2011年10月14日

" 希望の米 " は、ここにある!(続)

 

あれえ・・・あっという間に日が経っていって、焦るなあ。

どうにもブログにたどり着けない、気が急くばかりの

 " 転換期間中・特命担当 "  という快眠不足の日々。

 

枕元で、初代会長・故藤本敏夫さんの懐かしい言葉がフッと降りてくる。

" 言い訳人生におさらばしよう。 "

そうだよね。 言い訳する時間があったら、恥かいたっていいから前に進むのだ。

その向こうに待っている人がいる、この時の意味をかみしめろ、馬鹿者!

 

2011年10月1日(土)、稲田稲作研究会 (ジェイラップ) との

「大地を守る会の備蓄米」 収穫祭レポートを続けます。

 

この仕事をやって間もなく29年。

こんなシアワセな気持ちになったことがあっただろうか。

回を重ねるごとに達成感は強くなっていたけど、

今年の感激は、状況が状況だけに、ひとしお感がある。

 

ひと通りの見学を終えた後に、楽しい楽しい交流会へと場が移って、

とても温かい時間になった。

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おいしくて、楽しい食がある。

それは自然と人の  " 気 "  が調和した結果だと思う。

加えて信頼できる人がいる。 それは間違いなく生命体の免疫力を高める。

日々目の前に示される ppm や μ (マイクロ) -ともに100万分の1- といった

極小レベルの冷たい数値によって排除したり失わせるわけにはいかない

未来への 「保証システム」 がここにある。 

 

生産者はみんな  " 泣き "  をこらえながらの挨拶だ。

稲田稲作研究会会長・渡辺良勝から-

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来てくれただけで嬉しい・・・ 頑張る、作る責任を果たしてみせる、てな感じで。

(スミマセン。 何言ったか覚えてないけど、印象で。)

不安や悩みと葛藤しながら稲を育ててきたこの半年。

頼みの綱は消費者の応えだった。

今年も作ってよかった、と口に出してしまった瞬間に、込み上げてくるものがある。

 

「私も泣いてます」 とか言いながら、

しっかり挨拶できるのは、意外と女子のほうなんだよね。 

今日のために、前日遅くまで仕込みをやってくれた女性陣を代表して、

伊藤美代子さん。

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彼女たちの支えがあって、この場が出来上がっている。

ありがとうございます。 -なんて感謝の言葉も薄っぺらな気がして、

なんかもっと気の利いた言葉はないのか、

と自問自答する気の利かない男たちは、ただすすり泣いている。

 

参加された会員さん全員に、

今日の感想や日頃の思いや生産者への言葉をいただく。

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生産者たちは自然にハンドマイクの移動に沿って動いている。

一人ひとりの励ましや感謝の言葉が胸を打つ。

 

来れなかった方からのメッセージも続けたい。

 

  皆様の取り組みと努力に、心から感謝しています。

  三人家族で多く注文しては申し訳ないので遠慮していたのですが、

  今年は2口お願いしました (笑)。

  いつにもまして、ありがたくいただきます。

 

  3月、これから何を食べればいいんだろう? と不安に駆られた私でしたが、

  すぐに、これからも大地を守る会を信じていくと決めることができ、

  それからは自分の食べ物に関しては迷いなく暮らしてこられています。

  今まで大地を守る会の食べ物をずっと食べてきて、

  生産者の皆さんと大地を守る会の信頼関係を信じてきたからだと思っていましたが、

  皆さんの除染作業への取り組みの記事を読み、私が決めたのはつまり、

  生産者の方がたを信じるということだったのだなあと思いました。

  それは、生産者の皆さんの手に、命を預けるということでした。

  私たちの命を預かっていることをはっきりとわかってくださっている皆さんの姿勢が、

  逆に私にそれを教えてくれました。

 

参加者のなかに、こんな若者もいた。 兄弟での参加である。

「僕たちがまだ小っちゃかった頃に、合鴨の進水式に来たことがあって、

 今日は17,8年ぶりでしょうか。 参加させてもらいました。」

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合鴨進水式・・・。

1990年、当時の稲作研究会会長・岩崎隆さんが合鴨農法で無農薬栽培に挑んでから、

無農薬栽培を広げ安定させるために、鴨肉を引き取るオーナーを募集した時代があった。 

あの頃、オーナーたちで鴨のヒナを田んぼに放す儀式をやってたんだよね。

お兄ちゃん (写真左) はまだちびっ子で、弟の君はお母さんにおんぶされていた。

そのお兄ちゃんが22歳になって、今日はなんと彼女を連れて参加してくれた。

もうそれだけで涙がちょちょぎれるよ。

僕は一週間ほど前に職員・布施から君たちの参加を知らされて、

古い段ボール箱の中から当時の写真を探し出したんだ。 一枚進呈できてよかった。

 

NHKの取材班が、参加者にインタビューしている。

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何を聞いているのか、どう答えているのか、ちょっと気になるけど、

そこはお任せするしかない。

どうぞ自然にやってください、としか言ってないし。

 

会津・喜多方から、大和川酒造・佐藤典明工場長も、

「種蒔人」や金賞受賞酒を持って参加してくれた。

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今年の原料米(美山錦) は、震災の影響が大きかった須賀川の状態を考慮して、

苗まではジェイラップで育ててから、

喜多方に運んで大和川さんの自社田での栽培をお願いした。

美山錦は早稲米なので、すでに収穫を終え、

ジェイラップに置いた放射能測定器での検査も終了している。

結果はND (不検出=検出限界値以下) 。 よかったです。

 

ごめん。 終わらないね。

ここまでで、とりあえずアップします。

 


Comment:

お久しぶりです。
4月の記事に書かれていた
【官邸、マスコミが 「ただちに健康は害しない」 というのは正しい】は、
今でも同じ考えていらっしゃいますか?
大地ですら私たちを守ってくれないのかと、とても不安になりましたが、
先駆けて、測定体勢を作っていただき感謝しています。
10月になって横浜では再びヨウ素131の値が高くなってきました。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/syoku-anzen/1-2/sinaisan.html
収束に向かっているというのは、希望的観測なのかもしれません。
まだまだ続く長く戦いになりますね。

from "会員/フカヤです" at 2011年10月21日 03:03

会員/フカヤ様

お久しぶりです。今も読んでいただいているようで嬉しいです。感謝申し上げます。

さて、お問い合わせの「ただちに〜は正しい」というのは、生産者からのお手紙を紹介したなかでの一文です。そのことには特に批評していません。「ただちに」という時間の意味をあの時点で問うても詮ないことだと思ってました。
それよりも、生産者が暫定基準値の根拠を正しく知ろうと努力している姿のほうが有り難い気がしたのです。食を生産する者の責任を自覚する人とつながるしか道はないという思いは、今でも変わっていません。
僕にとって第1義とする基準は、見かけの数字より「人」、ということになるでしょうか。

それから「大地ですら守ってくれないのか」というのは、まことに申し訳ないですが、過度な期待というものです。あの時点で放射能から人を「守ってあげる」と言える人や団体など存在しません。僕らができたことは、現状を正確に知るための対策と情報開示に向かったこと、そして生産者と「やれるだけのことをやろう」と励ましあっただけです。
ただ、それぞれの立場でできる限りでの責任は全うする気持ちはいささかも失ってないつもりです。引き続きお付き合いいただけることを願っております。

from "戎谷徹也Author Profile Page" at 2011年10月25日 02:44

15年前に合鴨進水式に参加させていただいた鳥居です。写真が大きく掲載されていて驚きました。兄と楽しく見させていただきました。
こちらは美味しい野菜やお米、お肉を食べさせてもらい、そのうえ感謝までされてしまってなんだか申し訳ない気分です。改めてお礼を申し上げます。
私は生まれてから大地の食材で育ち、これからも大地の食材を食べて生活をしていきます。家族全員、大地の食材が大好きです。
どうかお疲れのでませんように。

from "鳥居路子(賢太)" at 2011年11月 4日 23:07

私が書いたメッセージを紹介していただいていることに今気づきました。泣きそうです。ありがとうございます。大地のブログ、たくさん読むものがあってチェックしきれていませんでした。特命を受けて飛びまわるエビちゃんブログ、これから愛読します。お体気をつけて!!

from "会員/カワイトモコ" at 2011年11月 9日 21:45

戎谷徹也様
前回はアドレスの最後にjpを付け忘れてしまい申し訳ありませんでした。
覚えていてくださって大変嬉しかったです。
そうですね。戎谷さんのおっしゃる様に違う意見の方がいて当たり前なんですよね。
人の考え方はそれまでのその方の関わって来た環境などにより形づくられる部分が多いので、原発、TPPなどに関しても経済最優先の考えでいらっしゃる方が、特に大企業で仕事をしてこられた方とか、私の周りに多いです。
私も気持ちよく仕事をしたいので、自ずとその話題を避けたりして、全く思惑とは逆向きになっている事にジレンマを感じているのが、正直なところです。

そんな中、ベトナムの写真は気持ちが休まります。
先ごろ、ブータンから国王夫妻が日本に来られていますが、本当の幸せは何だろうって思いますね。

時間を作って、大地のイベントにも行きたいのですが、休みの日も結構忙しく、なかなか実現できないでいます。
お会いできる日を楽しみにしています。

from "加藤利江" at 2011年11月19日 20:32

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