2010年1月12日

柳川掘割物語

 

成清忠蔵さんの墓参りもかねて......

などと書いて、今週の会員向けカタログ 『ツチオーネ』 を手にとってみれば、

タイミングの良いことに、表紙は成清海苔店さんである。

海苔の入札で真剣にチェックする代表の忠さんのアップが巻頭を飾っている。

「自分がおいしいと思う海苔しか仕入れません」

-なんか、親父よりずっとカッコいいね。

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成清海苔店は、福岡市柳川にある。

筑後川の下流、有明海に面した水郷の町。

柳川市内にはり巡らされた掘割 (水路網) の秘密については、

アニメ界のゴールデン・コンビ、高畑勲と宮崎駿が作ったドキュメンタリー映画

『柳川掘割物語』 に詳しい。

 

 日本がまだ貧しかった頃、どの村にも小川が流れ・・・

 日本がまだ貧しかった頃、どの町にも掘割があった・・・

 日本がまだ貧しかった頃、手の届くところに水辺があった。

 

加賀美幸子さんのナレーションで始まる美しい作品。

もう20年以上も前の作品だが、

いったんはドブ川と化した柳川掘を再生させた人の歴史や、

筑後川が運ぶ土砂と有明海の干満の差によってつくられた干潟が

海苔も含めたくさんの生物を育んできた仕組みなど、

この国に育まれた水の文化と深い知恵の結晶が見事に描かれている。

この映像、いや掘割が語る 「水とのつながり」 は、

年月を経てますます深く、失いつつあるものの意味を問いかけてきているように思う。

 

映画 『柳川掘割物語』 はDVDになって、スタジオ・ジブリ から購入できます。

ぜひ見ていただきたい作品のひとつ。

 

ちなみに、三鷹・ジブリの森美術館内にあるカフェ 「麦わらぼうし」 には、

大地を守る会の法人 「フルーツバスケット」 のジュースなども入ってますので、

美術館にもぜひ一度足をお運びください。 要予約ですが。

 

問題は、今週の注文。

山藤・梅田料理長おすすめの最高ランク 「新のり・有明海海苔優等」 にするか、

見た目より味重視の方に! 「皿垣漁協産焼のり(きずのり)」 にするか・・・・・

気の小さい私はまだ決めかねている。

ここは年に一回の贅沢といくか。 

いや、こういうのが年に何回もあるからきついんだよね。

でも、これによって人とつながって、幸せを頂いているんだ、とも思うのである。

さて・・・・・

 



Comment:

第一回の海苔摘みツアーで大地を守る会を知った時と、同じ頃見たこの「柳川掘割物語」に出てくる「広松 傳」さん(故人)の行動が、今の私の原点のような気がします。高度成長期と同時に荒廃した柳川の掘割。その掘割のほとんどを埋め立ててしまうという恐ろしい計画が実行されようとした時、一人の市役所職員が、一人で川の清掃を始めました。その人こそ広松さん。それはやがて大きなうねりとなり、計画は白紙撤回に。今も水郷として柳川があるのも、この広松さんがいたからこそです。そんな偉大な先人、そして大地を守る会の仲間が私自身の支えです。
またお一人、大地を守る会を支えてきた偉大な先輩の訃報にふれ、一度もお話する機会はありませんでしたが、心よりご冥福をお祈りするばかりです。今回は柳川へおいでになることはかないませんでしたが、次の機会には是非!

from "成清海苔店 成清 忠" at 2010年1月13日 20:09

私も優等にするか、傷のりにするか迷っています。
というか、どっちも買ってみて、試したい、というのが正直なところ。
先日友達にプレゼントしたら「○さ○さのり」の最高グレードの海苔のりずっとおいしかった!という喜びの声をいただいて、本当にあげてよかった!と思いました。

成清さん、そのうち絶対行きますね!

from "てん" at 2010年1月17日 21:43

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