2010年5月 5日

堰さらいは大人の環境教育?

 

ゴールデンウィークはマジに会津詣が恒例となってしまった。

 

5月3日、我々 「大地を守る会の 堰さらい ボランティア班」 は、

渋滞にはまったり迂回したりしながら、

夕刻前には福島県喜多方市山都町早稲谷地区に到着した。

4回目にして出迎えてくれたのは、満開の桜である。

e10050510.JPG

 

4月の寒さで、稲の苗の生育もだいぶ遅れ気味とのこと。

短い春に、ハチたちもせっせと働いている。

e10050515.JPG

 

まずはゆっくりと温泉に入って、夜は公民館で、

地元の方や集まったボランティアの方々と 「前夜祭」(という名の飲み会) を楽しむ。

今年はボランティアがさらに増えて、40名を超えた。

大地を守る会からも去年より一人増えて、5名 (+子供一人) の参加である。

しかしその一方で、地元では2軒の農家が耕作をやめたとのこと。 

堰の維持は今ではボランティアの力にかかっている、とまで言われるようになった。

「本当にありがたい」 と地元の方々に感謝されたりする。

しかし、この水路を地域の協働で営々と支えてきた歴史に感謝すべきは誰なのか、

堰さらいに参加する人たちは知っている。

 


4日朝、みんなで作った朝ごはんを済ませて、

7時半から 「総人足」 (全戸総出での清掃作業を地元の人はこう呼ぶ) 開始。

総延長6キロに及ぶ 「本木上堰 (もときじょうせき)」 を、

上流の早稲谷の取水口から下っていく班と、

下流の本木集落から上がっていく班に分かれる。

作業は両班が出会うまで終われない。

 

僕は今年は早稲谷班に配属される。

下の写真の右手が、早稲谷川から水を引く取水口。

e10050501.JPG

ここから堰に溜まった土砂や落ち葉を浚(さら) っていく。

 

e10050502.JPG

最初は楽しく会話しながら、それが段々と沈黙の作業に変わっていく。

実は前々日から、またしても腰痛をぶり返してしまった私。

立ったり座ったりがひどく辛いのだが、意地もあって必死で作業する。

時々フォークを杖代わりにして、、、

運動会の前になると熱を出す子供みたい、とからかわれたりしながら。。。

 

ま、そんなダメおやじの体たらくにかまうことなく、

ひたすら浚う、浚う、のボランティア諸君。 

e10050503.JPG

 

浚う、浚う、浚う。。。

 

e10050504.JPG

 

 たまさかの休憩時間。

e10050505.JPG

 

時折は山野の植物を愛でたりもする。

カタクリの花、発見。

e10050516.JPG 

しかし・・・くそッ、ピントが合ってないぞ。

 

午後2時過ぎくらいだったか、ようやく合流。

e10050506.JPG

お疲れ様、でした。

これで今年も水がしっかりつながります。

 

見てお分かりいただけるだろうか。

この堰には傾斜がほとんどない。

尾根筋に沿って掘られた水路はゆっくりと水を集め、温ませながら里に下りてゆく。

しかも素掘りのままの形が残っている。

掘ったのは江戸時代中期、会津藩の命により寛保7年 (1747年) に完成した。

地形と水の原理を操った土木技術は驚嘆に値する。

以来260年余、部分的に少しずつU字溝などで補修されながら、生き続けてきた。

 

5月10日にもなれば、この棚田にも水が入ることになる。

e10050507.JPG

この風景すべてを、堰が支えてきたのだ。

 

公民館前の広場で、お疲れ様会。

e10050508.JPG

例によってサバの水煮缶とお豆腐、そして豚汁に麦酒が振る舞われる。

連れの職員Sは会津若松出身で、今もサバ缶は常備品だと言って、

自分の分も上げると、すかさず受け取る。

ま、こいつが一緒に来てくれる限りは運転を任せられるから、安いものだ。

 

夜にも地元の方々との 「里山交流会」 が予定されていて、

僕は宴席の前に講演を依頼されていたこともあって、麦酒は控えめにして、

合い間を縫って、別集落にある小川光さんの 「チャルジョウ農場」 を訪ねることにした。

 

というところで疲れてきたので、この話、明日に続けます。

腰が痛いよ、本格的に。。。。。

 


Comment:

お疲れ様でした&ありがとうございました。
地元の方々や歴代リピーターのみなさんとの会話もとても楽しく有意義なものばかりでした。
来年はmy寝袋持って参加するつもりです。

本筋とは関係ないですが、ツナ缶ではなくサバの水煮缶です。。

from "iwa" at 2010年5月 7日 08:34

iwa 様

早速のコメント、有り難うございます。楽しかったようで良かったです。私は腰痛に加えてきつい目線を受けながらの講演で、ちょっとつらかったです。もちろんそれ以上に楽しませていただきましたが。

ツナ缶ではなくサバの水煮缶、ですよね!
ご指摘ありがとうございます。急ぎ訂正しておきます。後の祭りか…

from "戎谷徹也" at 2010年5月 8日 14:21

コメントを投稿



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ