2011年3月20日

畑にも被害が及び始めました。

 

厚生労働省は昨日(3月19日)、

福島県産の原乳と茨城県産のホウレンソウから、

食品衛生法に基づく暫定規制値を超える放射線量が検出されたと発表しました。

 

ともに県が実施したサンプル調査によるものです。

原乳は福島県川俣町で採取されたもので、

1キロ当たり932~1510ベクレルの放射性ヨウ素が検出されました。

ホウレンソウは茨城県の高萩市や日立市など6市町村のもので、

6100~1万5020ベクレルのヨウ素が、

また524ベクレルのセシウムが検出されたとのことです。

なお同時に分析されたネギは規制値以下の結果でした。

 

食品衛生法に基づく暫定規制値というのは、

今回の福島原発の事故を受けて急きょ設定されたもので、

この規制値を超える飲料水や生鮮食品については出荷させないように

(正確には 「食用に供されることがないよう販売その他について十分処置されたい」)、

という通知が都道府県に出されています。

牛乳の規制値は、放射性ヨウ素=300ベクレル、同セシウム=200ベクレル。

野菜は、ヨウ素=2000ベクレル、セシウム=500ベクレルとなっています。

いずれも 1㎏あたりの量です。

 

ただし規制の範囲は定められておらず、

これを受け、茨城県では県内の露地栽培のホウレンソウの出荷停止を各市町村に

要請しました。

 

この要請にともない、大地を守る会においても、

茨城県産ホウレンソウの流通をいったん停止しました。

再開は未定です。 今後の情勢により判断、という形にならざるを得ません。

 

とうとう畑や家畜にも影響が出てきました。

メディアでは、「食べてもただちに健康に影響が出る値ではない」

「野菜は洗ったり、茹でたりすれば、相当量が除去される」 と報じています。

それはそうなのですが、とはいえ、

これ (放射能) ばっかりは、どこまでが 「安全」 と言い切れるものはありません。

残念ながら私たちにも、断定できる閾値は設定できません。

 

放射能と安全な暮らしは共存できない。
原発は一度でも事故が起きると、その被害と影響は
空間(距離)的にも時間(未来)的にもはかり知れず、
原発に頼らないエネルギー政策にシフトしていかなければならない。
 
 

大地を守る会は、25年間にわたってそう主張してきました。

社会を変えるまでに至らなかった非力さを、無念や悔悟とともに深く自省しつつ、

しかしけっして諦めることなく、

未来のために、為すべきことを為したい、と自らに念じています。

 



Comment:

会員サイトにて、
今後の取り組みなる記事を拝見しました。
ありがとうございました。
二度と同じ過ちを繰り返したくないです!

from "会員/フカヤ" at 2011年3月20日 23:05

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