2010年10月 6日

大地を守る会の「備蓄米」 収穫祭

 

つらい夏を越えて、やってきた稔りの季節。

 

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どんな時も安心して食べられるお米が確保されている。

それはいつも安心して最高の米づくりに挑めることと、同義でありたい。

 

1994年、平成の大冷害とか米パニックと呼ばれた翌年から始めた

「大地を守る会の備蓄米」。

以来、保管に失敗したり、「もういいんじゃない」 とか言われた年も経験しながら、

意地を張って続けてきた。

この本当の真価は、まだ見えてない。 本番はこの先にある、という思いがある。

 

春から予約をしてその年の米づくりを支える。

供給は年を越してから、次の収穫までの間に責任を持って引き取る。

信頼とそれなりの覚悟がないと双方成り立たない制度が、

米価が下落し続ける時代の中でも着実に支持されてきたことは、

企画者にとって望外の喜びであり、誇りでもあり、かつ重い責任を感じるものとして

僕の中にある。

 

今年もその収穫を迎え、10月2日(土)、生産者と消費者の交流会が開かれた。 

福島県須賀川市の、小高い丘の上にあるライスセンター。

ここに明日の食のために今年も備蓄米を応援してくれる人たちが集う。

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それにしても、今年の夏はイネにとっても辛かったようだ。

「どんな年も、一定の品質を再現させる」 と豪語してきた

(株)ジェイラップ代表・伊藤俊彦も、「いやぁ、厳しかった」 と告白する。

それでも、できるだけのことはやったという自負はある。

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あんたがそういうなら、俺たちは必死で売るだけだね。

じゃ、田んぼに行って、みんなで収穫を喜ぼうじゃないか。

 


 

猛暑から一転して寒くなって、雨が続いた。

今日は久しぶりの晴天。 ということは農家にとっての仕事日和というわけで、

集まってもらうのに気が引けるような青空に僕らは迎えられたのだが、

「ま、大地さんとの収穫祭ですから・・・よかったですね、いい天気で。」

微妙なニュアンスが心苦しい。

 

すっかりイネが倒れている田んぼが周りに散見される中、

稲田稲作研究会の田んぼは力強く立っている。 

「どうだ」 と言わんばかりの関根専務の顔がある。

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稲田稲作研究会会長、岩崎隆さん。

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これほどに皺が似合う人は、そういない。

隆さんに会うと、たるんでいる自分を恥ずかしいと思う。

 

コンバインに乗っての収穫体験。 

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手刈りとはひと味違った、ちょっと高見からのダイナミックなニッポン稲作民族の力を

感じられるだろうか。

 

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子どもたちは虫取りに興じる。 お父さんも一緒に。

  

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昨今の若いお父さんは、みんながみんなそうそう自然児で生きてきたわけではないので、

あんまり過度に期待するのは酷でもあります。 

一緒に楽しむ、一緒に挑戦する、そういう感じで。。。

 

恒例となりつつある、第3回イナゴ取り選手権大会。 

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こういうのは大人が夢中になる企画なんだと、昨今僕は思い知らされている。

それはそれで楽しいけど。

 

トカゲ、捕まえた! いえ、これはカナヘビです。

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ずっとカナヘビをいたぶり続ける少年。 子供というのは残酷だね。

僕も昔はそうだった。

 

田んぼは生産基地であるとともに、子供たちにとっては自然と触れ合う場でもあった。 

どんな天候に遭っても、みんなの食糧をしっかりと作ってくれ、

たくさんの生き物と戯れる遊び(=教育) の空間でもある田んぼ。

 

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ありがとう、と心から感謝して、記念の一枚を。

 

今年の米の出来は実はかなり厳しい状況が伝えられてきている。

夏の高温で豊作が予測されたこともあって、昨年来からの過剰在庫と絡んで、

米価は新米から下落含みである。

しかし蓋を開けてみればさほどの豊作でもなく、品質も例年より悪いという。

国の補助制度はいともあっけなく破綻するように思える。

その先はどうなるのか、、、

私たちの真価が問われる時が近づいてきているように思うのである。

 

そしてしかも、だからこそ、、、

僕らは、新しい価値づくりにも挑戦しなければならない。

・・・・・眠くなったので、続きは明日に。

 



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