2008年7月20日

田んぼの草取り-2回戦

 

いつの間にか梅雨が空けて、

昨日も暑い中で、 「稲作体験田」 の2回目の草取りが行なわれた。 

前回から一ヵ月が経ち、稲の葉もだいぶ強く伸びて、 

夏らしい生き物も、そこかしこに確認される。

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それにしても、この草はなんだ!

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 ビッシリと生えたコナギの群生。

ひえ~! 勘弁してくれぇ! の悲鳴が上がる。

無農薬で19年目のこの田んぼには、最大の難敵・ヒエは生えない。

ここ数年の敵は、コナギである。

 

カメラのアングルが悪くて、ちょっと分かりにくいかも知れないけど、下の写真、

真ん中から左が米ぬかを撒いて草を抑えようとした 「米ぬか区」。

右が紙マルチ区。

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今年も米ぬかは失敗したか・・・・・

やっぱり、米ぬか施用はタイミングが重要なのである。

- 『 水田に米ぬかを撒くと乳酸などの有機酸が発生し、コナギの発根を阻害する 』

この原理を利用するには、僕ら 「農業体験」 組には根本的な欠陥がある。

日常的な観察と記録である。 ポイントはふたつ。

 ・ 水温がコナギの発芽温度 (19℃) を上回っているか。

 ・ コナギの発根時期と米ぬか投入時が合っているか。

 

田植え直後に撒いても、上記の条件が合っていなければ意味がない。

僕らは基本的に土曜日曜中心に作業イベントを組んでしまうのだが、

それは作物を育てる基本技術とは、相入れない。 分かっていることではあるが。

 

悔しいなぁ・・・・・・草を見るたびに、来年に向けての決意は深まるのだが、

毎年やっぱり後手に回ってしまう。

 

しかし、そんな思案などしている暇はない。 問題は目の前の草だ。

気を取り直して、気勢を上げて、いざ、田んぼに入る。

黙々と草取り作業を始める120名の参加者たち。

みんなエライ! 稲作農耕民族のDNAを受け継いでいる。 

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さすがにこれだけの人が総がかりでやれば、

13アールの田んぼも1時間ほどでやり切れる。

 

 ↓ 作業後の田んぼ。

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いや、スゴイ。 きれいになったでしょ。

 

そして職員を中心に、今回も田んぼの生き物調査をやってみる。

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ウ~ン。 イトミミズがまだ少ない。

まあいい。 こういう作業はコツコツと続けて、データを蓄積することで、

田んぼの世界が見えてくるのだ。

今年の結果は、次回に。

 

こちらは、調査のようだが、まあ 「探検」 ということにしておこう。 

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田んぼワールドというのは、懐が深いのであって、これくらいは許す。

僕が19年の経験で、秘かに立てている仮説がある。

 -「田んぼは、ヒトがたくさん入れば入るほど、イネの生育もよくなる」

この子たちは、遊んでいるようで、土中に酸素を供給してくれる

でっかい虫のような存在だ。

しかも、子どもたちの楽しい嬌声は、植物をも楽しくさせている。

この仮説はオカルトだろうか。

僕は、これこそ21世紀中に解き明かしてほしい、

生命進化の謎にアプローチする科学的テーマだと思っているだが。

 

夜は、昨年からチャレンジしている 「夜の自然観察会」 という名の、蛍見会。

自分は、道々の解説者として路地に立ったので、

今回も撮影はままならなかったけど、今年もホタルは僕らの前に姿を見せてくれた。

去年に比べてちょっと少なかったのは、春からの天候不順の影響だろうか。

その辺はよく分からないけど、

農薬で絶滅するのではないかといわれた

ホタルのかそけき光に感動する機会を用意できただけでも、

何かができた一日、ではあるだろう。

 



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