2010年5月22日
生物多様性農業支援センター総会
今年は国際生物多様性年。 10月には名古屋で国際会議(COP10) も開かれる。
そして今日は、国連が定めた 「生物多様性の日」 である。
当方としては、わが 「稲作体験2010」 田植えの前日ということもあって、
本来はその準備のために現地(千葉・山武) に入るのだが、
今回は若手職員たちによる実行委員会にお任せして、
NPO法人「生物多様性農業支援センター」(略称:BASC、バスク) の総会に出かける。
場所はなんと高尾。 町田市相原の山の中にあるJA教育センター。
設立されてから丸2年が経った。
その間、田んぼの生きもの調査の全国的な展開やインストラクターの養成、
映画 『田んぼ』 の制作、シンポジウムや国際会議の開催などに取り組んできた。
その活動内容を確認するとともに、今期の活動方針・予算などを審議する。
総会というと、通常なら議案の提案(読み上げ) と多少の質疑で終了したりするものだが、
昨年度の決算状況が芳しくなかったこともあって、
今期の方針と予算見込みの実現性について、また執行部の運営体制について、
ずいぶん厳しい声も上がって紛糾したのだった。
なにしろこのNPO、JA全農という大御所から生協、環境保護団体などなど、
そうそうたる団体の代表が理事に名を連ねて設立された
重量級の特定非営利活動法人である。
大地を守る会からも藤田会長が理事になっている (僕はいつも代理での出席)。
それだけに運営に甘いところがあると、実に手厳しい。
なんとか議案がすべて承認され、緑豊かなJAの研修施設をあとにして、
夕方から何名かで高尾駅前の居酒屋で一杯やる。
NPOの運営というのは難しいものだ。
田んぼの生き物調査を実施するにも経費がかかる。
しかしそれで収益を上げようとすると農家もなかなかついてこない。
そもそも全国どこでも手軽に実践できるようにと、
指導者を養成する講習会なども開いてきたのだ。
田んぼの生き物調査のナショナルセンターをつくろう、
という理念は良しとして、その運営の自立に向けては、まだまだ課題が山積している。
「大地さんも、もっと働いてよね」 -原耕造理事長のセリフが重たい。
帰りの電車では、福岡から毎回理事会に出てこられている宇根豊さんと
二人だけになって、ほろ酔いでお喋りしながら帰ってくる。
「市民による民間型環境支払い」 を応援する 「田んぼ市民」 なる制度も立ち上げ、
おいそれと引けないね、とか何とかかんとか。
宇根さんも、今年が正念場だと感じている。
しかし、みんなそれぞれに自分のところで手いっぱいな面もあって、
どうしても執行部に任せてしまうところがある。 いや、なかなかに難しい。
稲作体験のスタッフに電話を入れると、
準備は順調にはかどって、
何人かが事務所に戻って参加者全員に電話掛けをしている、とのこと。
天候が悪いと不安になって問い合わせてくる方が多いので、
先に 「明日は、雨でもやります」 という連絡を入れようということになったようだ。
今年の稲作体験は、応募者78世帯240名。
抽選で約160名まで絞らせていただいたが、それでもけっこうな件数だ。
まあ、よく判断して動いてくれていると思う。
こうして僕の出番はだんだんとなくなってゆくんだよね。
明日、何とか小雨ですみますように。