2008年9月28日

ぼくにとっての 『東京集会』

 

9月26日の夜から昨日 (9/27) のお昼まで、

年2回 (春・秋) 恒例の職員合宿が幕張で行なわれる。

今回のテーマは、毎年2~3月に開催している 『大地を守る東京集会』 について。

年に一度、生産者と消費者が一堂に会して行なわれる、

大地を守る会にとって最も大切なイベント。

もちろん生産者と消費者の交流はいろんな場所で活発に行なわれているのだが、

『東京集会』 は、いわばその年の集約のような、"みんな集まれ~" の場として、

30年以上続いてきた。

 

すでに来年に向けての準備がスタートしていて、

今回の合宿は、職員みんなで東京集会を振り返り、

来年に向けて様々な思いやアイディアを出し合ってみよう、という企画で行なわれた。

これ自体が、職員にとってのトレーニングでもあるし、

東京集会の成功に向けて、気持ちをひとつにまとめていく仕掛けかと理解した。

 

そこでなんと、東京集会の思い出を3分で語れ、という宿題を仰せつかった。

あなたにとっての 『大地を守る東京集会』 とは- 


自分にとっての東京集会・・・・・振り返れば、もう26回経験している。

思い出を数え始めたらきりがないよ、とか思案しながら、

いつの間にか振り返ってしまっている。

 

大地に入って3ヵ月後の、初めての東京集会は、前会長・藤本敏夫さんの退任挨拶だった。

千葉の鴨川に、夢のような王国を建設するとか言ってる。

そうか、国王になって圧制を・・・・・と思った職員は僕一人ではない。

そしていきなり小グループに分かれての討論会の司会をやらされた。

テーマは、「余剰と欠品を考える」。 我々にとっての永遠の課題である。

怖そうな消費者と生産者に囲まれ、入社して3ヶ月の事務局員は汗だくになっていた。

2年目には、二日間ぶっ通しての司会を任される。

いきなり若手に振る、という伝統は、すでにこの頃からあったんだね。

3年目は、初の実行委員会形式での運営をすることになって、自分で手を挙げた。

消費者会員にも集まってもらって喧々囂々やりながら、

実現したのが、1日を地区に分かれて交流する 「地区集会」 だった。

これは今でも続いている。 1985年のことだ。

 

以来、いろんな役回りを、まあ逃げずにこなしてきたと思う。

パネルディスカッションの司会もやった。 パネラーを受けたこともある。

壇上で泣いたこともある。

 

1994年には、晴海の見本市会場を使って 『 森と海と大地のDEVANDA (出番だ!) 展 』

というのをやった。 これは他団体も一緒になって  " 第一次産業の復権 "  を掲げた

一大イベントになった。 大臣や国会議員もやってきた。

僕は主催者としての仕事に加えて、大地を守る会のブースの仕事もあって、

10個くらいのファイルを同時に進行させていた。

どこにも逃げられない、あの緊張感は今でも覚えている。

僕の人生にとっても、かなり大きなメモリアル・ワークだった。

  「無理を言い 無理をするなと無理を言う」 -会場のトイレにあった落書きである。

  社長さんだろうか。返歌も- 「そんな社長は 日本一!」

  飾られた会場の裏で、ドラマは展開されている。

 

地区集会を、エビの思うように使っていい、とか言われたこともあった。

かなり気合い入れて考えたが、ふたを開ければ、時は狂牛病の真っただ中にあり、

思い描いた構想が空回りしたことも、苦い思い出として残っている。

 

思い出の一つ一つに何がしかの教訓が残っているが、

まとめて言えば、こういうことになる。

年に1回、同じ時期に同じイベントが連綿と続いて、そこで何がしかの仕事があてがわれる。

伝統の重みも感じながら、新しい風も吹かせたいとか考える機会。

そんな場があるということは、大地を守る会の職員にとって、

いろんな意味で自分の力を測ることができる、とてもシアワセなことである。

同じ仕事をしても、去年より上手に仕上げられる。

同じ質問を会員から受けても、今年はもうちょっと責任感を持って答えられる。

参加者への対応も、心に余裕を持ってできる。

この一年で自分がどこまで成長したかを見つめられる、

そんな場があることは、本当にシアワセなことなんだよ。

 

時間をすっかりオーバーしてしまって、言い忘れたことがある。

集会が成功するかどうかは、実はかなり我々事務局員の心 (気持ち) にかかっている。

どんなにシャレた集会をやっても、我々の立ち居振る舞いが悪ければオジャンである。

どんなにダサい集会であっても、我々の心でカバーできれば、

それは時に感動につながることもある。 それを僕は経験で知っている。

だから続いてこれたんだと、古株に数えられるようになって、僕はそう考えている。

心して取り掛かろう。

 

今年も若手中心で、しかも入ったばかりの新人を抜擢するという

今までにもない斬新な構成での実行委員会が始動した。

今回の合宿では、ワールドカフェ方式とかいう、

テーブルを回りながら意見をまとめていくという手法が用意されていて、

それはそれで楽しませてもらいました。

さあ、どんな 『東京集会』 が出来上がることだろうか。

 

来年の 『大地を守る東京集会』 は、2月28日(土) ~ 3月1日(日) 。

1977年の第1回- 『地球は泣いている 東京集会』 から、数えて33回目。

地球は泣いている・・・・・か。

このコピーを超えない限り、東京集会は終わらないんだろうな、きっと。

 



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