2009年6月 7日
総会後の弱音
6月6日(土)、大地を守る会総会終了。
今年の活動計画・予算の承認を受け、ひとまず安堵する。
参加された会員からの質問や意見はどれも現状への苛立ちのようなものに感じられ、
私たちの課題や限界点が浮き彫りにされた一方で、
問題の根本を伝えることの難しさを感じさせてくれた。
エネルギー消費の大きいハウス栽培の問題。
-CO2排出を削減する栽培技術は、生産者の経営問題にとっても焦眉の課題である。
いろんな情報を収集し、できる技術はチャレンジしてゆきたい。
フードマイレージのキャンペーンをやりながら、
(国内といえども) 遠方から野菜を運んでくるのはいかがなものか。
-地方農業を支えているのは都市 (の胃袋) という現実がある。
社会の仕組みを変えなければ、関東地域だけで皆さんの食卓は支えられないし、
地方の一次産業を都市住民が支えないと、この国の環境は守れない。
私たちが今訴えているのは、国産のものを食べようということ。
そこからつながりを修復していきたい、というレベルなのである。
などなど。
東北から参加された生産者は、その夜、飲みながら僕の目を睨んで言った。
「 自給率が1%しかない東京に運んで、なおかつ 「高い」 とか言われてしまう
俺たちの思いを、もっと伝えてくれよ。 」
右からも左からも、何から何まで求められると、心がささくれ立ってくる時もある。
正直、しんどいよ。 でも、やらないといけないのだろう。
そんな時は、弱気なセリフも出てしまう。
責めてばっかりじゃなくて、頼むよ、パワーをくれ!
流通者のモラルとポリシーは捨ててはいない。
いや、モラルとポリシーを持った流通は可能なのだ、ということに挑戦し続けてきた。
ニッチ (すき間) とか言われながら、年商160億レベルまで築いてきた。
それだけ食える人を増やしてきたつもりなのだが、
でもまだまだ先は長く、ムチは打たれるのだ。
もっともっと、僕たちは語り合わなければならない・・・・・
総会を終えたたまさかの開放感と、未達成感とで、酔い潰れる。
ほんとにお疲れ様でした。
生産者の現状知れば知るほど、都市の消費者が本当にわがまま放題に見えてきてしかたがありません。(という私もその一人ですが。)
大地が伝え切れていない、というのもあるのでしょう。
でも、ほんとに、どうやったら伝わるのでしょうか。
都市生活者の想像力が足りないからなのでは、と、思ってしまうのですが。
でも、自分で食べ物を作ったことがない人たちに、生産の現場をイメージしろ、というのもまた、無謀なことなのかもしれません。
大地のようなこだわりを持って、しかもあれほどの物を作り出すのがいかに難しいか。
ちょっとでも家庭菜園をかじったことがある人なら判ると思います。
それに加えて、有機JASを取る為の、書類の作成、費用、どれほどのことを、私たち消費者は負担を強いているのだろうと思います。
(それ以外に、野菜袋やそれの印刷代、農機具の管理や作業所の清掃など、カウントしづらい手間と費用も発生するんですよ、当然。)
一度、農家の一日、一ヶ月、一年(おかあちゃん編とおとうちゃん編)の時間を作業の特集でも組んではいかがですか?
まあ、農水畜とやっていったら、本ができそうですね。
これまた言いたい放題書きましたが、大地ががんばってくれているおかげなのはまちがいないです!
えびちゃん、今年も頑張ってくださいませ!
あやこんさん、てんさん。
コメント有り難うございます。なかなか返事できなくてすみませんでした。
皆さんに励まされつつ、弱気なこと書いちゃダメだよ、と自分を戒めてます。こういう場があると、ついポロッと出ちゃうんですよね。まだまだやらなくちゃ、です。
総会で質問いただいた方々も、大地を愛してくれているからこそ、なんです。それは充分承知しているつもりです。「いつも見てますよ」というメッセージとして、受け止めています。
ともあれ、皆さんの声、そして声なき声にどう応えていくか、そして真摯に言葉が出せるか、が僕らの使命だと思っています。若輩者たちの集まりですが、どうかこれからもご支援ください。有り難うございました。
はじめまして。いつも楽しみに読んでいます。
大地の会員歴は20年くらいです。
腰が重いので、総会というものに一度も出たことがありませんが、こういう発言が出る場なのですね。
環境問題と食の安全と農家経営と。
生産者と消費者の間に挟まれて、それぞれの主張を展開されてしまうと辛いですね。
都会に住む消費者と遠くに住む生産者。物理的距離以上に、視点の違いは大きいかと。
一消費者としては、何はともあれ、苦労の多い生産者とそれを支える大地を守る会を応援したいですし、その気持ちで続けてきたことも事実です。頑張ってください。