2009年12月17日
育成・・・はマニュアルではないけれど。
ただ働かせてばかりで、全然教えてくれない。
Vs.せっかくチャンスを与えているのに、聞いてこない。 勉強もしてない。
ここには受け皿が整ってない。
Vs.無理してでも用意してやろうかと思ってたけど、これじゃ面倒見れない。
・・・え?、ウチの話かって? ・・・おタクもそうなの?
どこの職場にもありがちで、身につまされるような会話がなされている。
働かせてるって、教えてるってことなんだけどねぇ・・・。
何の話かって?
有機農業推進のために設置されたモデルタウンから聞こえてくる話である。
新規就農希望者のための門戸(支援策) を開いたまではいいが、
育てる側と育てられる側に、どうもやはり、温度差がある。
「条件整備ができてない。」
Vs.「条件が整っている産地なんてあるわけないだろ。 自分で切り開くんだよ。
その手助けはするって言ってんだよ!」
門戸は門戸、である。 それが開かれただけでも画期的だと思う。
双方のストレスは、現段階での登竜門的課題を表しているとも言えるし、
実はあらゆる世界で連綿と続いてきた、後進育成の宿命のような気もしたりする。
成長すればいいのだ。
-なんて思っていたら、例の 「事業仕分け」 で有機農業推進事業は 「廃止」!だと。
これでさらに混乱が増している。
そんなめんどくさい情勢下ということもあって、
このところ名ばかりの幹事になってしまっていた千葉・山武有機農業推進協議会の会議に
久しぶりに顔を出すことにした。
仕事を途中で切り上げ、山武での夜の会議に遅れて参加する。
こちらも、こと研修生に関しては似たような状況である。
親の心子知らず・・・みたいな。
相手が 「やる気を持って来てくれた」 はずの人、という思いが強いほど、愚痴も強くなる。
これを解決するには、最初の面接段階での " 合意 " というプロセスをつくることが必要では、
と提案する。 オリエンテーションが大事なんじゃないだろうか。
受け入れ側の現実と、入る側のど素人さゆえの妄想とのマッチングは難しい。
厳しさと優しさの使い分けなんかも、そんなに賢くできるわけないし。
また、カリキュラムを作れば人は育つ、というもんでもない。
農業は特に。
教習所の優しい教官みたいな生産者は少なく、だいたいがトラック野郎みたいな連中だ。
自然相手の仕事はマニュアルだけでできる世界ではない。
ただ、自己満足の事業ではないのだから、
自分たちはここまでは教えてやる (あとはお前がつかめ)、
という育成のプログラムは分かるようにしておく必要があるだろう。
こんな議論をしながら、たとえ今年失敗しても、来年また失敗しても、
出会いはたくさんあったほうがいい、と僕はまだ秘かに楽観的である。
補助金がなくなったって、元々なかったんだから、くらいの気持ちだし。
有機農業は推進する、という気概は衰えない、ということだけは示していこうよ。
人はゼッタイについてくる。
ま、そんな感じで、少なくとも山武は
右往左往しながらも、真面目に話しあってます。