2008年3月25日

第2回有機JAS制度の検討会

 

今日は、霞ヶ関の農林水産省に出向き、

第2回有機JAS制度に関する検討委員会に出席する。

 

先月の顔合わせと課題認識から始まり、ようやく審議が序盤から本番へと入ったような印象で、

まだ詳細を報告できる段階ではないが、期限は10月までの、あと半年である。

どこまでできるか、まだ分からないけど、この期間のうちに

できるだけの提案を提出したいと思っているし、

僕なりに有機農産物の認証制度の方向を見極めたいと思っている。


制度の問題はいくつもあるが、

根本的には、この制度が有機農業の推進につながるか、にかかっている。

つまりこの制度が有機農業に取り組む生産者の励みになり、生産者が増え、

安全な農産物が消費者に供給される道が広がり、環境も守られる、

そんな道筋に貢献できるかどうかである。

 

生産者の委員からは、

認証を受けるための生産管理記録の大変さとコスト負担のつらさが訴えられる。

今のままでは高齢の方は続けられないし、有機認証を取得する生産者は増えない、と。

 

しかし検査を甘くするわけにはいかないし、

検査員や認証機関が、認証のための指導 (コンサル) をすることは禁じられている。

しかし、とは言っても、2,3年で規定 (法律) の解釈が変わったりする制度を

生産者が正確に熟知するためには、情報提供やフォローのシステムが必要なのだが、

そこは国が何かを用意してくれるわけではない。

農薬を使わないために、補完的に使用される資材でも、選択を誤れば有機取り消しになるが、

生産者が判断材料を正確に入手できなかったりする。

そして認証機関の有機の適合判定能力にも、まだバラつきが見受けられる。

 

要するに、まだまだ育てる気持ちでの検証と改善が必要なのだが、

消費者の目は、どんどん厳しくなってきている。

 

この検討委員会もまだ手さぐり的で不安もあるが、

2回の会議を経て、ようやく自分なりの立ち位置も見えてきたように思う。

次回から少しずつでも具体的な報告ができるよう、自分なりに頑張ってみるつもりだ。

 

そして、お国の検討委員会とは別に、大地は大地として、

有機農業運動の広がりのために、新しい取り組みも考えている。

この運動を担ってきた一翼であるという自負をかけて、限界を突破してみたい。

その辺の秘策もまた、準備に取り掛かっているところである。

 

会議を終えて外に出れば、国会議事堂の前の桜が、もう満開になっていた。

都心の温度はやっぱり高いと思った、「ホントに春だね」 の一日でした。

 

職場に戻れば、今度はテレビ局からの取材の依頼に対応する。

 

実は、この年度末、

社内では部署の一部再編成と、それに伴う人事異動が発令されていて、

ワタシはその渦中にあって、個人的にはそれどころじゃないって感じなんだけど、

対外的要請に対しては、そんなことは関係なく誠実に対応する、という社是にしたがって、

何だか今まで以上にとても忙(せわ)しない、春の始まりである。

 

年々忙しさが募りながらも、それなりに生きているというのは、

能力が上がっているのか、手抜きが上手になったのか、その辺は定かではないが、

判断に多少の自信と、腹が据わってきたのは確かなような気がする。

 



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