2012年1月22日

放射能対策を振り返る -くらしから原発を考える講座

 

「原発事故さえなかったら、、、、、

 この10ヶ月、皆さんも何度となく口にしたのではないでしょうか。」

 

原発事故さえなかったら-

正月の祝杯は復興の二文字で湧き上がったことだろう。

絆を確かめ、決意を語り合い、前進する力強い東北の姿が現出していたはずだ。

この国の株だって上がったに違いない。

原発事故による経済損失は、まったくはかり知れない。。。

 

昨日は、大地を守る会専門委員会 「原発とめよう会」主催による

『第73回 くらしから原発を考える講座』 が開かれた。

テーマは、「原発はいらない! 大地を守る会の放射能汚染への取り組み」。

まずは、 3.11以降の

大地を守る会の取り組み概要の振り返りから始めたい。

 - てことで、お鉢が回ってくる。

 

そこで、はからずも出た第一声が、冒頭のセリフである。

 

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会場は池袋にある 「豊島区生活産業プラザ (エコとしま)」 の会議室。 

参加者およそ50名強といったところか。

 


3.11以降の大混乱から今に至る様々な取り組みを、

かけた思いとともに報告させていただく。

 

その1: 実態をできるだけ正確に把握すること (測定体制の構築と強化)。

その2: 生産者との作付についての話し合い。

     予定数量の販売は困難であることを告げて回る。、

     " 風評被害 "  と言われながら生産と消費が分断されていくことをどう防ぐか、

     この模索は今も続いている。

その3: 測定結果の情報公開。 これにも覚悟が必要だったこと。

その4: 生産地の除染対策支援。 国もできないような成果を達成したこと。

     (しかし、くまなくフォローできたわけではない反省も深くある。)

その5: 基準 (流通上の規制値) の検討。

     他団体とともに基準のあり方を検討する 「共同テーブル」 を結成したこと。

     流通者としての規範を示したいと思っていること。

 

それぞれにけっこう苦悩があった。 20分じゃ語りきれない。

すべてが未経験領域で、思い返せば後悔や反省はたくさんあるが、

大きな針路としては間違わずには来れたと思う。

上の1から5は、順番のようでありながら、

どれもがつながっていて、今も課題を抱えながら回っている。

 

続いて、CSR推進本部事務局長の吉田和生が、

東北での震災復興支援の経過を、現地の写真を交えながら報告する。

漁が再建されても、放射能の問題が横たわっている。。。

腹立つね、ほんま腹立つわ。

 

そして、今回のゲスト。

福島県須賀川市・ジェイラップ (稲田稲作研究会) の伊藤俊彦さんから、

「大地を守る会の備蓄米」 産地として取り組んだ対策と成果を語っていただく。

 

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年末に 伊藤さんの手紙 を紹介させてもらったけれど、

本当によくやったと思う。

稲田稲作研究会の田んぼ一枚一枚の状態を確かめ、手を打ち、

結果を徹底的に検証する。 

土壌-稲体-モミ-玄米-白米-ごはん(炊飯した状態) の移行までトレースする。

そんな計画も、玄米で出なかったらトレースしようがないじゃない、

という笑い話も出るほどの結果となって、

来年はさらに 「すべてをゼロ(検出限界値以下) にできる」 という確信が、

メンバー全員に生まれた。

 

須賀川の田園地帯に転々と数値が書き込まれたMAPを見れば、

これは地域全体を生き返らせる力にもなることが実感できる。

次のプランが見えてくる。

 

県も国も唸った、2011年でしか取れなかった記録。

何とか残すことができたね。

7月に思い切って測定器を送ったことも、誇りに思えてくる。

復活の貴重な財産目録として、胸を張りたい。

はからずも会場から、「民間でできるじゃない、で終わらせられないか心配だ」

といった声まで上がった。

ま、こっちも批判したりけなしたりで終わらせられないし、

国はどうか分からないけど、県は必死だから、

県全体の取り組みに向けての提言を発していきたいと思う。

イノベーションはすでに始まっているのだ!

 

質疑応答風景。

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(左から、吉田和生、伊藤俊彦、戎谷徹也/撮影:青木文雄)

 

まだまだやれてないことも多く、不備も課題もたくさん残っている。

指摘を受け止めながら、改善々々、そして創造へ。

 

最後にしつこくマイクを奪って、ひと言。

「肝心なことは、すべての原因の大元を絶つことです。」

 

春にはすべての原発がいったん止まる。

やれる、できる、ことを見せなければなりません。

3.11の前に止めてやれなかった悔しさを一つにして、

頑張りましょう!

 



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