2011年10月27日

「ニコニコ生放送」 体験

 

10月1日付で  " 〇〇特命担当 " (自分で言うのがとても恥ずかしい)

という一人部署に任命されてより、

あれよあれよと矢のように時間が過ぎてゆく。

農産グループの継続課題も少々引きずりつつ、

新たな仕込みや仕掛けもそれなりにやってきたつもりなんだけど、

土日や夜の会合が一気に増えてきて、ブログに到達しない日々が続いた。

IT能力のレベルアップか、書き方の要領を変えるしかない、

とか何度も思いながら・・・おいつけない。

河島英五じゃないけど、" 時代おくれ "  のブログになりそうだ。

演歌は嫌いじゃないが・・・

 

ネット時代についてゆけてないのを実感したのは、

先週の金曜日(10月21日) のこと。 こんな初体験をした。

 

お昼時に広報に電話が入り、深夜の生番組に出演してくれと言う。

「ニコニコ生放送」 というインターネットで配信される動画制作会社からである。

どんな番組かと聞けば-

  『 緊急報告!アナタの食べものは大丈夫?

    ~ 放射線による食品汚染の実態に迫る ~ 』

 

外部の人には見せられない弁当を食べる自分に、

広報担当が気を使いながら打診してくる。

う~、、、まあ、いいけど、、、いつ? エエッ! 今夜かよ!

 

この感じ・・・ 過去にもあった。

93年の米の緊急輸入で大騒ぎしてた時に、 『 朝まで生テレビ 』 から

お声がかかったときも、当日だった。

しかし、、、夜の10時、指定された場所に出向けば、

そこは日本橋にある雑居ビル。 スタジオふうにセットされた一室で、

若いスタッフとゲストの先生たちが、あーだこーだ言いながら

準備に勤しんでいるのだ。

テレビ局で用意されたものとは違った手づくり感があって、

10時半、緊張感なく (というより心の準備なく) 本番突入となった。

 


ゲストは、

高エネルギー加速器研究機構教授・野尻美保子さん、

東京大学大学院理学系研究科教授・早野龍五さん、

三重大学生物資源学部准教授・勝川俊雄さん、そしてワタシ。

司会は、ジャーナリストの津田大介さん。

 

3人の先生方がそれぞれに、放射能の基本から国の暫定規制値の意味などを、

フリップを使って 「分かりやすく」 を意識しながら解説する。

食品検査の実態を知ってもらうために、

スタジオに測定器 (ガンマ線スペクトロメータ) を運び込んで、

測定の実演までやってみせたのには、感心させられた。

男たちが汗かきながら担いで階段を上ったようだ。

「事実を正確に知ってもらおう」 と努力されている先生たちも多いのだ。

 

モニターを見れば、瞬時に視聴者からのコメントが次から次へと流れてくる。

「そのTシャツ、かっこいいね」 とか、誰かが冗談言って笑うと 「笑ってる場合か!」 とか、

「信用できない」 とか、「早くヒジキの結果を見せろ」 とか、

「こういうのをテレビでもやるべきだ」 とか ・・・

僕が発言してた時に 「エビちゃんブログ、見てるよ~」 と流れて嬉しくなったのだが、

あとで知人からの応援だったことが判明した。

質問もいくつか採用されて、コメントを求められる。

 

まあそんな感じで、発言は制約されることなく、喋り過ぎたりしてるうちに、

津田さんがサラリと、「反響も多いので、延長しましょう」 と言ってのける。

そして、終了したのが深夜の1時。 勢いで1時間延長しちゃったのだ。

このフレキシブルでヴィヴィッドな 「やっちゃえ」共有感は、楽しい。

既成の討論番組が時代遅れに見えてくる。

 

先生たちがよく喋ったので、出番はそう多くはなかったのだが、

いろんな刺激を受けて実に面白い体験だった。

 

制作会社が用意してくれたビジネスホテルに潜り込んだが寝つけない。

しょうがないのでコンビニで純米酒を買って、しばし反省。

 

こういう番組に出るには瞬時の対応力が必要だ。

そのためには日頃から頭を整理しておかなければならない。

 

先生たちが言うには、まだ基本的な知識に混乱が見られるとのこと。

「だから我々も伝える努力をもっとしないといけないです。」

なるほど。

僕も気をつけよう。

 

<豆知識> みたいなのを、しばらく続けてみましょうか。

ニコニコ生放送で早野先生の説明を聞きながら、改めて思ったことから。

食品の放射線を測ろうと機器を購入する人がいますが、

ガイガーカウンターやサーベイメーター(線量計) といった数万円クラスの測定器は、

空間線量を測定する装置であって、

食品の放射線量を正確に測るものではありません。

当社でも入荷した農産物を、まずはシンチレーション・サーベイメーターでチェックしていますが、

空間線量(バックグラウンド) をしっかり把握した上で、

またモノが集まった状態 (じゃが芋なら1個取り出してではなく、箱の中)

にしっかり当ててバックグラウンド値との差を見て判断するようにしています。

(差が明確に出るようなら、ラインには乗せず、スペクトロメータで計測する。)

空間線量も数秒単位で変動しますし、地形や地質の影響を受けます。

あくまでも参考値として、あるいは継続して測りながら変動を比較したり、

傾向を判断するものとして活用しましょう。

 


Comment:

こんにちは。会員で、「エビちゃん日記」の読者で、3人の先生方のツイッターのフォロワーです。先日は私もニコ生視聴初体験で、眠い目をこすりながら本当に興味深く拝見いたしました。戎谷さんの出演がそのようなそのような事情だったとははじめて知りました。遅い時間までお疲れ様でした。戎谷さんがはじめに「何を食べたらいいのかと悲鳴のような声が届いて」とおっしゃった時になぜか不覚にも涙を流してしまいました。実際に計測をしている所を見たり注意点を聞いたり勉強になることだらけでした。こういった番組がもっと増えるといいと思います。

from "チャウダー" at 2011年10月29日 21:43

チャウダーさま
ありがとうございます。視聴者の数とアンケート結果の好評度でスタッフの方が大変喜んでいました。早野先生たちがとても「分かりやすく」を心がけていたのが印象的です。インターネットはどんどんコミュニケーションを進化させますね。なかなかついてゆけませんが、僕も一方的にならないよう、気をつけたいと思った次第です。今後ともどうぞよろしくお願いします。

from "戎谷徹也" at 2011年11月 4日 17:15

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