2008年4月16日

春の風物詩

 

そう間を置かず、カッコよく再開しようとねらったのだったが、

やっぱりそうもいかなかった。

農産物の仕入から発注、栽培管理まで、

とにかく今は全体を理解するのに追われてしまっています。

 

チッチさん。 コメント有り難うございました。 返事も書きましたので、ご確認ください。

前回のテレビ局の取材の話には、他団体の広報の方からもコメントをいただきました。

どうやらマスコミ取材に苦々しい思いをした経験があるらしい。

でも、それはちょっと生々しくもあり、アップできない旨、ご容赦いただいた次第。

 

このところは、文字通り三寒四温のような日々ですね。

桜が咲いたと思えば花嵐が吹き、なたね梅雨に入り、高気圧と低気圧の追っかけっこで、

三日と晴天は続きません。

冬から夏へと向かいはじめる不安定な時季こそ、春なのかも。

端境 (はざかい) 期とよばれる野菜の移行期に、天候はさらに出荷を不安定にさせます。

大地宅配の野菜セット 「ベジタ」 も予定通り組めず、値引きの判断を強いられました。

特定の生産者と契約しているがための宿命のようなものです。

 

若者も巣立つ季節。 いや我々にとっては若者を受け入れる季節か。

こんな一枚はいかがでしょうか。

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これは先週の土曜日、

4月12日に行なわれた 『大地合宿』 と呼ばれる職員研修での伝統行事、

新入社員による 「新人発表」 のひとコマ。

ヴァイオリン演奏を披露してくれた新人さんです。

 

幕張本社近くの研修施設と公園を借りて行なわれた今回の合宿。

幹事を担当した部署の配慮で職員の家族の参加も受け入れることとなり、

「家族への感謝」 をテーマに盛り込んだ、アットホームな合宿になりました。

幸いにして晴天の青空の下、こんな感じで。

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フィアンセを連れてきたヤツもいて、何だか今の若者が羨ましくもなって。

 

新人発表も、昔はスピーチ一本で勝負するヤツが多かったですが、

昨今はどうも一芸披露の傾向になっています。 その方が記憶されやすいということなのか。

下の写真は昨年秋に中途で入った職員。

こちらは自分がやってきた専門分野を使っての研究発表的で、

僕はどちらかというと、こういう方が好きです。

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個人の発表のあとに飛び出したサプライズ、の新卒3人娘による大根踊り。 

こいつら東京農大でもないのに? ......専務のウケを狙ったか。

物怖じしない世代が育っています。

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そして夜の懇親会 (宴会) 。 想定外の飛び入りが登場。

北海道・富良野の生産者、今利一さんです。

他の用事で東京に来たらしいのですが、大地の職員が合宿をやっているということで、

こっちに飛んできてくれました。 嬉しいことです。

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写真左が今さん。 右は大地の農産仕入担当取締役、長谷川満。

富良野でも麓郷 (ろくごう) という、ちょっと標高の高い土地で有機農業を営んでいます。

テレビドラマ 『北の国から』 の舞台となったところで、

ドラマの脚本を書いてきた倉本聡さんが開いた 「富良野塾」 の門下生の世話もしていたりして。

でも本人はそんなことを売りにしたくなく、「言うな」 とかたく禁じられているので、

僕らも言わないことにしています。

5年前からは、富良野市の市議も務めている。

みんなからおだてられ担ぎ上げられて、そんな心象をぜ~んぶ受け止めて頑張っている。

揶揄されても、笑いながら働く今さんが、僕は好きでたまらない。

 

酒の席で、若い職員が遠慮なく質問する。

「今さんの玉ねぎは何で小さいんですか?」

 

いやあ.........困ったなぁ、という顔をしながら、今さんは応える。

「僕も小さくていいと思ってないだけども、な~んでか、こいつら小さいんですよね。 何でだろ。

 でもですね。 大きい玉ねぎに負けないだけのエキスがギュッとつまってる、と僕は思ってるんだ」

 

今さんはこういうふうに言う人だらから、みんなに好かれるんだよね。

俺だったら、「お前に何が分かる」 とか言ってしまうだろう。

 

今グループのメンバー・菅野義則さんから聞いたことがある。

「有機に変える前、化学肥料を使っていた頃の今さんの玉ねぎは、そらぁ立派だったよぉ。

 選果場でも一番の評価だったね。 今さんは作る技術は持ってるんだよ」

 

有機農業の思想に触れて、今さんの苦労は始まったのかもしれない。

彼の玉ねぎは多少小さめだが、

「有機」 と決めたら 「有機一筋」 という彼の姿勢は骨太である。

僕らはその "意味"  に付き合っていることを知っておかなければならない。

しかも、金もないなのに、離農する農家の土地を引き受け、新規就農者にタダで貸し......

聞くたんびに、あんたの貸借対照表はどうなってんの、とか言いながら、

今さんのちっちゃな玉ねぎに、我々の苦労も重ねたりしている。

 

なんだかんだ言いながら、

合宿と聞いて飛んで来てくれたことに皆な嬉しい気分にもなって、

職員のアパートに連れていって一緒に泊まったりしたのでした。

 

翌日の朝、重たい頭で帰りの道すがらに出合った菜の花畑。 

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ああ、満開だ。

俺のウダウダした拘泥なんか関係なく、世界は摂理に基づいて流れています。

 

春は落葉の季節でもあります。

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常緑樹の葉の生え変わりを詩にした作品を、実は見たことがない。

浅学ゆえだと思うが、それにしても見ない。 何でだろう。

春の花開きの次は、若葉という気分か。

でも今時分は、相当に落ち葉の季節でもあるのです。

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放ったらかしていた雑草プランターで、レンゲの一番花が咲きました。

空気中のチッソを取り込んでくれる、昔からある優れもの。

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この花が枯れる頃には、田植えが始まる。

だんだんと、この日記のピッチも取り戻してゆきます。

 


Comment:

蓮華の花、最近見かけなくなりました。久しぶりにきれいな蓮華の花が見られてうれしいです!
これが咲くころ、子どもの頃は、魚とり網を持って一日中用水路を探り歩いていました。
かえるの卵をすくったり、中でも一番のヒットはなまずの子をすくった事です!トノサマガエルのおたまじゃくし位のサイズでした。はじめはおたまじゃくしだと思ってすくっていたのですが、よーく見ると、口がなんか大きい!!それにひげがある!!!となればこれはナマズ(~゜・_・゜~)だーってことで、感動しました。本当にそっくりだったので。♪おーたまじゃくしはカエルの子、ナマズの孫ではないわいな~♪の歌が頭に浮かんできましたが、本当にそっくりだったんです。
蓮華からなまずにいってしまいました。あ、なまずの蒲焼もおいしいですよね!
すいません。全然関係ない内容で・・・

from "てん" at 2008年4月24日 23:49

なまずの蒲焼って食べたことありません。海で育ったせいで、淡水魚は実はあまり馴染んでこなかったのです。いないわけではなかったんですが、例えばコイなんかも、大地に入って茨城の生産者を訪ねた時に初めて頂きました。なまずの蒲焼……いつか食べたいですねぇ~。てんさん、有り難うございました。
放ったらかし雑草プランターでは、いまレンゲが満開です。こんなところで、可哀想な気がしてきました。

from "エビ" at 2008年4月26日 15:23

大地消費者の植草桂子です。こんにちは。「小さい玉ねぎ」良いじゃな~い。私好きです。カレーとか牛丼とか大鍋で作る料理は大きい玉ねぎで良いけれど、お弁当を作るときとか、ドレッシングにみじん切り玉ねぎを入れるときとか小さいのも便利です。「どうして小さいんですか」と遠慮なく聞く若い職員もきっと私と同じで、小さいことは劣ることとは思っていないんだと思います。また、ブロッコリーとか大根みたいに「1個いくら」で届く商品は大きいと得した気分になりますが、玉ねぎは「1Kgいくら」で届きますから、大きくても小さくても損得感じませんから。加工食品メーカーや外食産業の方々は小さい玉ねぎは面倒かもしれませんが、一般家庭においてはなんら悪いことではないと思うのです。「ちっちゃくて可愛いでしょう」と自慢して良いくらいだと思いますよ。

from "植草桂子" at 2008年4月27日 15:43

植草さま

温かいコメント、有り難うございます。
たしかにちっちゃくて可愛いんです。ただ、ご指摘の通り、1kgいくらという重量で値段を決めているということは、生産者としては面積当たりの収入が少ないということでもあり、できればもう少し大きな玉にしたいというのが本音でもあります。
みんな今さんが好きで、植草さんと同じ気持ちではあるんですが、そんな心理も働いてか、また話しやすさもあって、ついつい軽口をたたいてしまいます。いけませんね。
植草さんのように受け止めて頂けると、本当に嬉しくなります。これからも色んな個性ある野菜が届くことと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

from "エビ" at 2008年4月30日 17:26

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