2011年11月22日

共同テーブル

 

(株)カタログハウス、生活クラブ生協、パルシステム生協、(株)大地を守る会。

4団体による、放射能基準を検討する 「共同テーブル」。

正式名称は 「食品と放射能問題検討共同テーブル」 と言います。

9月から3回の会合を経て基本合意に至り、プレス・リリースに踏み切りました。

HPでもアップされているので、ぜひご確認ください。

 

http://www.daichi-m.co.jp/info/press/2011/11/post-37.html

 

本件に対して、いろんな質問が寄せられています。

どれも実に自然な疑問ばかり。

説明責任もありますかね。

この場を借りて、いくつかお答えしておきます。

 


<疑問その1> なんでこの4団体なの?

- 特段の理由はないんです。 予め考えてこうなったわけでなく、

  六ヶ所村の核燃サイクルに反対する運動や遺伝子組み換え問題など、

  いろんな運動を一緒にやってきた関係(生活クラブさん、パルさん) や、

  福島・ジェイラップの放射能対策を双方から支援した関係(カタログハウスさん) で

  声をかけたのがきっかけで、まずは我々でやってみようということになりました。

  あえて共通点を抽出するなら、脱原発の姿勢を共有しているということ

  +首都圏・流通(生協さんは正確には 「流通」という業態ではないですが)、

  でしょうか。 もちろん食品の安全性へのこだわりや生産者支援の姿勢で

  一致できる部分がある、というのが前提です。

 

<疑問その2> 広く参加を呼びかけないのか?

- もっともな疑問ですね。上記の4団体で集まった際に、さらに広く呼びかける、

  ということも検討しましたが、多種多様な意見が持ち込まれることが想像され、

  はたしてまとめ上げられるか、という懸念が強く出されました。

  団体の数が多くなると必然的に 「運営」 や 「調整」 に時間が割かれることになります。

  加えて、意見の食い違いから対立や批判を招いてしまっては、

  主旨とは逆の結果になってしまうことになります。

  この業界(?) は、個性派や主張・信念の強い方々が実に多いのです。

  「まとめられなくなる怖れ」 という力量的な限界、これが正直なところです。

  どこに声をかけて、どこは呼ばない、という判断もできません。

  そんなことをすれば、その時点で「終わる」 可能性があります。

  スピードも必要とされるテーマだけに、とにかく我々の力量にしたがって

  目標到達に向かおう、と判断しました。

  もちろん閉鎖的でよいとは思っていません。一定の目処が立ったところで、

  共通資産にできると判断できれば、広く呼びかけることも考えたいと思っています。

 

<疑問その3> 検討はどんな形で進められるのか?

- 食品に含まれる放射性物質は限りなく少ないほうがよい (しきい値はない)

  という認識と、すでに放射能が大地や海に降ってしまった現実の狭間で、

  私たちは今後放射能とどう向き合っていかなければならないのか、

  という視点からスタートしています。

  その上で規制値の適正な設定はどのようなものであるべきか、

  専門家の意見も可能な限り吸収しながら構築してゆきたいと思ってます。

  実際は、悩みが深くなるばかり、というのが今のところですが。

 

<疑問その4> いつ頃までにまとめる予定か?

- 一刻も早く、と考えてはいるのですが、4団体での合同作業になるため

  相応の時間がかかることでしょう。 今想定している目標は、年度内、です。

 

<疑問その5> 国への要求という形をとるのか?

- 国は国で基準の見直しを進めていますが、対立を前提にしているものではありません。

  主旨文にも書いたとおり、

  「それが 「公」 の基準検討を補完するものになれば幸いであり、

   あるいは対立するものになったとしても、

   国民レベルでの健全な議論に寄与するものになることを確信」 しての作業です。

  公・民双方からの議論と作業の積み重ねが、

  生産者も消費者も納得できる 「指標」 の獲得につながる、と信じています。

  新聞記事を見て、電話をかけてこられた ●●●● 省の方、

  喧嘩することが目的ではないので、どうぞご安心ください。

 

とりあえずこんなところで。

また随時、検討プロセスも含めて報告してまいります。

ご期待ください、と力強く胸を張りたいところですが、

前代未聞の作業だということがじわじわと涌いてきて、

震えているのが正直なところです。

 


Comment:

先日はお忙しい中、対応していただいてありがとうございました。
おそらく戎谷さんに問い合わせた方の多くが、「答え」ではなく
「手順や経過」を知りたいのだと思います。私もその一人です。

「開かれた国会」には(今は)期待していないので、
「開かれた共同テーブル」に大いに期待しています。
しかし、多忙のことと思いますのでご自愛なさってください。

from "よっしー" at 2011年11月29日 08:34

初めて書きこませていただきます。
貴殿の活動を心強く思っています。
今後も拝読させていただきます。
さて、本題ですが、ジェイラップさんの福島の畑での実験ですが、
EM菌も撒いたそうですが、結果はどうだったのでしょうか。
先日のNHKでの放送では、EM菌の事は触れられていなかったので、
実際の所を教えて下さいませ。

from "大地宅配会員" at 2011年11月30日 21:15

よっしー様
「答え」ではなく「手順や経過」を知りたい。そうでしょうね。進捗は報告するようにいたしますので、また覗いてください。とりあえず入口できた質問にお答えしたということでお許しを。

大地宅配会員様
お問い合わせ有り難うございます。注意深く読んでいただいているようで、嬉しいような怖いような…です。
たしかにEM菌もテストしましたが、極めて限定された環境でのテストだったので、これでは明快な見解は出せない、という結果でした。すみません。施用後の土壌表面の線量は下がったのですが、セシウムが沈降したのか、どの菌が掴んだのか、メカニズムは分からず、です。つまりEM菌というのはいくつもの菌の集合体なので、むしろ乳酸菌とか光合成細菌とか特定された菌の効果を調べるほうが先ではないかと、今は思っている次第です。いずれにしても賛否両論ある資材に、一度の試験で軽々にモノを言うのは避けたい、というのが正直なところです。

from "戎谷徹也" at 2011年12月 8日 15:05

難しい話題の様でお答えいただきありがとうございました。
確かにEM菌に賛否両論あるようですが、あまり色眼鏡でモノを見ず、今回のジェイラップさんの様に果敢に色々チャレンジして欲しいです。
出来れば、結果はどうであれ、なかったモノとして扱わずに、一度の実験では良く分からなかったとして、客観的事実を公表してほしいですね。
放射能物質を吸収する藻の研究も出てきたし、1マイクロを超えていると言う皇居のお堀の藻の大発生もうなづけます。
放射能を好む自然物もあるようですね。
これからも、ジェイラップさんの活動と同様に応援しています。
ジェイラップさんの「はたまるりんご」美味しくて、すぐに食べてしまいました。
よろしくお伝えくださいませ。

from "大地宅配会員" at 2011年12月10日 18:14

コメントを投稿



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ