2011年3月18日

心をひとつにして

 

また聞きながら、どっかの会社の社長さんが、ブログで

「今が稼ぎ時」 みたいなことを書いて、バッシングを浴びているという話を聞いた。

物資不足にめげず、厳しい環境下でもみんなが一つになっていたわり合い、

支え合おうとしている中で、

なんという心ない、悲しい発言だろうかと、ブチ切れそうになった。

でも、そう考えている人は多いのかもしれない。

商売自体は何も悪いことではない。

必要とされるモノが人の間をうまく流れることで、人々の暮らしが安定するわけだから。

しかしお金というとても怖い両刃の剣を手段として手に持つ以上、

商いには礼節と仁義を欠かせてはならない、ゼッタイに。 

弱みや混乱に乗じて儲けるのは " 悪徳 "  である。

今だけは、せめて今だけは、この国でそんな姿は見たくない、

聞きたくないと思っていたのだったが。

怒りというより、悔しいと感じてしまうのは、

美しい国であってほしいと思う心根が、僕にもまだ多少は残っているからか。

 

備蓄米の精米ラインに損傷を受けたジェイラップ(福島県須賀川市) の

伊藤俊彦さんからメールが届いた。

 

大地震の後の余震も徐々に減りつつあるようです。 

精米工場の修復も本日(17日) までに一応の対策を完了しました。

明日いっぱいかけて試運転を行う予定です。

埼玉のエンジニアリング会社が、今日で四日目の作業を行なっております。

会社事務所に断熱材を敷き、風呂もシャワーも無しの3泊です。

真っ先に駆けつけ、ひたすらメンテナンスに当たっている姿に

手を合わせたい心境です。

家内の有り合わせ料理を 「おいしい」 と言ってくれる気持ちにも、ただ感謝々々です。

 

自分のことを後回しにして、頑張っている人がここにもいる。

みんなが言い始めている。 「ニッポンはまだ捨てたもんじゃない」。

それにしても猛烈なスピードでの復旧である。

鬼の形相でメンバーを鼓舞する伊藤俊彦、

「こんなのでツライなんて言ってたらバチがあたるぞ」 とか言っているのだろう。

「分かってますよ」 と歯を食いしばって働くメンバーたち。 彼らの顔が見えるようだ。

手を合わせたいのは我々の方である。

 

福岡県久留米市の石橋製油の上野裕嗣さんからも、

ダミ声ながら勢いのある電話がかかってきた。

「 油は油でもウチの油は、今のところあんまり必要ないようなので、

 水とお茶を習志野センターに送りますんで、使ってやってください!

 飛んでいきたいのはやまやまなんですが~、これくらいしかできませんで、

 ホント、なんかですね、お役に立たんといかんと思って、いてもたってもおれませんわ。

 お願いします、使うてください! お願いします! 」

数を聞けば、重量にして約 1.5トン ある。 参ったね。

被災地に届ける約束をして、有り難くお受けすることにした。

 

午後3時、本社にいた社員が集められて、

藤田社長から檄が飛ばされた。

 

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歴史に語り継がれることになるだろう未曽有の大惨事が進行している。

わが社も物流センターに多少の被害が発生したが、

東北で被災した方々に比べれば、何ほどのものでもない。

義援金や救援物資なども含めた被災者支援も最大限行ないたい。 

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福島原発では、暴走を食い止めようと必死で頑張ってくれている人たちがいる。

我々はずっと原発には反対してきた立場ではあるが、

今は政府や電力会社を批判している場合ではない。

私たちはもはや、命がけで作業にあたっている自衛隊や東電の社員さんたちに

かけるしかなくなっている。 彼らの頑張りに心から感謝し、応援したい。

事態は刻一刻と変わっていっているが、

各員、自分の持ち場で全力を尽くし、みんなの力でこの難局を乗り切りたい。


畜産水産グループ長の吉田和生からは、

義援金や救援物資といった一時的なモノだけでなく、

大地を守る会らしい、生産者のネットワークの力も活かした支援を考えたい、

という決意が語られた。

 

考えなければならないことは色々あるが、やってみようか。

鈴木康弘へ。 呼びかけは、お前の一文でいきたい。 受けるよね。

 



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