2011年8月16日

測定は目の前の安全を確かめるためだけでなくて・・・

 

今日は夏休み明けだというのに、事務所ではなく、

習志野物流センターに直行となった。

朝からテレビ局の取材を受ける羽目になったのだ。

休みに入る直前に日程が決まり、休み中に取材の概要がメールで入ってきて、

朝9時から現場打ち合わせ、10時から撮影に突入。

この一件だけで、なんだか休んでいる気分になれなかった。

しかもこのところ、広報の僕 (しもべ) みたいな日々だ、、、ブツブツ。

 

本日の取材は、日本テレビ 「シューイチ」 という日曜日の朝8時からやっている番組。

メイン・キャスターは、タレントの中山秀征さん。

その中山さんが弊社習志野物流センターまでやってきて、

食品の放射能測定の現場を見ていただくことになった。

 

物流センター玄関の前で、中山さんが語り始める。

「 はい、そういうわけでですね。 今日は、放射能の測定に力を入れている

  『大地を守る会』 の物流センターにやってきました・・・」

ふ~む。 スタジオから飛び出してきた、という展開だね。

 

「案内をしてくれるのは、農産グループ長の戎谷さんです。 こんにちわ!」

「こんちわ!」 (この前のラジオのような失敗をすまいと思うと、声が上ずる。)

 

センターの中を案内しながら、検査の概要を説明し、

また 「食の安全」 に対する大地を守る会の考え方などをお話しさせていただいた。

検査の概要はHPでも紹介しているので、ここでは割愛。

こんな感じ。 ⇒ http://www.daichi-m.co.jp/info/news/2011/0714_3017.html

 

また取材現場を写真に撮ることはできなかったので、今回は写真はなし。

 


シンチレーション・サーベイメータ で青果物をロットごとに測るところでは、

野菜や果物に測定器をしっかり当てている場面のアップが何度も撮影される。

「 これです、これ。 この作業を入荷した野菜全品でやっているということを、

 伝えたいですよねぇ」 と強調してくれる。

またガンマ線スペクトロメータ 4台を使って測定しているところでは、

コンピュータの画面を見てもらいながら解説する。

 

日々入荷してくる食品が、その安全性を確かめられた上で届けられる。

「安心」 につながる作業としてお褒めの言葉も頂いたのだが、

測定体制をここまで強化した理由は、実はそれだけではないこともお伝えする。

 

放射性物質は目に見えず、静かに拡散していってる。

ワラから牛肉へ、水系から魚へ、下水から肥料へ・・・

食物連鎖と生物濃縮が進み始めている。

僕らは今、届いた食品を網羅的に測って確かめるだけでなく、

生産者が使っている、あるいは使おうとする肥料やその原料、

あるいは家畜の餌やその原料など、

口に入れる 「食品」 の上流まで可能な限り遡ってトレースし、

放射性物質の移動をキャッチし、抑え込みたいと思っている。

それによって、食べる人 (特に子ども) をガードするだけでなく、

生産者がある日突然加害者の身に晒されてしまうことのないようにしたい。

 

加えて、各産地で取り組む除染活動をバックアップしたい。

適切な効果測定によって次の対策も有効になる。

だから現地 (福島県須賀川市、ジェイラップ) にも1台据えたのだ。

 

そして、それやこれやでこれから蓄積されていくデータは、

将来へのリスク管理にも役立つ貴重なデータになるだろう。

なんたって、これから原発は廃炉の時代に入っていくのだから。

目の前の安全だけでなく、未来を守るものにしたい。

 

この辺の話は放送時間の都合上、割愛されることになるかと思う。

それでもいい。 せっかくお越しいただいたのだから、

中山さんやスタッフの方々に理解してもらえたなら嬉しい。

で、取材を終えたあと、さらに思い切って切りだす。

「もうひとつ、何としてもお伝えしておきたいことがあるので、

 聞いていただけませんか。」

 

放射線は細胞や遺伝子を傷つけて、癌や白血病などをもたらしますが、

ヒトの身体は本来、多少のDNA損傷は元に修復する力を持っています。

しかしその修復力を減退させる作用をおよぼすものとして、

様々な化学物質があります。 農薬もその一つです。

したがって、放射能を心配すればするほど、もう一方で、

できるだけ化学物質を体に取り込まないように配慮することも必要になります。

普段から、バランスの良い食事、体に良い食材を心がけることが基本です。

また、食の安全性や環境汚染に対して

最も配慮してくれている人たちが作ったものを食べる。

それが将来の 「安全」 と 「安心」 にもつながると思うのです。

 

中山さんがしっかり頷いてくれたことで、今日は満足、としたい。

 

放送は9月4日(日) とのこと。

よろしかったら、見てやってください。

 


Comment:

やりましたね!
これでまた、理解が深まるといいですね。

大地の責任もますます重くなっていきますね。

でも、できることも増えてくる。

福島が、それ以外の放射線被害に苦しんでいる人たちみんなが、笑顔で暮らせる日が少しでも早く来るように、みんなで頑張っていきましょう!

そのために、広報も頑張ってくださいませ。\(^o^)/

from "てん" at 2011年8月21日 23:16

はじめまして、福島県いわき市出身の者です。
いつもblogを拝見しています。
故郷の汚染に希望が持てずあきらめてしまいそうな毎日でしたが、
大地さん、戎谷さんの活動に励まされ、少しずつ未来に希望が持てるようになってきました。
本当にありがとうございます。

そうですよね。。。人間には本来、自然治癒力というものも備わっているんですものね。。
そこに目を向けることをすっかり忘れていました。
どんな時でもなんかしらやれることはあるんですね。

いつも人々の食の安全と安心の為に尽力して下さって言葉では言い表せないぐらい感謝しております。

お忙しいとは思いますが、まだまだ暑い日が続きますのでどうぞ御体大事になさってくださいね。
応援しています!

from "ハル" at 2011年8月23日 23:23

てん様
いつもコメント有り難うございます。“みんなが笑顔で暮らせる日”−その日が来ることを信じて、頑張ります。

ハル様
有り難うございます。僕らも皆さんに励まされながら生きてます。本当に、支え合っているんだなあ、と思う日々ですね。お元気でお過ごしください。

from "戎谷徹也" at 2011年8月25日 09:22

コメントを投稿



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ