2011年6月15日
2022年まで、生きてみたい
福島行脚のレポートを続け、野菜の供給に明け暮れている間にも、
世界は動いていた。
6月6日、ドイツが、2022年までに脱原発を果たすことを閣議決定した。
新聞が報じている。
「私たちはエネルギー構造の変革と経済成長とが調和することを
世界に示す 」 (メルケル首相)
「今日の決定はドイツ社会にとっての一里塚だ。
私たちは先駆的な社会プロジェクトを始める 」 (レットゲン環境相)
「このような変革を成し遂げる技術・経済力を
我々以外のどこの国が持っているのか 」 (専門家委員会の会見より)
何という力強いコメントだろうか。
僕の内にあるナショナリズムが、悔しくて震えた。
いや、そんなことより、
明日からの10年を生きてみよう、生きて、2022年を見たい!
とさえ思わせる宣言だ。
続いて13日、イタリアの国民投票が成立し、
原発凍結賛成票が90%を超えたことが判明した。
こちらの首相は、
「イタリアは原発にサヨナラを言わなければならない」 と、
気持ちイイくらいに潔よい、敗北宣言だ。
当の事故を起こしてしまったこの国では、
震災から3ヵ月後の6月11日(土)、
全国140ヵ所で脱原発を求めるデモが繰り広げられたのだが、
要職にある政治家が堂々と 「原発ヒステリー」 と他人事のように評し、
経済界は目先の電力コストに執着している。
廃炉や未来永劫にわたる核廃棄物管理のコストは、
国民の負担であって我が社とは関係ない、とでも思っているのだろうか。
君はいったい誰なのか、どこにいるのか -と問いたい。
21世紀の社会・産業革命のレースが始まっているというのに。
その陰で、全国デモが行なわれた11日、福島県相馬市では、
縊死 (いし ...首吊り自殺とは書きたくない) した酪農家が発見された。
牛舎の黒板には、
「原発で 手足ちぎられ 酪農家」 と書かれてあったそうだ。
そんななか、エビはというと、仕事の合い間を縫って、
放射能の除染 (土壌浄化) 技術情報の収集に歩き回っていたのだった。
6月3日(金) は、夕方から東京大学で開かれた
土壌物理関係の先生たちの勉強会を覗かせていただく。
5日(日) は、日本有機農業研究会の講演会を聞きに、渋谷の國學院大學に出向く。
講師は四日市大学講師の河田昌東(まさはる) さん。
チェルノブイリ原発事故の被災者救援や土壌浄化に取り組んできた方だ。
二つの会議から有用と思える情報を拾ってみると-
...... ごめん、眠いので、続く。