2012年11月 5日
「備蓄米」収穫祭 & 自立祭
改めて、10月27日(土)の 「大地を守る会の備蓄米 収穫祭」 から振り返りを。
少しでも現地の空気が伝えられたなら嬉しいです。
東北自動車道で事故渋滞の連続攻撃に見舞われた我ら一行は、
1時間半遅れで、須賀川市は 「稲田」 と呼ばれる地区に到着。
早速ほ場に出向き、今年取り組んだ除染の実演を見学する。
どうもザックリと 「除染」 と言ってしまってるけど、
ここでの対策は土を剥ぐわけではない。
プラウ耕といって、土の表層と深層をひっくり返す反転耕。 天地返しとも言う。
セシウムが留まっているのはせいぜい表土10cmあたりまで。
そこで表層30cmを下の層と反転させることで、
根の成長期では届かない下層にセシウムをとじ込める。
生産者団体 「稲田稲作研究会」 を束ねるジェイラップでは、
昨年耕作を放棄した田んぼも借り受け、反転耕を実施して、
線量を3分の1まで下げることに成功した。
彼らは地域全体の安全確保のためにも動いてきたのだ。
実演を見学する参加者たち。
説明するジェイラップ代表、伊藤俊彦さん。
天地返しによって表層にあった土の栄養分がなくなって、
稲の生育によくないのでは、という声もあるが、伊藤さんは動じない。
「 もともと昔からあった土づくりの技術ですよ。
これでかえって根の張りが良くなって強い稲になるはず」 と解説する。
本当はこれだけでなく、
一年かけてやってきた対策をひと通り見てもらおうと、
生産者たちは張り切って準備していたのだが、
残念ながら割愛させていただく。
ライスセンターでも、自慢の太陽熱乾燥とモミ貯蔵のタンクを見てもらい、
あとは簡略した説明となる。
太陽熱での乾燥設備。
小さな穴が空いているベッドにモミが並べられ、
ラインの奥にあるプロペラが回りながら撹拌してゆく。
こうして理想的な乾燥状態に持っていって、いったん眠りに着かせる。
こちらがモミ貯蔵タンク。
一基150トン × 3基で、450トンの保管能力がある。
保管されたモミ米は、注文に応じて籾すりされ、
精米-袋詰めまで一貫してここのライスセンターで行なわれる。
来年の梅雨を越しても品質を劣化させない、
まさに 「備蓄米」 のために作られたような設備だ。
駆け足で見学して、交流会の席へと急かされる。
生産者たちには、随分と待たせてしまった。
挨拶もそこそこに、乾杯をやって、懇親会突入。
今年も食べてくれる人の顔が見れる。
その喜びは、消費者が想像している以上に大きい。
自慢の生産者を紹介する常松さん。
こうやって毎年繰り返しながら、僕らの信頼関係は知らず知らず深まってゆく。
今年の特徴は、大地を守る会と稲田稲作研究会の 「収穫祭」 だけじゃないこと。
地元地域の人たちも招いての感謝祭も一緒に実施されたのである。
昨年は別な日程で、「復興祭」 と銘打って開催されたものだが、
今年は、「風土 in FOOD 自立祭」 となった。
「作る楽しみ、食べる幸せ」 を感じ、
誇れる風土を自らの力で、守る育てていくために
「復興から自立へ!」
そうだ、力強く、前に進もう!
会場を広げて、「自立祭」 の開催。
すみません。 今日はここまでで。