2011年7月 2日
今日も悶々と放射能対策を学ぶ
今日も一台のトラックが被災地に向かって走っている。
職員の間で 「復興大臣」 の異名をとる吉田和生 (畜産水産グループ長) が
自ら配送車に食料や物資を積んで、
炊き出しボランティアとして昨夜から宮城・石巻に向かった。
かたや、僕が担当する専門委員会 「米プロジェクト21」 (略称 「米プロ」)
のスタッフは、夏の白神山地の自然散策と
大潟村の田んぼ見学を兼ねたツアーを実施してくれている。
硬軟織り交ぜながら、土日も何だかんだとせわしない、いや
元気な組織だ、ということにさせていただこう。
では、お前は何をやっているのかと問われれば、
また今日も、土壌の放射能対策についての研究会に参加していたのだった。
今回は日本有機農業学会のテーマ研究会 「放射能汚染と有機農業」 。
場所は池袋にある立教大学。
何度聞いても、状況への理解は深まっても、
特効薬のような処方箋を出してくれる専門家はいない。
しょうがないね。 そういう手に負えない厄介モノを放出させてしまったんだから。
それならそれで、一つ一つ丁寧に結果を検証していくしかないのだが、
とにかく、各地の生産者の取り組みが無駄にならないように、
また間違わないようにしたいと思うのである。
そして早く、全体的な除染対策の見通しを立てたいと思う。
悩ましいのは、森林に降った放射能である。
表層の腐葉土がしっかりセシウムをつかんでくれることで、
水系の汚染をガードしてくれているのだが、
一方で落葉を利用することには不安が募る。
地域の自然資源を活用する循環型の農業のほうが、
かえってリスクが高まる恐れがある、と指摘されたりするのだが、
では自然資源利用はやめて購入資材に頼ればよいというものでもないと思う。
水田なら、一定のほ場内循環 (生物多様性が肥料分も生産する世界) が
可能かもしれないと思ったりはするが。
もっと奥深い世界が、この迷路の向こうにあるのではないか、
という気がしてならない。
追求したいのは、微生物の力、そして醗酵という世界、である。
今、大地を守る会では放射能の測定体制を構築中だが、
体制が整った暁には、
ただ入荷する食品を3段階で検査する (安全性を確認する) だけでなく、
生産者の様々な取り組みや試験を、測定という科学でバックアップしながら、
新しい扉をこじ開ける力も獲得したい、と思うのである。
復興大臣・吉田と相方の嶋田 (会員サポート・グループ長) は、
今日は石巻で " お酒抜き " の夜だ。
米プロの西田と大熊は、ライスロッヂ大潟の生産者たちと
楽しく語り合っているのだろう。
僕は、悶々としながら面白くない論文を読んでいる。
3.11以降、消えてしまったオイラの休日を返せ! と叫びたい。
いや、そうじゃない。
すべての人の平穏を返せ! だ。
いつも頑張ってくださってありがとうございます。
埼玉の私が住んでいるあたりでの放射性物質による土壌の汚染が、セシウムでだいたい、爆発前の10倍強になっていることが、やっと最近見つけた資料からわかりました。(資料にはプルトニウムも測定してあります。どうやら毎年計っているので、今年も計れないことはないことはわかりました)
平成二十二年12月に文科省から第52回環境放射能調査研究成果論文抄録集というのが出ていて、それに全国の土壌、水、空気の放射性物質量と各地の特徴的な農産物に含まれている放射性物質について測定値とそれについての見解が載っていました。
閾値がないことや、影響は被爆量に比例することを考えると、いままでの10倍の影響がすくなくともあって、それで私達の体が変化していくだろう、ということぐらいだけが確かなことなんでしょうね。
10倍の放射線による影響で、私達が進化するのが早いか、淘汰されるのが早いのか。ついそんなことを考えてしまいます。
身の回りに居るスズメやツバメの子どもの孵化した数や、奇形の数を調べれば、傾向は分かるでしょうけど、どなたか研究しているのでしょうか。
確かなことは、原発はもういらない、ということだけです。
首都圏のこの汚染も、東電に何とかして欲しいです。