2011年12月13日
ゼロ・ベクレルを目指して
有機農業学会での発言後、頂いた質問や意見は二点に集中した。
そのひとつが、
" ゼロリスクを求める " を否定せず、本能と受け止めたい -に対して。
放射能は広く飛び散り、ほぼ北半球をあまねく汚染したと思われる。
均質に落ちたわけではなく、まだら模様のようであり、
距離によって相対的に薄まっているものではあるが、しかしそれも流動している。
この国に住んで放射性物質ゼロの食べものを求める姿勢は、
すでに無理というものである。
しかもそういう消費心理と行動が生産地や生産者を切り捨て、
国土の浄化や復興への思いを分断させることにつながっていないだろうか。
大丈夫と思われる程度のものなら、食べよう。 食べてつながろうじゃないか。
- この主張は、支持する。 というより僕自身、強くそう思っている。
しかし、だからといって放射能ゼロを求める姿勢を批判しても、
問題の解決にはつながらない、とも思っている。
放射能から逃れたいのは、生産者も消費者も、みんな同じなのだ。
そこから出発したい。
ゼロを 「求める」 や 「探す」 行為で終わらず
(これは批判ではなく、 " 終わらず " という提案です)、
一緒に " ゼロを目指そう " の共通認識を持ちたい。
ゼロの目標は、生産者だけの仕事では達成できないのだから。
努力する生産者の、その都度の結果を 「食べる」 ことで支える消費者の存在が欠かせない。
ゼロをよこせ、に対して僕がいま提供できるものは、
「検出限界値以下」 という選択材料としての測定結果(事実) と、
" ゼロを目指す生産者 " の意気地だけである。
そして作ろうとしている基準値もまた、
ゼロに向かうプロセスと思想を表現したものになるだろう。
「ゼロをよこせ」 とは = 「美しい国土を返せ」 だと受け止めていて、
そのために生産者と一緒に頑張っているつもりである。
そして " ゼロを目指す共働 " が成り立てば、
元を絶つことの共通認識も成立すると思うのである。
原発止めないと、ゼロリスクは達成できないわけだし。
そしてふたつめの視点へと続くのだが-
・・・すみません。 今日はここまでで。
昨日、「食品と放射能問題共同テーブル」 では、
厚生労働省で進められている放射性物質暫定基準値の見直し作業に対し、
6項目の質問書を提出しました。
回答が届き次第、お知らせします。
この質問は、実は喧嘩を始めたわけではなく、我々自身の悩みでもあります。