2013年2月11日
今年も 「天国はここに」 -大和川酒造交流会
2月9日(土)。
今年もやってきた会津・喜多方、大和川酒造店・飯豊(いいで) 蔵。
第17回となる 「大和川酒造交流会」 の開催。
最初の頃に参加されたおじ様のひと言から、
「この世の天国ツアー」 という冠をいただいた至福のイベント。
いつの頃からか 「極楽ツアー」 とも呼ばれるようになった。
今年もバッチリ、大地を守る会オリジナル日本酒 「種蒔人(たねまきびと)」 の
搾(しぼ) りに合わせることができた。
挨拶もそこそこに、
「今ちょうど搾ってますので、まずは試飲といきましょう」
と佐藤和典工場長に誘(いざな) われる一行。
まだ炭酸ガスがピンピンと跳ねている、いわゆる 「荒ばしり」。
雑味のない芳醇な香りに包まれ、酒客にはたまらない感激の一瞬。
淡麗とは違う、パンチの利いた辛口。
「うん、イイすね、今年も!」
- このひと言を聞けただけで、予は満足でござる。
「種蒔人」 タンクに貼られた、仕込み24番の数字。
秋の後半からその年の酒造りが始まって、
水がもっともピュアになる厳寒期に仕込む(寒造り) のが、
吟醸・大吟醸といったその蔵にとっての勝負の酒だ。
2 トンの原料米が投入されたが、その米は 55% まで削られている。
玄米に換算し直すと約 3,600 ㎏ (60俵)。
稲田稲作研究会(須賀川市) が無農薬で育てた酒造好適米 「美山錦」 を
惜しげもなく削って、純米吟醸 「種蒔人」 は完成する。
タンクの上(2階) で、まさに搾り中のモロミを味わう初参加の男性。
ご夫婦で申し込まれた会員さんについてきた息子さんだ。
真剣そのもの。 いい顔してる。
日本酒文化がこうして受け継がれてゆく。 素晴らしいではないか。
大吟醸の香りを楽しむ。
吟醸香は、米ではなく酵母によって創りだされる。
しかも酵母の種類によって、バナナ香とかリンゴ香などと微妙に香りが異なる。
どういう大吟醸酒をつくるか、に蔵の個性が見えてくる。
ただ、たまに香りを強調し過ぎるような酒に出会うことがあるが、
あれはいただけない、と個人的には思う。
最初の一杯でいい、という感じになるんだよね。
さらに参加者を唸らせたのが、こちら。
" 袋吊り " と呼ばれる手法で搾っている。
木綿の酒袋にモロミを入れ、自然にゆっくりと滴り落ちてくるのを待つ。
圧力をかけないからなのか、とても綺麗で品のあるお酒になる。
これはもう、大吟醸以上に贅沢な酒だ。
「雫(しずく)酒」 と銘打って販売している蔵もある
(「金寶(きんぽう) 自然酒」 でお馴染みの 仁井田本家 さん)。
「大地さんでこの造りを体験する会員を募って、やってみませんか」
と工場長にそそのかされ、すっかりその気になった参加者が数名。
小さな樽でやるとして、さて、いくらの酒を何本買い取ることになるか......
ちょっと真面目に計算してみようか、とまんざらでもない自分がいたりして。
蔵人3人衆。
左から、社長の次男・哲野(てつや) さん、浅見彰宏さん、板橋大さん。
浅見さんはご存知、山都町に就農した次世代リーダー。
板橋さんは U ターンで山都に戻って農業を始めた。
二人は夏に野菜セットを届けてくれる 「あいづ耕人会たべらんしょ」
の主力メンバーである。
自著のPRも忘れない浅見彰宏。
来週開催の 「大地を守る東京集会-オーガニックフェスタ」 では、
放射能連続講座でスピーチをお願いしている。
飯豊蔵をバックに、記念撮影。
みんなの後ろに積まれた雪の中には、
「雪室貯蔵」 の純米酒が眠っている。
さあ、いざ交流会に。
すみません、続く。