ちで醸造室に。

  

今回もピッタリ、上槽の日に合わせることが出来た。

今しがた絞られて、タンクに入ったばかりの「種蒔人」、いわゆる「あらばしり」の試飲。

炭酸ガスのフレッシュなシュワシュワ感も、今日ここでしか味わえない。

 

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ウ~ン!今年もイイね! 例年より微妙にまろやか?な感じがする...

交流会常連のO氏の嬉しそうな顔。

 

大地のお酒ウンチク男・F氏の評を聞いてみましょう。

「ウン。辛さの中にも、米の味が残っていて、去年よりさらにバランスがよくなっている」

 

これで一週間ほど寝かせれば(「滓(おり)びき」という) 、炭酸ガスも抜け、味がなれてくる。

会員へのお披露目は、2週間後の 「大地を守る東京集会」 の懇親会である。

今年も間違いなく、樽の周りに集まった呑ん兵衛たちのニコニコ顔が見られる。

想像しただけで、嬉しくなる。

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醗酵中の大吟醸酒。 吟醸の華麗なまでの香ばしさ...

プクプクと泡が立って、こちらはあと数日か。

 

江戸時代から残る旧蔵に移動。

こちらは 「北方風土館」 の名称で、見学蔵に改造されている。

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昔の酒造りの道具などが陳列されている。

自社田で栽培された酒造好適米 「山田錦」 の稲穂も飾られている。

本来は西日本の米だが、他地方から買ってきて酒にすることは、

'会津の大和川'  の名折れとばかりに、自社の田んぼで育てている。

おそらくは 「山田錦」 栽培の北限ではないだろうか。

 

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大和川酒蔵店自慢のラインナップが並ぶ。

 

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こちらは貯蔵倉を改造した 「昭和蔵」。

温度管理に配慮した倉だけあって音響効果もよく、コンサートなどに利用されている。

 

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去年新しく、蔵の奥と二階を改造してつくられた 「天空回廊」 というスペース。

展示会やパーティなどに使われる瀟洒なつくり。

ここで吟醸酒を味わいながら、ゆったりと佇んでみたくなる。

 

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見学のあとは、風土館内に設えられたそば処 「良志久(らしく)庵」 で懇親会。

「種蒔人」 はじめ、新酒を何種類かいただきながら、会津料理に舌鼓を打つ。

料理人は、会津の食文化にこだわり続けてきた、クマさんこと熊久保孝治。

 (写真はいま修行中の方です。)

 

挨拶する九代目の当主、佐藤弥右衛門さん。

2年前に伝統の弥右衛門を襲名した。戸籍も変えたのだ。

先代の遺志を継いで、喜多方の文化保存や街づくりに尽力している。

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「身土不二、四方四里」 (体と土は一体のもの、周囲4里の地元のものを食する) を説く。

いよいよもって頑固な会津人になってきた。

 

初参加の方も、常連さんも、話はどんどん弾む。

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最後は、クマさんの打った蕎麦で締める。

 

これがまた美味い! 

酒といい、蕎麦といい、何ぼでもいけてしまう。

 

いつだったか、交流会に参加した会員さんのひと言。

「大和川交流会は、この世の天国みたい!」

以来、僕はこのセリフをずっと頂戴している。

 

いつのまにか生産者、消費者、誰彼となく話に夢中になってしまって、

あっという間にお開きの時間。

写真も最初のうちだけで......イイ顔がたくさんあったのに、スミマセン。

 

最後は、雪深い熱塩加納村の温泉宿で一献。

ここでも  'この世の天国'  を満喫して、ついに沈没。

 

翌日は、ふたたび飯豊蔵に戻って、

今度は、種蒔人を絞り終えたあとの、板粕をはがす作業。

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これも 「種蒔人の酒粕」 として販売される。

稲田稲作研究会が育てた、貴重な無農薬(栽培期間中農薬不使用) の 「美山錦」 の酒粕だ。

でも、こればっかりは酒の量に応じて残るものだけに、数量限定品である。

一週間で売り切れてしまう。

お酒も酒粕に応じて飲んでくれないと困るんだけど......

 

そんなこんなで、楽しい天国ツアーのシアワセな余韻に浸りつつ、酒蔵とお別れ。

  '帰ってゆくヨッパライ'  ってか。

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最後になったけど、

「種蒔人」 1本につき100円、また100円と、地道に積み立てられてきた 「種蒔人基金」

の額が、1月末現在で 1,015,186円となり、

ついに100万円を突破した。

 

『種蒔人が飲まれるたびに、田が守られ、水が守られ、人が育つ。』

このお酒の実力が発揮されるのは、これからである。

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 後ろ髪を引かれつつ、あとにする。

 



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