2008年10月 7日

10月19日は 『土と平和の祭典』 へ

 

先週から4日ほど秋日和らしい好天の日が続いてくれて、

気持ちよく収穫祭を終えて帰ってきたら、一転して秋霖のような日々に。

どうにも続かないですねぇ、天気が。

 

集まってきている産地からの情報も、先行き不透明どころか、

明らかにこれからの野菜不足を予見させていて、

農産仕入担当職員の間にも "かなりヤバイ" 感が漂ってきている。

8月のゲリラ豪雨攻撃から9月の断続的に続いた雨や低温の影響で、

関東各産地の作業と生育が遅れている。

長野・野辺山の川上村では、9月中旬に霜が降りた。

冬が早いかも・・・・・との連絡である。

雨の中での収穫-出荷をお願いするケースも増えていて、

それは品質にも影響してしまう。

 

先週の理事会でも、千葉・山武の富谷亜喜博さんが言ってた。

「千葉の北総台地あたりでは、秋冬の人参は7月25日から8月10日の間に蒔かないと

 モノにならない。 なかでも有機でやるには8月の1日から10日の間に限られる

 (7月中に蒔くと生育途中に病気が発生するらしい) 。

 それが8月5日の豪雨で流されて、天気や畑の様子を見ながら、何とか

 7-8日に蒔き直したけど、そのあとも5回、ゲリラ豪雨にやられたんだよね。

 9月も良くなくて、10月の回復がポイントだけど、それでも相当な収穫減は必至だね・・・」

 


「普通の年がなくなった」 と生産者から言われるようになって、もう何年になるだろう。

温暖化、温暖化と、それだけのせいにはしたくないんだけど・・・・とも。

しかし、たしかに作りづらくはなっている。

 

気候変動は、おそらくとどまらない。 いやそれどころか、激しさを増すだろう。

加えて、グローバリズムによる輸入農産物の増加は外来害虫の増加なんかも招いていて、

農業生産の困難さに追い討ちをかけている。

厳しい時代である。

 

一方で、エネルギー戦争 (と勝手に言ってますが) の深刻化と、

食糧・資材の高騰が進んでいる。

様々な側面のつながりを俯瞰して、見極める必要があるのだが、整理しきれない。

メディアに登場する論評にしても、どれも一面的な感じがして、スッキリしないし。

 

そして、いろいろと堂々巡りしながら、いつもたどり着くひとつの確信は、やっぱり

 「これからが本当の有機農業の時代」 である。 

国が呪文のように唱えている農地の集約化や規模拡大、国際競争力の強化といった

グローバリズムと国際格差を前提とした政策に振り回されるのではなく、

環境との調和・地域資源の循環を基本に据えた、持続型農業に未来は託されている。

世界は化学肥料の枯渇の段階へと進んできているのだから。

 

実は、有機農業推進法に後押しされて、各地の有機農業先進地が

若者たちの参加 (新規就農) を呼びかけているのは、そのことと無関係ではない。

耕作放棄地の増加といった危機感が反映していることもあるけど、

新しい血を吹き込んで、これからの地域づくりを考える主役になるところまで、

有機農業は歩んできたのだ。 

 

まあ、目の前の不測の事態に、やれるだけの努力はしなければならないとして、

ちょっと気分を変えて、未来志向型の呼びかけをさせていただければ-

  

先日報告した、会津・喜多方の若者たちの野菜セット販売の話では、

試験的ながらも実現にこぎつけました (会員の皆さんには今週チラシが入ってます) 。

山間地で頑張る若者たちの、ささやかな、しかし思いいっぱいの野菜をお届けしたい。

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また、今月19日に日比谷公園で開催する 『土と平和の祭典』 でも、

大地を守る会のブースで、新規就農募集の産地を紹介する予定で準備を進めています。

 

健全な野菜をいっぱいつくって、健全な土を守る担い手を育てたい。

耕作放棄なんて言葉をぶっ飛ばして、

どこよりも美しい村づくりで競い合う社会を、築かないか。

未来開拓者よ、来たれ!

  ・・・・・とまあ、こんなふうに希望を語ることで自らを鼓舞して、

      しんどい日々を支えているワケですが、

お時間がありましたら、10月19日(日)、日比谷公園にお越しいただけると嬉しいです。

会場は小音楽堂とにれのき広場です。

 

昨年のブース風景 (立ち止まって見ているのは実行委員長の歌手 Yae さん) 。

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今年もあちこちから生産者が応援に来てくれます。

ぜひ声をかけてあげてほしい。

 



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