2009年3月28日アーカイブ

2009年3月28日

「稲作体験2009」 始動

 

WBCもドラマチックに終焉して、甲子園では高校球児たちが熱戦を繰り広げ、

世間は春の気分に向かいつつある時節。

我々も短いシーズン・オフを終えて (年々オフが短くなっているような気がする)、

今年の米づくりが、いよいよ始まった。

 

恒例の、大地を守る会の 「稲作体験」 シリーズ。

今年はついに20年目に入った。

企画の打ち合わせと下見のために、千葉・山武(さんぶ) を訪問する。

花冷えというのはまだ先の言い方なのかもしれないけど、

ここに来てちょっと寒くなって、桜の開花も遅れ気味になってきている。

千葉・幕張では昨日、雹が降った。

山武は夕べ霜が降りたとのこと。

 

我らが体験田の地主、佐藤秀雄さんが種モミの準備をしてくれている。

温湯処理のあと水に漬けている段階。

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種子消毒していないコシヒカリ。 よく見ると、かすかに芽が出始めている。

 

この種モミを、来週の4月5日(日) に畑に蒔く。

陸(おか) 苗代のやり方。

秀雄さんは、すでに畑の準備も完了してくれている。 

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雑草の種を丁寧に取り除いた土で、整地されている。

「バッチリだっぺよ」

「あとは、もうちっと温度が上がってくれれば大丈夫だな」

 


田んぼは荒起こしされた状態。

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今年も変わらない風景が、うれしい。 

 

さて、今年は 「稲作体験」 20周年である。

毎年ボランティア・スタッフを募って結成される 「実行委員会」 には、

なんと20人近い若手職員が手を挙げてくれた。 これまた、うれしい。

その彼らから、「今年はできれば抽選なしでいきたい」

という大胆な提案が挙がったもんだから、勢いというものはコワい。

昨年は、定員120名のところに200名の申し込みがあって、

頑張って150名ほどを受け入れたのだが、

「来年も来たい」 という声に抽選で応えるのは、けっこう辛いものがあった。

みんなを受け入れたい・・・・・

そりゃ気持ちは分かるが、それには田んぼがもう一枚必要だし、

いろいろと考えなければならないことがある。

 

そんな彼らのはやる気持ちに応えてくれたのが、

いつも作業の手ほどきなどで手伝ってくれている綿貫直樹さんだった。

「じゃあ、オレんとこの田んぼを使えばいい。」

 

ここが、その田んぼ。

いつもの体験田から歩いて10分弱。 面積は1反 (10アール) 。

 

ついに、田んぼ2枚を使っての 『稲作体験』 か。

準備や施設のキャパなど、検討しなければならないこともいっぱい増えるけど、

20年目の増反挑戦、やってみようか。

 

思い返せば、スタッフがなかなか集まらなくて、

終わるたびに、「もうやめようか」 と漏らしていた時代もあった。

その度に支えてくれたスタッフがいて (泣かれたこともあったな)、

なによりも参加者の笑顔や子どもたちの 「来年も来るう!」 に励まされてきた。

20年・・・・・これだけは、誰がどんなに頑張っても

ひとつずつしか伸ばせない数字である。

やり続けてここまできた。 いや実に、感慨深い。

 

実行委員たちのプランは、いろいろと膨らんでいって、

米づくりの勉強会だの、記念誌の発行だのと張り切っている。

それをただニヤニヤしながら、見ているのだった。

 

ちなみに、綿貫さんにつくっていただく苗は、セル苗という。

地域の小学校の子どもたちに教えているやり方だというので、

それでやっていただくことにした。

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写真の、1センチ四方に区切られた黒い碁盤のマスのなかに、

種を3粒ずつ落として、苗を育て、田植えの際はそのひとマスずつ抜いて植えていく。

植える間隔は30センチの尺角植えとする。

佐藤さんは佐藤さんで、綿貫さんは綿貫さんで、手法がある。

お任せしますよ、プロに。

 

20年にして、地主が二人になった 『大地を守る会の稲作体験』 。

どうぞよろしくお願いします。

e09032706.JPG

 (左が綿貫直樹さん。 右が佐藤秀雄さん。

  3月6日に開かれたさんぶ野菜ネットワークの総会にて。)

 

田植えは、5月17日 (日)。

来週から、参加者募集に入る。 定員は200名に設定。

田んぼが2枚になったとはいえ、キャパ以上の申し込みがあった場合は、

どうしても抽選せざるを得なくなってしまうけど、そこは

田んぼを増やした気持ちに免じて、お許し願いたい。

 



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