2010年3月20日

梅の花が下向きに咲けばね・・・

 

・・・なんなの?

いや、だからさ。 梅の花が下向きに咲いたら、その年の稲は不作だと、

昔の人はよく言ってたって話さ。

ふ~ん。 で、今年はどうだったの?

う~ん・・・ 見てねぇ。

なんで?

いや、だからさ。 見たくねぇからだっぺよう。 下向きに咲いてんの見てみぃ?

ヤだろが。

ふ~ん、なるほど・・・・・・

 

いつの年の春だったか、

さんぶの 「ゴローちゃん」 (田中邦衛さんが演じたTVドラマ 「北の国から」 の主人公) こと

千葉・山武の稲作体験で20年お世話になっている佐藤秀雄さんと交わした

なんとも微笑ましい会話である。

 

意外にも、この話がずっと記憶の片隅から消えないでいた。

なぜ長く言い伝えられたのか。 そこには何がしかの真理があるのではないか。

しかも今だに、現代人の心にわずかながらも影響力を残して語り継がれている。

今の僕らに、このような発見はあるだろうか。

自然や生命に対する観察眼の決定的な違い。 それは、現代人の衰え、と言えないか。

 

本気で検証しようと思ったのは、ご想像の通り、

宇根豊の 「風景論」 からの刺激 + 「田んぼスケープ」 の実現、に他ならない。

ゴローちゃんに、写真を撮って、とお願いするのも気がひけたので、

千葉・幕張周辺で撮ってみることにした。

e10031701.JPG  

                                          (撮影日:3月11日)

ここの梅はダメだな。 みんな横か下向きで、参考にならない。

3ヵ所くらい回ったが、幕張周辺は環境がよくないんじゃないか・・・

見たくなかったぞ。

 

でもきっと昔の人は、そんなふうにただ一喜一憂するのでなく、

冷静に、今年の対処法に思いを巡らせたのだろう。

 


ま、ヤな気分は気分として、これも一つのデータにしておこうと、

 「田んぼスケープ」 に送ることにしたのだが、

しかしこれが、どうもまだアップできないでいる。

サイトの制作者・アラカワ氏もかなり苦心している様子である。 

画面から、少しずつ改善されていっているのが伝わってくるのだが、

技術的問題についてはお手上げなので、お任せするしかない。

 

他にもアップを待っている方もいるかもしれないですね。

すみません、もうちょっと待ってください。 お願いします。

現時点では、ケータイからの投稿は正常にアップされるのだけど、

パソコンからの投稿では、ソフトによって反応できてないものがあるようです。

でもいちおう、そこまでは来ています。

 

ここをクリアできれば、もう一歩前に進める。

みんなにとっての  "  梅の花  "  (のような話) を集めたいと思うのです。

 

また例えば、会津・喜多方の人が飯豊山を眺めながら語っていた、

「あそこの雪の形が、種を蒔く翁の姿になると、米づくりの準備に入る」

 - そんな自然と暮らしのつながりも、集めてみたい。

 

遊びか? と言われれば、遊びかもしれない。

でもこれは、車のブレーキペダルに備えられているのと同じ、

" 社会の安全 " のために必須の機能を取り戻す作業でもあると、僕は思っている。

梅の花を愛で、その年を占う余裕くらいはあったほうがゼッタイにいいし、

食べものへの 「まなざし」 も、少しはゆとりのあるものに変わるかもしれない。

なによりも、「この国は美しい!守りたい!」 という共感をつくり出したいじゃないすか。

自給率論より激しく心を揺さぶる力は、そこ (現場) にあるはずなのだ。

 

竹村真一さんからも、メールが入ってくる。

京都で開かれたケータイ国際会議(?) で、

ケータイの新たなソーシャルウェア(社会的活用法)の事例として

 「田んぼスケープ」 を紹介したら、大きな反響があったよ!

だから ヨ・ロ・シ・ク! みたいな感じでハッパをかけている。

この感じ・・ ウチのF社長にも似た血を感じさせる。

頑張ろうね、アラカワさん。 幕張の梅の花も、ヨロシク。 

落ち着いたら 「種蒔人」 持って慰問に行くから。 慰め合おうか。

 

そのうち、積極的に投稿してくれている生産者たちと、

セッションする場を持ってもいいかもしれない。

・・・などと、設計者の苦労を横目に、イメージを広がせている。

 

予告した東京集会から遅れ、まだ若干の不具合を残しているところは、

ただ頭を下げるしかないけど、

この画期的な道具をつくり上げようとしてくれている仲間には、

どうか励ましの気持ちを持って、エール (投稿) を送って欲しい。

 



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