2012年5月20日

『フード・インク』 監督が語る、食の危機と希望

 

5月4日の山都での堰さらい。

作業終了後のお疲れさん会での  " 乾杯の雄姿をぜひ! "  と

社員の中島俊寛くんが写真を送ってくれたので、貼り付けてみる。

 

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「ベトコン体験」 でずぶ濡れになって、

合羽以外は、上から下まで下着まで、地元・遠藤金美さんからの借り物

(パンツはもらうことにした。 すっかり同志になった気分)。

下のズボンは、いわゆるモンペだが、地元の人はハカマと呼ぶ。

男はハカマ、女はモンペ、なんだとか。

「ハカマ、似合ってるよ!」 と言われてご機嫌、の一枚でした。

なんか疲れてる感じ。 えびす(蛭子) さんみたいだね。

 

さて、昨日(19日) は渋谷・表参道に出かけた。

「東京ウィメンズホール」 で開かれた 「生物多様性の日 記念イベント」。

 

 『フード・インク』 の監督が語るアメリカの食と農の現状

    ~今日のごはん選びが必ず変わります!~    

 

「フード・インク」 -食品株式会社といった意味。

食べ物が工業製品になってしまったことを表している。

" 安くて美味しい "  ファーストフードの秘密、生産の実態を裏側まで描いた衝撃的作品。

2008年、アメリカで公開され、

アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされた。

その監督、ロバート・ケナー氏を招いての上映と講演会。

主催は、食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク(食農市民ネット)。

 

「生物多様性の日」 とは、

1992年5月22日に 「生物の多様性に関する条約」(CBD) が採択されたことを記念して、

国際連合が制定した記念日、国際デーである。

毎年この日の前後に、世界中で植樹など色んな催しが行なわれている。

 

映画の解説は省く。

とにかく見るに耐えない家畜の飼育状況と、生産効率を追い続ける結果が、

人々の未来に何をもたらすのかを示唆している。

ブロッコリィよりも安いハンバーグによって、貧しい人ほど肥満と糖尿病に冒される。

抗生物質と耐性菌のいたちごっこでは、人が勝利することはない。

遺伝子組み換え作物は生物多様性を貧しくさせ、生存の安定性を衰えさせる。

耐性をもったスーパー雑草に対抗して組み込まれようとしているのは、

ベトナムの枯葉作戦で用いられた除草剤 2,4-D の成分である。

すべてはお金と企業の独占のためだ。

まだご覧になってない方は、「フードインク」公式サイトを是非。

 ⇒ http://www.cinemacafe.net/official/foodinc/

 

上映後、ロバート・ケナー監督の講演。

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この映画を撮るのに100社以上に取材を申し込んだが、ことごとく断られた

とロバート監督は語る。

食べ物の生産現場がすっかり企業秘密になってしまったわけだ。

世界のフードシステムがひと握りの多国籍企業によって支配されてきている。 

わずか4、50年で、1万年間続いてきた農業システムが根本から変容した。

 

このシステムを支えるのは画一化と単一化である。

アメリカの耕地の半分に大豆とトウモロコシが栽培され、

その大半が遺伝子組み換えされた種に替わってきている。

大量の除草剤が撒かれ、それも特定の除草剤(モンサント社のグリホサート剤、

商品名「ラウンドアップ」) であるがために、抵抗性を持ったスーパー雑草が生まれた。 

現在それに対抗しようとして新しい薬剤が開発されようとしている。

 

この世界は抗生物質も同様である。

抗生物質の80%が家畜に使われ、耐性菌が生まれ、結果として、

私たちの病気を治すことができなくなっている。

そのために2000億ドルという医療費が費やされている。

家畜だけでなく人の命までも犠牲にして、安い食肉生産が維持されている。

安い食品には、見えないコストがある。

実は高くついていることを知らなければならない。

(別なコストを食べる人たちが払わされている。)

 

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先月、アメリカで狂牛病が発生した。

アメリカでの検査はわずか1%なのに、そのなかで発生したのである。

日本が厳しい検査を要求することは、米国でたたかっている人々にとって力になる。

 

アメリカの食品の70%が、遺伝子組み換えされた大豆やコーンによって作られている。

(日本でも知らず知らず食べさせられている。)

しかし表示はされていない。

表示を要求する100万人の署名が集まり、

各地の州で住民のイニシアチブによって法案が提出されているが、

米政府は動かない。 多国籍企業の食糧戦略が勝っている。

遺伝子組み換え食品は、問題がないところに解決策を持ち込んだようなものだ。

日本の表示制度も心許ないが、表示義務を守り要求するることは、

日本のためにも世界のためにも重要なことである。

 

いま、多くの人が声を上げ始めている。

一人の力ではどうにもならないと私たちは思いがちだが、

思っている以上に力がある。

私たちは一日に3回、投票していることを忘れてはいけない。

オーガニック市場が拡大している事実には、企業も気がついている。

 

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映画 「フード・インク」 からのメッセージ。 

[食の安全のために私たちができること] 

 - 労働者や動物に優しい、環境を大事にする企業から買う。

 - スーパーに行ったら旬のものを買う。

 - 有機食品を買う。

 - ラベルを読んで成分を知る。

 - 地産食品を買う。

 - 農家の直販で買う。

 - 家庭菜園を楽しむ(たとえ小さくても)。

 - 家族みんなで料理を作り、家族そろって食べる。

 - 直販店でフードスタンプが使えるか確かめる。

 - 健康な給食を教育委員会に要求する。

 - 食品安全基準の強化を議会に求める。

 

システムを変えるチャンスが1日に3回ある

世界は変えられる ひと口ずつ

変革を心から求めよう

 

「フード・インク」 は、6月3日(日)、

渋谷・アップリンクで開催される 『TPP映画祭』 のなかでも上映されます。

上映後、戎谷がトークを担当します。

「フード・インク」 と 「TPP」 について・・・・・

宿題を指示するのは簡単だけどね。 いや、気が重い。

千葉・山武の田んぼで草取りをやってから、渋谷に走ることになっちゃった。

 

よろしかったら、お越しください。

案内はこちらから ⇒ http://www.uplink.co.jp:80/factory/log/004430.php

 



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