2010年4月10日

千葉さんの田んぼに太陽光発電、完成!

 

以前報告した宮城県大崎市の千葉孝志さん(蕪栗米生産組合代表)

の田んぼで、太陽光発電が完成した。

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田園地帯に出現した25枚の太陽光パネル。 圧巻ですね。

日本初! いや世界にも例のない光景だろう。 

 

渡り鳥たちのための冬水田んぼには間に合わなかったけど、

夏場は夏場で利用することで、ピュアな用水が確保できる。

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太陽電池が発電した電力はバッテリーを経由し、

インバーターよりコンプレッサーに供給される。

タイムスイッチによる運転時間制限とリレーによる電圧制御で運転をコントロールする。

10時~15時の間にバッテリー電圧が24V以上になると、

コンプレッサーに電力が供給され、揚水が行なわれる仕組みである。

 


前にも紹介したけど、

太陽電池モジュール(パネル) は (株)日本エコシステムさんからの提供である。 

それでも付属設備や備品、工賃などの費用は馬鹿にならない。

それを千葉さんと日本エコシステムさん、大地を守る会で折半することで

実現の運びとなったものである。 補助金は一切なし。

 

これを仮に生産者がすべて自費で設置するとなると、

今のお米の販売利益で賄えるものではない。

メーカーさんや我々も、これからも続けて支援できるわけではない。

つまり、これだけ見れば、農家が容易に真似できる代物ではなく、

場合によっては 「お遊びですか?」 と言われかねないものである。

 

しかしこの実験から、売電が可能になることが実証できたら、どうなるだろう。

田園には太陽エネルギーが無償の愛のごとく降り注いでいるのだ。

竹村真一さんの言う  " エレガントな未来社会 "  への夢が広がらないだろうか。

 

ここがコンプレッサー部分。

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残念ながら、この装置自体は電力会社の配電系統から独立したシステムのため、

余剰電力の売買はできず、バッテリーに蓄積されるものだが、

どれだけの電力が生み出せるかは、可視化できるのではないだろうか。

 

渡り鳥のため、鳥害に不満を抱く地域との共生のため、

生物多様性を保障する農業を創造するため、千葉さんは設置を決意した。

しかしそれ以上に見る人の想像力を刺激させながら、

太陽を見つめて立ち続けてくれることを、願ってやまない。

 

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これは、文明を滅亡させたイースター島のモアイではない。

文明を切り拓くモジュールでありたい。

 

 ※ 写真は、(株)日本エコシステムさんから提供いただきました。

 



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