2009年1月16日

ガザからの叫びを

 

一昨日の日記では、「考えてしまう性 (さが)」 なんて書いてしまったけど、

そんな暢気なことを言っている場合ではなくなってきた。

とても信じがたい、とても許しがたい事態が、

国際的非難の高まりを嘲笑いながら、恐ろしい勢いで進んでいる。

イスラエル軍のパレスチナ・ガザ地区への空爆に、地上戦も加わり、

激しく侵攻しながら虐殺が行なわれている。

数日前までは、ここで書くかどうか、多少のためらいもあったが、

とにかく友人の声だけでも届けなければならない、と思う。

 

大地を守る会でも販売に協力してきた 「パレスチナ刺繍製品」(ガザでも製作)

を通じての支援団体、NPO 「パレスチナ子どものキャンペーン」 から届いた叫びである。

来週会員さんにお届けする予定の刺繍商品は今回の侵攻前に納品されたものだが、

現在、生産者の安否は確認できないとのこと。


読んでほしい。 


 

ガザ 1月15日16:30 (日本時間23:30)
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500メートル先に戦車が・・・
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国連の本部が攻撃されました。 今、私の家族と一緒に家にいますが、

家から500mのところにイスラエル軍の戦車がいて外にでることができません。

これまでで最悪の日です。

彼らはテル・アル・ハワ地区に侵入し、

次に小麦が保管されていたUNRWA (国連) 本部を攻撃して火事が起きました。

テル・アル・ハワ地区の人々は、女性も子どもも通りに出て逃げ出しました。

この地域は人口密集した住宅地です。 男たちが集められ、建物が取り上げられて

火がつけられました。 あらゆる方向から爆撃と砲火を浴びせ、

アブダビのジャーナリスト2人が負傷し、1人は重傷です。

 

今、新たな空爆が始まりました。(爆発音)

イスラエルは状況をどんどんエスカレートさせています。

今、人々は家を離れてあちこちに動き回っています。

あらゆる方向から攻撃を受けているので、どこにも行けず、人々はただ動き回るだけです。

いろいろな地域が攻撃を受けています。

そのような地域から人々は逃げ出しています。

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人々が逃げまどっている
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昨夜は朝まで恐ろしい時を過ごしました。銃撃が連続しています。

(また爆発音を飛翔体の飛行音)

多くの人々が残骸の下敷きになっています。

パレスチナ赤新月社が運営しているアル・クッズ病院も攻撃を受けました。

ここには500人のパレスチナ人が避難しています。

この病院もテル・アル・ハワ地区にあります。

病院も救急車も民間防衛局も消防署も、全てが攻撃されています。

多くが負傷したり死んだりしています。

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石油の備蓄も小麦もなくなった
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多くの人がただ逃げ回っています。

今日の午後は多くの人がただ毛布やかばんだけを持って

攻撃された地域からこちらに逃げてきています。

テル・アル・ハワ地区の人々は国連本部に逃げ込んでいましたが、

そこも攻撃されました。

イスラエルは攻撃してUNRWA職員と避難民の3人が負傷しました。

ここにはUNRWA本部のオフィスと倉庫がありました。

大きな問題は、この施設には石油が備蓄されていたことです。

石油やガスの備蓄が破壊されたのは破局的です。

これらの燃料は病院や井戸から水をくみ上げる施設に供給されていました。

ガソリンや燃料はUNRWAだけにしかなかったのです。

石油は攻撃目標になった二つのものの一つです。

もう一つは小麦粉でした。 もうガザには小麦も石油もありません。

空爆は無差別で、攻撃はあらゆる方角に向けられています。 ただ殺すだけです。

皆さんによろしく。

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アムジャッドさんと電話がつながり、話を聞くことができました。

彼には、小さな娘が二人います。 子どもたちはどんな思いでいるのでしょうか。

電話で話をすることしかできない自分がとても辛いです。

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特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン

 

オリーブオイルをいただいている団体 PARC(パレスチナ農業復興委員会)

はヨルダン川西岸地区になるが、彼らも緊急食料物資をガザに送る活動を開始した。

しかし、搬送をバックアップしてくれる国連機関も攻撃されるという異常な事態である。

生命を維持するための支援物資の保管場所から病院、救急車まで

爆撃対象とするというのは、これはもう戦争という政治ではなく、

民族の抹殺を狙っているのか、とすら思えてくる。

1月4日には、イスラエル軍兵士が住民110人を誘導して一つの建物に閉じ込めて、

翌朝それを空爆するという行為にまで及んでいる。

これでは、かつてナチスがユダヤ人に対して行なった大量虐殺、

ホロコーストの再現ではないか。

いま、パレスチナの人々が、かつてのユダヤ人となっている・・・・・

「ならず者」 でもやらないような残虐さだ。

長い時間をかけて築いてきた国際ルールも機能しない。

もはや、どう考えても、正義はない。

 

パレスチナ子どものキャンペーンのHPでは、現地からの生々しい情勢や声が

日々アップされています。 たくさんの支援を求めています。

オリーブオイルで提携しているオルター・トレード・ジャパン では、

ヨルダン西岸からの食料支援を 『フード・バスケット支援』 と名づけて支援に入りました。

大地を守る会でも、募金集めで協力することを決定しました。

願わくばたくさんの人に伝え、できる方法で一人でも多くの人を救い、

「とにかく止めさせる」 力につなげたいと願うばかりです。

 

今この時も、必死で 『だいちロード』  の看板を見つめている人がいるような気がする。

 



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