2010年1月20日

コメントへの御礼-まとめて

 

成清忠さん。 お返事が遅くなりました。

「柳川掘割物語」 へのコメント、有り難うございました。

・・・・・そうですか。 広松傳さんはもうお亡くなりになられたのですね。

一度お目にかかりたかったです。

市井の偉大な人とはこういう人のことだ、と感動したことを覚えています。

 

顔も知っている生産者や消費者の方からのコメントは、辛口であれ楽しい。

しかし、このブログを2年半ほど続けてきて、コワいと思うことも実はけっこうある。

まずもって、よく他団体(≒競合団体?) の方から反応が寄せられる。

時には誰よりも早くメールが入ってきたりして、とてもウカツなことは書けないぞ・・・

と思うのである。

 

新年一発目の日記がそうだった。

農薬・化学肥料に頼った農業の限界性というテーマは刺激したようで、

すぐさま 「自分も調べているところで・・・」 という主旨のメールを頂いた。

Sさん、有り難うございました。 

自分の問題意識にそう狂いがないことを確認でき、元気をもらいました。

いつかまた大きな意味で、ともに事を成す日をイメージしながら、

カッコよくレーニンの言葉を借りれば、

「それぞれの砲座から一つの目標を撃て!」 ですかね。

 


ライターの方からは、質問が寄せられた。

「農家への戸別所得補償については、どうお考えですか?」

日々多様な農家と付き合っている立場では、こういうテーマに対する見解は、

どうしても慎重にならざるを得ない。 一歩間違えると炎上する可能性もあるし。

今はまだ返事が難しいので、とお伝えして、アップを控えさせていただくことにした。

 

たまにずい分前の日記にコメントが入ることがあって、驚かされることがある。

一昨日は、1年半前(08年7月16日) の日記に対して、コメントが入ってきた。

いろいろ検索されていて引っかかったようだ。 

記事は 「無農薬野菜はアレルギー物質が増加するので、かえって危険」

という研究に対する僕なりの見解をくどくどと書いたものだったが、

それが何と、感謝のコメントなのである。

雑誌で読んで違和感を感じ、悶々としていたところ、息子さんかお嫁さんが調べてくれたとか。

Ⅰさん。 それから昨年コメントをいただいたSさん、Nさん。

今さらの感ありですが、お返事をコメント欄にアップしました。

有り難うございました。

 

しかしまあ、改めて読み返すと、実にくどい文章だと我ながら思う。

相当に気合いも入っていたのだろうが・・・

それに今なら、こういう事実も付け足すことができる。

 

病害虫に対抗して植物が作り出す成分は、人間にとって有害なものとは限らない。

たとえば、ポリフェノールという成分。

動脈硬化や脳梗塞を防ぐとか、抗癌作用や予防効果があるといわれる抗酸化物質。

赤ワインなんかで喧伝されたりしているが、ほとんどの植物に含有している。

しかも、有機農産物には含有量が高い、とも言われている。

その理由は、植物は病害虫から身を守るためにこの物質を作り出しているから。

人工の殺虫剤に守られていると、この物質を作り出す必要がなくなる。

自然界の生命循環の中に身を置く生き物として、こういったことの意味は

深く、深く、考える必要がある。

 

要するに、アレルギー作用を及ぼす物質は自然界には溢れるほどあって、

しかしヒトが選択した食べ物は、例えばえぐみを取り除く調理技術なども獲得しながら、

文化として進化してきたものだ。

一方で、それだけでカラダに良いものもたくさんある。

自然界の謎はまだまだ奥深く、人類はどの程度まで把握したのかすら、実は分かっていない。

長い時間をかけて自然との折り合いのつけ方を学んできたわけだけど、

化学物質とはそう簡単に折り合えるものではない。

生命(物質)循環系に、連関をかく乱する物質の投入は最小限にすべきである。

たった一つの事象を取り上げて、「無農薬の方が危険」 とは、

食べものというものの意味を考えてない、としか言いようがない。

まずはご自身の体が何でできているのかを見つめて頂きたいものである・・・・・

 

新年頭の日記にも書いたけど、

これまで書いた有機農業批判や懐疑論に対する論考も再整理しながら、

私なりの  " 未来をひらく有機農業論 "  を構築してみたいと思う。

そういう意味でも、1年半後のコメントが、改めて見直す機会になりました。

嬉しくもあり、怖くもあり。 いやいや、ネット恐るべし、ですね。

でも、こういう緊張感や裏でのコミュニケーションは励みでもあります。

まだ閉めるわけにはいかないか、と気合いを入れ直すこととします。

 



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