2013年6月アーカイブ

2013年6月29日

地域の力フォーラム

 

6月16日(日) 

「福島県有機農業ネットワーク」 の代表で、

「ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会」 の理事も務める

二本松市の菅野正寿(すげの・せいじ) さんから召集がかかり、

とある集まりに参加する。

仮称 「地域の力フォーラム」 と銘打たれて、集められたのは7人。

菅野さんに、喜多方市山都町の浅見彰宏さん、

出版社コモンズの大江正章さん、秋田県立大学教授の谷口吉光さん、

国士舘大学准教授の宮地忠幸さん、CSOネットワーク事務局長の黒田かをりさん、

そして戎谷。

場所は、新宿区・早稲田奉仕園内にある CSOネットワークの会議室。

 

この集まりは何か。

結成趣旨を引用しつつ整理すれば、だいたいこんな感じ。

  循環型地域づくり、地産地消、地元学などが注目を浴びるようになって久しい。

  さまざまな地域で、地域主体の取り組みが行われてきた。

  しかし、東日本大震災・原発事故後の復興では、

  改めて地域づくりのあり方が問われている。

  大規模整備や大型メガソーラーなど、

  住民参加型とはいえない復興の動きが進んでいる。

  TPPに象徴される、国家主権を多国籍企業にゆだねるかのような

  グローバリゼーションの動きが強まる中、

  それでも、働く場をつくり、地場産業を興し、人も暮らしも仕事も豊かにさせる

  輝く地域は、存在する。

  本フォーラムでは、東北を中心に、

  持続可能な経済、第一次産業の経済的自立、都市と農村の新しい関係、

  などをテーマに、広く事例を集め、政策提言も視野に入れつつ、

  地域再生(地域主権) の理論を発展させたい。

 

谷口さんは秋田からネット (スカイプ) での参加。

谷口さんとは、彼が大学院生だった頃からのお付き合いだ。

宮地さんとは初対面だが、

二本松・東和の佐藤佐市さんのところに学生さんたちを連れて、

農業体験や地元の方々との交流を行なってきている方だ。


初会合ということもあって、銘々自由に思うところを出し合う。

調査研究を進め、3年程度を目処に、事例集とともに政策提言をまとめよう、

ということになった。

現状置かれている身からして、どこまでお手伝いできるか心許ないが、

このテーマで声をかけていただいた以上、乗らないワケにはいかない。

地域再生や循環型社会の進め方について、

自身のイメージを発展させることができるような気もするし。

 

早稲田奉仕園という場所も懐かしければ、

夜はまた学生時代にウロウロした高田馬場で一杯やって解散。

 

6月17日(月)。

しばらく前に書いて社に提出してあった

「大地を守る会の放射能対策の経過とこれから」

が、大地を守る会の HP にアップされた。

基準値の一部改定も行なっているので、ぜひご確認ください 。




2013年6月27日

未来のために、オレはやる!

 

この間飛ばしてしまったトピック -その2。

 

6月12日(水)

昨日本ブログに初登場したローソン・山口英樹さんを、

静岡県函南町の (株)フルーツバスケットにご案内する。

ジャムやケーキの工房の他、酪農王国の施設をご覧いただき、

代表の加藤保明さんも交えて、今後の農産加工の展開について意見交換する。

産地を下支えできる農産加工の進め方について。

視察と会談後、

山口さんはさらに焼津のほうに流れ、自分はとんぼ返り。

 

6月13日(木)

福島県須賀川市、ジェイラップ(稲田稲作研究会) を訪ねる。

 

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代表の伊藤俊彦さんの車で回りながら、

去年と微妙に違う様子に、少し胸が震え、慎重に尋ねた。

「田んぼ、増えてない?」

耕作地が増えたんじゃないか、という意味だ。

風景が、美しくなっている。

「 ああ、増えましたね。 俺たちがやってきたことが間違ってないと

 地域の人たちが認めてくれた結果です。」

 


震災と原発事故に見舞われた一昨年は、120 町歩(= ha ) を除染し、耕した。

昨年は 150 町歩の除染に取り組んだ。

ゼオライトをすき込んでの反転耕 (天地返し)。

下に沈んでいたミネラルが表に出てきて、有効土層が深くなった。

堆肥を入れなくても収穫量が伸びた。

反転耕のあとにしっかり踏み込むことで機械も入れるようにした。

 

伊藤さんは地域の指導に呼ばれるようになっていた。

JA や自治体の説明会には顔を出さない地元の人も、伊藤さんの話は聞く。

「もう除染はやらなくてもいい」 という空気が広がる中で、

なぜ徹底する必要があるのかを伊藤さんは説く。

米を売るためだけじゃない。

春先の風が吹く頃に、背の小っちゃな子どもたちが

少しでも吸引して内部被ばくしないために、未来のために、

子孫からよくやったと言われたいために、

良い死に方をしたいために、オレはやる!

 

あの2011年という年の稲作研究会の取り組みに寄り添いながら、

このたたかいは地域を救う道しるべになると、

そう書いたのは、2011年の暮れ のことだった。

あの時の確信通りに進んできている。

いま地域全体での反転耕の実施へと広がり、

市役所がジェイラップへの作業依頼を取りまとめるまでになった。 

 

今日も測定は丹念に続けられている。

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大地を守る会とカタログハウスが提供した測定器が仲良く並んで、

働いてくれている。

 

昨年秋、収穫後の全袋検査を実施したことで終わらせず、 

彼らは今も日々、

精米調整前の玄米 - 精米後の白米、と何度も確かめている。

妥協しない彼らの信念を支えているのは、未来への責任である。

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このご時世にあって、田んぼが復活し、 

美しい風景が蘇っている。 

 

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このプロセスに立ち会っているのは、僕だけじゃない。

食べる人たちの声援もまた、この風景に貢献している。

 

伊藤さんに、一枚の連絡便(会員さんからのお便り) をお渡しした。

「 備蓄米、待ってました!

 福1 の原発事故から 1年、の去年。

 注文しようかどうしようか迷いに迷いました。 申し訳ないですけど。

 でも、カタログを通して、生産者の方々の血のにじむ努力を見て、

 注文させていただきました。

 ふっくら炊きあがったご飯を食べた瞬間、

 注文してよかった、とうるうるしながら思いました。

 今年もよろしくお願いします!!」

 

春先から低温が続き、かつ雨不足もあって、

田植えができなかったという場所があちこちに発生しているなかで、

この地では、希望が蘇ってきている。

美しい田園を支えるのは、何よりも未来への希望なのだ。

 

稲田から帰ってきて、16日の日曜日。

今度は二本松の菅野正寿さんから呼び出され、都心に出かけた。

その話は、次回に-

 



2013年6月26日

「耕す」 農場

 

放射能講座のレポートを続けている間にも、

あちこち出歩いたりもしていて、いくつかトピックを拾っておきたい。

 

一ヶ月も前の話になっちゃったけど、

5月31日(金)、千葉県は木更津にある農場を訪ねた。

名前は、農業生産法人 「株式会社 耕す」 という。 

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ap bank と言えばご存知の方も多いことと思う。

音楽プロデューサーの小林武史さんと Mr.Children の櫻井和寿さん、

音楽家・坂本龍一さんが拠出し合って設立した、

環境プロジェクトに融資を行なう市民バンク。

その ap bank が 2009年、

「融資」 という枠を超えて、プロジェクトそのものに関わる

「明日(あす)ラボ」 というセクションを立ち上げた。

そこで翌10年の3月に設立されたのが、この農業生産法人 「耕す」 である。

 

ご覧の、山に囲まれた盆地一帯が 「耕す」 の農場。

面積にして 30 ha(約9万坪)。 東京ドーム 6 杯分ある。

20年前に閉鎖された牧場の跡地で、

荒地となっていたところを開墾し、農地として再生させるところから始めた。

スタッフは農業の経験もない若者たちである。

 


現在耕作できているのはまだ 4 ha ほどだが、

有機の認証も取得して様々な野菜をつくっている。

大地を守る会では、7月からのナスと

秋に収穫される 「小糸在来」 という在来種の大豆(枝豆) を契約している。

 

写真手前、南側斜面には

発電量 1 メガワットという太陽光発電が設置されている。

太陽電池モジュール 4164枚。 壮観である。

 

農場を案内してくれたのは、

農場長の豊増洋右(とよます・ようすけ)さん (写真左)。

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豊増さんとは、数年前の ap bank fes の実行委員会だったかで

一度会ったことがあるのだが、

彼がここの農場長になっていたとは全然知らなかった。

「 農業経験はまったくなかったです。

 自分から農場をやろうと提案したんです。

 この3年、がむしゃらに勉強しましたよ。」

山本太郎似のマスク全面に、やる気が溢れている。

 

ちなみに、上の写真の右のネクタイの方は、山口英樹さん。

株式会社ローソンの 「エンタテイメント・ホームコンビニエンスグループ CEO補佐」

という肩書きの方。 CEO とは 「最高経営責任者」 の略。

7月には我が社の常勤取締役となる予定である。

ローソンと大地を守る会の事業提携がどんな新しい価値を生み出すのか、

我々の挑戦は静かに進んでいる (わが特販課はまったく静かではないけど)。

 

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プロ農家から見ればもったいないくらいの農地なのだが、

「早く若者を育てられる体制にしたい」

という豊増さんの言葉から、

この国の農業への危機感とともに、方向性も感じさせられる。

実は千葉県は耕作放棄地がどんどん増えている地帯なのだ。

 

この日は、「耕す」 の野菜を引き受けている (株)kurkku (クルック) の

スタッフさんたちも顔を見せた。

こちらも小林武史さんが代表を務める会社で、

表参道や神宮前エリアを中心に 6 店舗のレストランやカフェを運営している。

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しっかり教えてるじゃない、豊増さん。 なかなか。

 

しかしこれだけの農場規模を運営するのは、ただ事ではない。

ap bank の融資がいくらで、返済計画がどうなっているのか、

までは突っ込んで聞かなかったけど、

若者たちのお遊びだった、と言われないよう、頑張ってほしい。

 

とりあえず、いいナスが届くことを祈ってるよ。 

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2013年6月25日

食べて克つ(Ⅲ) -野菜の力で被ばくとたたかう。

 

高橋弘医師のファイトケミカル講座。

話はいよいよ被ばく対策へと進む。

 

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放射線被ばくによる健康障害には、急性毒性と慢性毒性がある。

急性毒性には、消化管壊死による下痢、骨髄不全による鼻血や貧血、

肝不全による黄疸などがあり、放射線を被ばくした直後に起こる。

慢性毒性は被ばくして数年後に起こる健康障害。

その主たるものは発ガンのリスク増加である。

 

外部被ばくでは、被ばく後 2~3年目から 15年頃まで、

白血病のリスクが上昇する。

被ばく後 20年目以降に固形ガン(胃ガン、肺ガン、直腸ガンなど)

のリスクが上昇する。

被ばく者に見られる固形ガンは、非被ばく集団で見られる種類と変わりはない。

ただそれがより高い頻度で発症する。

つまり放射線は自然発ガンを促進させると考えられている。

 

被ばくには外部被ばくと内部被ばくの 2種類がある。

外部被ばくは、放射線源 (被ばくの源となる放射性物質) が

体の外にある時に起こる。

自然放射線の影響もあれば、CT検査でも起きる。

内部被ばくは、呼吸による吸い込み(経気道暴露)、

食べ物や飲料と一緒に口から入る(経口暴露)、皮膚からの経皮暴露などを通じて

放射線源が体内に取り込まれたときに起きる。

その代表例が、放射性ヨウ素131 が甲状腺に取り込まれて被ばくするケース。

皮膚からの取り込みは、皮膚や粘膜が傷ついている場合に起こりやすくなる。

 

放射線は遺伝子を構成する DNA に傷をつけ、

遺伝子の異常が起きることで発ガンのリスクを増加させる。

DNA に対する放射線の作用には、直接作用と間接作用がある。

放射線が物質を通過する際に、特に水を通過する際にはじき飛ばされた電子が

直接 DNA を傷つけることを直接作用と言う。

(放射線自体が DNA を傷つけることは、余程のエネルギーがない限り、ない。)

 

放射線によりはじき飛ばされた電子が水分子と衝突すると、

ヒドロキシラジカルや水素ラジカルと呼ばれる活性酸素が発生する。

これらの活性酸素が DNA を間接的に傷つけることを間接作用と呼ぶ。

 

放射線が DNA に与える影響の 70% は、間接作用によると言われている。

つまり、DNA を傷つけるのは主に活性酸素の仕業であり、

活性酸素を消去することができれば、

放射線による影響の 7割は防ぐことが可能だと言うことができる。

残り 3割の直接作用に対しては、放射線源の除去で防ぐしかない。

ふだんから活性酸素を消去する 「抗酸化力」 を高めることが重要である。

 

そして、仮にガン細胞が発生したとして・・・最後のポイント。

一個のガン細胞が分裂して、見える大きさ(0.5~1 cm) のガンに

成長する(早期ガンの発見レベル) には平均して 9年かかる。

ただ白血病や甲状腺ガンは、3~5年で発症する。

 

したがって、ガン細胞ができても、ガンが成長するまでの数年間で

ガンを攻撃する力、抗ガン作用を高め、免疫力をつければ、

ガンをある程度まで予防することができる。

 

ではどうすれば 「抗酸化力」 「抗ガン作用」 「免疫力」 を

パワーアップできるのか。

その力は、野菜や果物にある。

その成分こそ、ファイトケミカルである。

 

まとめ。

放射線がDNAに与える影響の 70% は

活性酸素による間接作用だと言われている。

活性酸素を除去する 「知恵」 を知っていれば、

放射線による影響の少なくても 7割 は防ぐことができる。

また、1個のガン細胞の芽が分裂を繰り返して

肉眼で見える大きさのガンになるには約 9年かかる。

したがって、ガンが成長する9年の間に

ガン細胞を撃退する抗ガン作用と免疫力をパワーアップすれば、

ガンの成長を止めることも可能になる。

 

野菜や果物に含まれるファイトケミカルには、活性酸素を除去する抗酸化作用、

ガン細胞を殺す抗ガン作用、そして免疫力を高める作用がある。

 

すなわち、体内の活性酸素を除去し、抗ガン作用を高め、

免疫力ををつける 「食の知恵」 を持つことが、

放射線被ばくから身を守ることにつながる。。。

 

ここから先は、高橋弘さんの著書

『ガンにならない3つの食習慣』(ソフトバンク新書)

にて学んでいただければ、と思う。

また麻布医院の HP でも、ファイトケミカルの解説や

スープのレシピががアップされているので、ご参考までに。

 

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質疑では、鉄の過剰摂取に対する関心が集まった。

気になる方は、アーカイブで確かめてほしい。

シジミのみそ汁は飲めば充分であって、具(シジミの身) は食べないほうがいい、

と高橋さんは明言されたけど、貧乏性の僕はやっぱ捨てられない。

 

また、こういうテーマでやると、どうしても個人的症状についての質問が出される。

冷たいようだけど、こういう講座の会場からいきなり相談されても、

その方個人に対する責任ある回答は出しにくい。

信頼できる医者だと思われたなら、ぜひ医院まで足を運び、

診てもらい直接アドバイスを受けるのが一番です。

それから、

「大地の食材は高いので、たまにはスーパーのもので済ませてもいいでしょうか」

という難解な質問は、やめていただきたい。

これは自己責任の問題であって、答えは

「あなたが決めることです」 以外にあり得ないので。

自身の行動判断までアウトソーシング (外部委託) してはいけません。

それはとても危険なことです。

それとも、突き放したりせず、

「私だってコンビニの弁当で済ますことはあります」

と言ってさし上げればよかったのかな。。。

とにかく、売っている立場として、「ああ、いいですよ。 どうぞ」 とは

口が裂けても言いたくない。

 

ファイトは 「たたかう」 ではなく、ギリシャ語で 「植物」 を指す。

この語の意味は深いように思う。

長い長い年月をかけて対応力をつけてきた植物の力こそが、

たたかうエネルギーの本源だとするならば、僕らはもっと、

野菜本来の力を引き出す農の意味を考え、

受け止め直さなければならないのではないか。

 

たどり着いたのは植物の力だった、しかも旬の野菜がイイ!

ファイトケミカルは有機野菜のほうが多い、という仮説を信じて、

食べて克つ!

 

この連続講座も、残るはあと 3回。

さて、どこまで辿りつけるだろうか。

 



2013年6月23日

食べて克つ(Ⅱ)-ファイトケミカルの力

 

高橋弘医師の話は続く。

 

ファイトケミカル成分は以下に分類される。

1.ポリフェノール

  フラボノイド (アントシアニン、イソフラボンなど) と非フラボノイドに分かれる。

2.含硫化合物 (イオウ化合物)

3.脂質関連物質 (カロテノイド類など)

4.糖関連物質

5.アミノ酸関連物質

6.香気成分

 

ポリフェノールは水にもアルコールにも溶けるため、

赤ワインにはアントシアニンが多く含まれる (もっと多いのは紫芋の焼酎だと)。

脂質関連物質は脂に溶けやすいので、

トマトはオリーブオイルで調理するとリコピンが効果的に摂取できる。

バナナの香気成分であるオイゲノールは白血球を増やしてくれる。

だからスィートスポット(黒い点々) が出て匂い立ってきた時が食べ頃ということになる。

このように分類上の特徴を知っておくことは大事である。

 

ではファイトケミカルと五大栄養素とは、どう違うのか。

 

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5大栄養素である糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルは、

体の生存に必要なエネルギー源や体の素材となる。

これに食物繊維を加えると6大栄養素となる。

ファイトケミカルは植物が作る 「機能性成分」 で、

第7番目の栄養素と言われたりするが、

体のエネルギー源や素材にはならないので、正確には栄養素ではない。

 

しかしファイトケミカルは、

栄養素がエネルギーを作る時に発生する活性酸素を無毒化する力があり、

免疫のバランスを調整し、発ガンを抑える働きをする。

いわば、車にとってガソリンが栄養素なら、

ファイトケミカルは排気ガスを中和する機能性成分である。

栄養面での働きでもなく、嗜好面での働きでもなく、

生活習慣病などの疾病を予防する働き。

 

ファイトケミカルには、

抗酸化作用、抗がん作用、免疫力を整える作用など優れた機能があり、

健康の維持や病気の予防に欠かせない機能性成分である。

例えば、ワインに含まれるポリフェノールや

人参に含まれる β ‐カロテンには抗酸化作用、

ニンニクやネギに含まれるイオウ化合物には抗がん作用、

キノコの β ‐グルカンには免疫力を高める作用がある。

その機能こそ、いま私たちの体が必要としているもので、

5大栄養素に匹敵する重要な成分だと言える。

 

抗酸化作用とは、色々な病気の原因になる活性酸素を無毒化させる力。

分かりやすく言えば体を錆びさせない作用である。

活性酸素は、呼吸という生きるための行動によって必然的に産み出される。

そこで発生した活性酸素スーパーオキシドは、

酵素の力さえしっかり働けば無毒化 (中和) されるのだが、

抗酸化力は年齢とともに衰えるし、

活性酸素がその力以上に発生すると働きが追いつかなくなる。

また、活性酸素が処理されるときにできる過酸化水素は、

鉄があるとその触媒作用によって、活性酸素ヒドロキシラジカルをつくりだす。

 

この活性酸素ヒドロキシラジカルは、短寿命であるが酸化力が強く、

スーパーオキシドの数十倍もの毒性を持つ。

発ガンや皮膚の老化、生活習慣病、免疫異常、

あるいはアルツハイマー、神経変性疾患など、様々な慢性疾患の要因となる。

しかも、体内にはこれを分解するシステムがない。

鉄の取り過ぎは要注意である。

しかも日本人は鉄は足りているのだから。

(これにはたくさんの方が驚かれたようである。)

 

抗酸化作用を持つファイトケミカルには、

アントシアニン(赤ワイン、紫芋、赤しそ)、プロアントシアニジン(クランベリー)、

カテキン(お茶)、リグナン(ゴマ)、リコピン(トマト、スイカ)、などがある。

昔からスイカには栄養がない(水と同じ) と言われてきたが、

海水浴から帰って冷やしたスイカを食べると体の火照りや不快感が消えるのは、

紫外線によって発生した活性酸素を中和して炎症を和らげる効果があるためで、

実は理に適っている。

 

抗がん作用を持つファイトケミカルには、

イオウ化合物であるスルフォラファン(ブロッコリー) やアリシン(ニンニク)、

イソフラボン(大豆)、脂質関連物質であるリコピン、

糖質関連物質である β ‐グルカン(キノコ類) や フコイダン(モズク、昆布)、がある。

 

免疫力を整える作用には、

活性酸素から免疫細胞を守る作用、免疫力を高める作用、

抗アレルギー作用や抗炎症作用、などがあり、

それぞれにファイトケミカル成分とそれを多く含む食品が挙げられた。

クランベリー、ブドウ、赤ワイン、玉ねぎ、ニンニク、エビ、金目鯛、鮭、

バナナ、ショウガ、人参、キノコ類、海藻類、、、、。

ここでエビ、金目鯛といった名前が挙がったが、彼らの黄色は

アスタキサンチンというファイトケミカル成分を含んだ植物プランクトンを

餌として食べることによってつくられている。

 

また免疫力は高めるだけではいけない。

アレルギーや炎症などは免疫力が高まりすぎて起きているもので、

その場合は適度に押さえる必要がある。

抗アレルギーや抗炎症作用を持つファイトケミカルには、

プロアントシアニジン(クランベリー)、ルテオリン(ピーマン)、ケルセチン(玉ねぎ)、

ヘスペリジン(ゆず、みかんなどの柑橘類)、ジンゲロール(バナナ)、など。

ファイトケミカルの多い果物は、

キウイ、バナナ、グレープフルーツ、マンゴー、ブドウ、オレンジ・・・

よく見ると、入院された患者さんの見舞いに持って来るものが多い。

人は体験的に感じ取っているのでしょうか、と高橋さんは含みのあることを言う。

 

さて、効果的なファイトケミカルの摂取法だが、

ファイトケミカルは加熱しても壊れない安定的な物質が多い。

野菜のファイトケミカルは、セルロースでできた細胞膜や細胞の中にあり、

細胞膜を壊さないと効果的に摂取できない。

それには圧搾やすりつぶすなどの方法があるが、

一番簡単な方法は、加熱することである。

野菜を煮出した場合、ファイトケミカルの 8~9割が

煮汁(スープ) のほうに含まれる。

煮て、スープにすることによって有効成分を無駄なく摂取することができる。

 

生野菜ジュースも良いが、野菜スープだと 10~100倍の抗酸化作用を得られる。

野菜は 「熱を加えるとビタミン類が破壊される」 と言われ、

サラダとして生で食べることが勧められてきたが、

抗酸化力の面では加熱してスープを摂ったほうが効果的である。

(要するに、いろんな調理法で食べるのがよい、ということである。)

 

またファイトケミカルとは、

植物が紫外線や害虫から身を守るために合成している物質であるため、

日光を多く浴びた野菜、すなわち露地栽培の旬の野菜に豊富に含まれている。

旬の野菜を食べるということは、この意味においても正しい。

 

そこで、高橋先生おススメのファイトケミカル・スープが紹介される。

材料は、キャベツ・玉ねぎ・人参・かぼちゃ。

水で煮るだけ。

これを基本として、様々なバリエーションを楽しむ。

このスープを毎日摂ることによって、

白血球が増える、高脂血症や脂肪肝炎が改善される、そして体重が減る。

 

高橋先生がファイトケミカルスープにたどり着いたのは、

ガン患者さんの家族の 「何を食べさせたらいいのか」 という悩みに応えるために

研究してきた結果だった。

抗がん剤を使ったり、肝炎の患者にインターフェロンを使うと白血球が減少する。

そうなると治療を中断しなければならなくなる。

これは命に関わることである。

しかし、ファイトケミカルスープによって白血球が戻る。

野菜や果物の力によって。

 

重要なことは、

ファイトケミカルは人間にはなく、植物だけに生成される成分であるということ。

人間はファイトケミカルを作れない。

植物は紫外線や活性酸素から身を守るために、

何億年という年月をかけてファイトケミカルの遺伝子を獲得したのだ。

したがって私たち人間は、

野菜や果物を食べることでしかファイトケミカルを摂取することができない。

 

ファイトケミカルは今後、

私たちの食生活に革新的な変化をもたらす機能成分であると言える。

ただ長生きするだけでなく、

「元気でいつまでも若々しく」 生きるための一つの鍵がファイトケミカルである。

 

しかもファイトケミカルは野菜や果物の皮や種にふんだんに含まれているので、

食物を丸ごと使用することになり、

エコノミカルであると同時に、エコでもある。

 

ファイトケミカルはまた、新鮮な旬のものにたくさん含まれている。

したがってファイトケミカルに注目することは、

地元産や国産の野菜・果物が良い、ということになる。

地元・国内の生産者を応援することにもなり、自給率の向上にも貢献できる。

 

ファイトケミカルは、私たちの食生活だけでなく、

生き方や社会全体を変える可能性を秘めている。

 

これを高橋先生は、「ファイトケミカル革命」 と呼んだ。

 

フーッ。 今日はここまで。

 



2013年6月22日

食べて克つ! -放射能連続講座Ⅱ-第4回

 

特販課の設置から1ヶ月半、体力というより気の疲労が溜まってきたか、

書くという行為に集中できない。

報告したいこと、伝えたいことは日々積まれていくのに、 

夜の気力があと一歩、続かない。

仕事のペースさえつかめば復活できるのだろうが、

追いかけられたり、追いかけたり、焦ったり、さじ投げたり、で。

 

そんな調子だけど、せめてこの土日のうちに、

高橋弘さん講座を、行けるところまで書き進めておきたい。

 

6月9日(日)、大地を守る会の放射能連続講座Ⅱ-第4回。

『食べて克つ! 毎日の食生活で免疫力を整える 』

講師=麻布医院長・高橋弘さん。

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会場は、日比谷図書文化館コンベンションホール。

定員 207名のところ、申込者数がなんと 207人。

神のお導きか・・・ と、全員受け入れることができた。

( 実際には当日の欠席がけっこう発生した。 主催者としてはこれが一番こたえる。 ) 

 

さて、高橋弘医師によるファイトケミカル講座。

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高橋さんが用意された今回の話のポイントは、3つ。

1.ガンのリスクは放射能だけではないこと。

2.健康な食生活を維持するために、何を、どう食べるか。

3.放射能汚染による内部被ばくから身を守るための、

  日々の食生活 (食習慣) について。

 


日本人の死因のトップは 「ガン」 である。

日本人の 2人に 1人はガンになり、3人に 1人がガンで亡くなっている。

( 6人いると、3人がガンになり、2人がガンで亡くなるという計算。)

1975 年頃までは脳血管疾患が死因のトップだったが、

以後、ガンがトップになる。

 

発ガンの原因は、喫煙、感染症、飲酒、地理的要因(自然放射線も含まれる)、

環境汚染、食品添加物などが挙げられるが、

最大の要因は 「食事」 にある。

 

日本ではガンが増える一方であるが、

アメリカではひと足先にガンの死亡率の増加が深刻化した歴史がある。

1960 年代後半には、ガンや生活習慣病の増大により

国民の医療費が膨れ上がっていて、

国民一人当たりの医療費は世界一、平均寿命は 26位という

悲惨な状態に陥っていた。

 

そこでニクソン政権時代の 1968年、栄養問題特別委員会が設置される。

委員長に任命されたのが、ジョージ・S・マクガバン上院議員。

そして 1977年 2月、かの有名な 「マクガバン・レポート」 がまとめられた。

 

レポートの肝は

「 アメリカ人の多くの命を奪っている疾患 (心疾患、ガン、高血圧、糖尿病、肥満、その他)

 は、食事と関係している」 ということだ。

そして、脂肪の過剰摂取、砂糖(精製された砂糖) と塩分(NaCl) の過剰摂取が

これらの病気に直結していることが指摘された。

当時はまだ、生活習慣病という言葉はなかった。

 

炭水化物や脂肪、砂糖、塩分などの具体的な摂取数値目標が示され、

食生活への関心がアメリカ人の間に広がり、

食事を通じて病気を予防する研究や取り組みが盛んになる。

治療ではなく、予防を重視する対策へと動き出したのだ。

しかも調査では、1960年頃の日本人の食事こそが理想に近いもの

と報告されたことで、日本食やマクロビオティック食が注目されるようになった。

 

しかし、マクガバン・レポートの発表後も、実はガンは増え続けた。

そこで委員会は次に、国立ガン研究所 (NCI) に、

食事とガンとの関係の研究を依頼した。

 

数々の疫学調査の結果から、

ガンの原因の 3分の 1以上は食生活に由来すると考えられた。

一方で、日常食べている野菜や果物などの植物性食品に、

ガンを予防する効果のある物質が含まれることも明らかになってきた。

 

1990年、NCI は

「ガンを食事で予防できるのではないか」 という仮説を立てて、

新たなプロジェクトを開始した。

ガン予防のための国家プロジェクト 「デザイナー・フーズ計画」 である。

様々な分野の研究者が参加し、

「どの植物性食品がガンを予防する可能性が高いか」

についての研究が精力的に進められた。

 

膨大な量の疫学調査データから、

ガン予防に効果のある食品および食品成分 40 種類がピックアップされ、

その重要度に合わせてピラミッド型の 「デザイナー・フード・リスト」 が作成された。

 

ピラミッドの頂上部分の栄誉に輝いたのは、

ガーリック、キャベツ、カンゾウ(甘草)、大豆、しょうが、セリ科(人参、セロリなど)。

次のグループに入ったのは、

玉ねぎ、茶(緑茶)、ターメリック、全粒小麦、亜麻(リネンの種)、

玄米、柑橘類、ナス科、アブラナ科。

 

人参やキャベツ、セロリ、玉ねぎなど日常的に摂取される野菜類に、

ガン予防の力がある、これは非常に重要なことである。

一般的に、野菜は淡色野菜より緑黄色野菜のほうが健康的と思われがちだが、

淡色野菜にも強いガン予防効果があることが示された。

「デザイナー・フーズ・リスト」 に上げられた食品は、

ガン予防以外にも、免疫力を整え、生活習慣病を防ぐ作用がある。

 

研究成果とともにアメリカ人の野菜・果物摂取量は増え、

1995 年には、一人当たりの野菜消費量が日本人を上回った。

アメリカ人は肉ばかり食べていると思われがちだが、

今では日本人より野菜を食べている。

 

1990年を境に、アメリカではガン罹患率も死亡率も、下がり始める。

わずか 10 年余りの間に、

アメリカ人は野菜と果物の恩恵を享受するようになった。

政府と民間団体が協力して取り組んできたことによる一大成果だった。

 

かたや日本では、野菜の消費量は減少傾向にあり、

ガンによる死亡率は今も上昇し続けている。

 ( たしか、先進国では唯一上がっている国だったと思う。)

 

さらに野菜の中身である成分に関しても研究が進み、

ファイトケミカルと呼ばれる植物由来の成分に、

抗ガン作用、抗酸化作用、免疫力を整える作用があることが明らかになってきた。

 

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ファイトケミカルといっても、" たたかう化合物 "  という意味ではない。

ファイトとは、ギリシャ語で 「植物」 、ケミカルは 「化学物質」。 

「植物がつくる機能性成分」 を指す。

紫外線により発生する活性酸素や、害虫などによる危害から身を守るために

植物がつくり出す成分。

それは移動することができない植物にとっての、生存戦略から生み出されたものだ。

特に、厳しい環境下で子孫を残していくために託された 「種」 には、

大量のファイトケミカルが蓄えられている。

 

ファイトケミカルの 9 割は野菜や果物など植物性食品に含まれ、

その数はおよそ 1 万種類以上あると考えられているが、

現在見つかっているのは数千種類である。

 

ファイトケミカルは、私たちが普段から

野菜や果物の色や香り・辛み・苦みとして感じているもの。

私たちの目を楽しませてくれるカラフルな色合いは、

ビタミンカラーなどと呼ばれることがあるが、ビタミンの色ではなく (ビタミンは無色)、

ファイトケミカルの色である。

 

ファイトケミカルの代表例を挙げれば-

 ・ 赤ワインに含まれるポリフェノール

 ・ スイカやトマトに含まれる赤色成分であるリコピン

 ・ 大豆に含まれるイソフラボン

 ・ ゴマに含まれるリグナン

 ・ お茶に含まれるカテキン

 ・ 人参に含まれる β-カロテン

 ・ ブルーベリーに含まれる色素のアントシアニン

 ・ 柑橘類の苦みや香りの成分であるテルペン類

 ・ バナナに含まれるオイゲノール(香気成分)

 ・ 淡色野菜に含まれるイオウ化合物類

 

続く。



2013年6月 8日

CSR 総会から

 

今日は 「大地を守る社会貢献活動(CSR) をすすめる会」

2013 年度の総会が開かれた。 

 

1975 年に設立された市民運動団体(NGO) 「大地を守る会」 は、

3 年前の 10 月に(株)大地を守る会と統合し、

上記の 「(CSR) をすすめる会」 に衣替えして活動を継続してきている。

そこで 「総会」 も NGO 時代から続いてきたスタイルを踏襲して開催されてきた。

 

NGO 大地を守る会が、発展段階に入った流通事業部門を

株式会社に独立させたのが 1977年。

以来、「運動と事業は車の両輪」 と標榜しながら運営してきたのだが、

統合の際には、それを改めて内部に一本化する、と宣言した。

NGO の理念を、憲法のごとく、会社の定款の前文に据えて。

僕はこの一連の流れを、「運動部門を事業のエンジンに組み込んだ」 と表現した。

今もその思いは変わらずにある。

 

ただし、時代は変わっていくのである。

NGO 時代に理事だった僕は、統合とともに

「すすめる会」 の運営委員へとスライドされたのだが、

昨年の総会をもってその席を後輩に託した。

我らがエンジンは日々進化しなければならない宿命を負っている。

したがってそれは職員一人一人のハートのなかに存在しなければならない。

運営委員という無報酬の仕事は、

多くの職員が経験したほうがいい、と思ったのだ。

 

ま、そんなワケで、今年の総会は出番もないだろうと、

とても気楽な気分でいたのだが、

今年から、活動報告はそれぞれの担当から発表してもらう、

というスタイルに変えるとのお達しが出た。

「大地を守る会の放射能問題への取り組み」 はエビがやれ - と。

 


もちろん自分で書いた活動報告と方針なので、

発表自体は全然 OK なんだけど、

やっぱ人前に出るのと出ないのとでは、気の持ちようが違ってくる。

緊張もするし。。。

 

内容にはそれなりの自負もあって、

喋る以上は 30 分は欲しいところだが、持ち時間は 3 分。

嫌がられるのを承知で、時間切れのチン! が鳴らされるまで

語らせていただいた。

 

放射能の昨年度の測定件数は、5,844 件。

毎週の配布物 「HAKATTE」 と HP で結果を公開する体制を継続させた。

放射能連続講座を 6 回開催。

講師の選定には気を使ったが、できるだけバランスよく選んだつもりである。

かつ歴史認識を新たにする意味で

耳を傾けるべき人をお一人含ませていただいた。

お陰さまで継続希望も多く、今年の第 2 クールへとつながっている。

 

生産地での除染対策支援では、

須賀川市・ジェイラップ (稲田稲作研究会) の取り組みは

特筆すべき成果を上げてくれた。

貴重な社会資産を残したと言っても過言ではないと思っている。

これも震災復興基金の力で、測定器を無償貸与できた力が大きい。

 

生協など 4 団体に呼びかけて結成した

「食品と放射能問題検討共同テーブル」 では、

延べ 2 万件を超えるデータを持ち寄って分析を進め、

震災後丸 2 年を経た今年の 3月11日 、

規制値や政策の見直しを求める 「提言書」 を政府に提出した。

 

基本とした姿勢は、

『食品の安全基準は、食べる人を守るためにある』 である。

リスクに対しては、可能な限り 「予防原則」 の立場に立つべきであり、

仮に規制値を超えた生産物・生産地に対しては、

国の責任をもって対策を講じ、支援する。

そういう仕組みを整えてこそ、食への信頼が回復されると信じるものである。

メディアからの反応も高く、雑誌での討論に呼ばれるなど、

一定の社会的発信はできたと思う。

 

「放射能対策特命担当」 を拝命してより

一貫して心掛けてきたことは、大地を守る会の行動が、

民からの取り組みとしてのひとつのモデルに、

あるいは行動規範やモノサシとなるような、

そんな活動にしなければならない、ということだった。

 

できなかったことはたくさんあるし、反省点も多いけれど、

まあ頑張ったよ、とは言わせてほしい。

 

この仕事には、終わりがない。

いずれ 「特命担当」 という非常時のような肩書きがなくなり、

大地を守る会を退職する日が来ても、

いったん背負ってしまったこの荷物は、もはや捨てられない。

河田昌東さんが言った 「忘れないこと」 、それは未来への約束だから。

胸にしまった以上、背負い続けて生きていくしかない。

 

総会議案書の項目からなくなっても、この仕事は終わらない。

それくらいの構えは持っているつもりである。

 



2013年6月 7日

連続講座・最終回(予告) -鎌田實さんが語る 『希望』

 

昨年から続けてきた 「大地を守る会の放射能講座」 も

河田昌東さん講座で 9 回めとなって、

残りはあと 3 回という計画だったのだけど、

ずっと返事を待ち続けていた方から、

「10月のこの日でよければ」 の返事が届いた。

長野県諏訪中央病院・名誉院長の、鎌田實さん。

 

 

というワケで、連続講座Ⅱシリーズ第6回を 8 月にやったあと、

最後にこの人に締めていただくことにした。 

題して、

『鎌田實さんが語る、希望 ~子どもたちの未来のために~』。

サブタイトルは、37年間、大地を守る会が掲げてきたスローガンである。

 

日程は、10月4日(金)、13:30~15:30。

会場は、千代田区立日比谷図書文化館・コンベンションホール。

参加費は、大地を守る会会員=無料。

会員外の方には恐縮ですが、資料代として 500 円をお願いいたします。

(駆け込み入会、大歓迎です。)

申し込み受け付けは、

会員の方には毎月配布している 『NEWS 大地を守る』 9月号にて。

一般の方には、9月初旬に 大地を守る会の HP にて告知します。

 

地域医療のパイオニアであり、

長くチェルノブイリへの医療支援を続けてこられた

鎌田實さんが語る  " 未来への希望 " 。

 

悲惨な原発災害を経験してしまった私たちは、

この困難をどう乗り越え、どんな希望を未来に残すことができるのか。

講座を締めるにあたり、

明日からの生きる力を、皆さんと一緒に分かち合いたく思います。

たくさんの方々の参加をお待ちします。

 



2013年6月 4日

未来のために、忘れない -河田講座レポート③

 

河田昌東さん講座レポートを終わらせたい。

残るは内部被ばく対策の話。

 

個人での対策。

その1。 粉じんを吸わない、汚染したものを飲まない・食べない。

(汚染しにくいものを選ぶ。)

その2。 飲料水は、深い井戸水なら問題ない。

(今は、飲料水からは検出されてないが、

 今後の河川からの影響は未知数=継続調査が必要、と河田さんは慎重である。)

調理での工夫も有効なものがある。

よく洗う、煮る、酢漬けにする。

旧ソ連ではいろんなものを酢漬けにして保存する文化があり、

半分くらい減ることが確かめられている。

 

その3。 被ばくの影響を減らす。

放射性セシウムを吸着し、体外に排出する効果を持つものは、

ペクチン(多糖類、パンを食べる時はジャムを一緒に)、

キチン・キトサン、ゼオライト、など。

キノコにはキトサンが大量に含まれているので、

汚染されてないキノコは逆に推奨品である。

 

放射線の影響は、直接的に遺伝子を傷つけるだけでなく、

体細胞の 8-9 割を占める水の分子を破壊して

フリーラジカル(活性酸素や活性水素) を作るという間接的影響がある。

活性酸素には抗酸化作用物質を摂取することが有効。

ビタミンA・C・E、 β カロチン、カテキン(ポリフェノール類)、

ペクチン、そして醗酵食品。

日本には、ラッキーなことに醗酵食品の文化がある。

チェルノブイリ原発事故の後、味噌を大量に輸出した実績もある。

(やっぱ、味噌汁だね。)

 


セシウム137 を 一日 1ベクレルで摂取し続けた場合、

蓄積と排出を繰り返しながら、

幼児だと 100日 くらいで 30 ベクレルの蓄積量でピークを迎え、

そのまま平衡状態になる。

成人だと約 600日 で  140 ベクレルくらい。

排出速度(生物学的半減期) も子どものほうが早い。

1歳児で 13日、10歳児で 50日、15歳以上では 90~100日 で半分に減る。

 

内部被ばくのリスクについては、対立する二つの概念がある。

ひとつはICRP(国際放射線防護委員会) の見解。

外部被ばくと同様にシーベルトで評価し、「1mSv 以下なら安全」 というものだ。

(日本政府もこの主張に沿っている。)

セシウム137の 1mSv をベクレルに換算すると、76,900 Bq(全身量) になる。

 

一方で、体に溜まったセシウムのベクレル数で評価する考えがある。

亡くなった1500人の臓器を詳細に調べた

ベラルーシのユーり・バンダジェフスキー医師らは、

50 Bq/kg(体重) 以上は危険と主張している。

体重 50kg の場合だと、2,500 Bq。

この見解にしたがえば、76,900 Bq (1mSv)/体=1,538 Bq/kg

という数値は 「危険水域」 となる。

 

どちらを採用するかは、それぞれの考え方次第である。

私はバンダジェフスキーの主張を支持したい。

 

内部被ばくのリスクを避けるための参考値として、

河田さんは1日摂取量を 10 Bq 以下に抑えることを提唱する。

それだと、乳幼児で 30 Bq、大人で 28 Bq (ともに /㎏) で平衡状態になり、

バンダジェフスキー医師の指摘する数値を下回ることができる。

 

この場合、摂取する量も頭に入れて判断してほしい。

例えば 200 Bq/kg の梅干しがあったとして、

1個 1g の小梅なら 摂取量は 0.2 Bq である。

この場合、梅干しから得られるメリットの方が大きいと考えたい。

 

さて、日本の食品の基準値について。

この表は、ウクライナの基準と日本の基準を比較したもの。

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真ん中の列は、最初の暫定基準値。

 

日本の基準値は、分類が大ざっぱすぎるというのが河田さんの指摘である。

また、今はほとんどの食品が下がってきているのだが、

高いレベルのままだと、かえって風評被害の原因になる可能性がある。

基準はもっと下げるべきである、と河田さんは主張する。

 

チェルノブイリの経験で得たことは、

内部被ばくの影響によって発生した疾病は、

子どもの甲状腺ガンだけではない (これだけが公式に因果関係が認められている)、

ということだ。

心臓病、脳血管病、糖尿病、先天異常、免疫力低下など

様々な病気が発生している。 

実は、ガンは 10% 以下である。

ガンや白血病は、放射線による病気の一部に過ぎない。

 

私たちはすでに、非常に厄介な社会の下で暮らしている。

様々な情報を集め、自身で判断し、

日常生活の中で被ばくを減らす努力をしていくしかない。。。

 

以上。

質疑は省かせていただき、

最後にいただいた河田さんのコメントを記しておきたい。

 

  大切なことは、忘れないこと、です。

  福島もアベノミックスの陰に隠れて、

  まるで過去のことになりつつあるかのようですが、

  けっして、忘れないこと。

  当事者と周りのギャップが大きくなっていってることが気がかりです。

  チェルノブイリ原発事故から 27 年経っても、

  ナロジチの人たちにとっては、日々が昨日の続きなんです、ずっと。

  何度行っても、彼らから出てくる言葉は、

  「私たちを、忘れないで」 です。

  忘れないこと。

  それが今後の事故を抑止することにつながるし、

  被災地を支援することになります。

  どうか、よろしくお願いします。

 

河田さんの話を通しで聞きたい方は、

大地を守る会の HP にアーカイブをアップしておりますので、ご確認ください。

⇒ http://www.daichi-m.co.jp/cp/renzokukouza2/

 

レポートを書き終えたと思ったら、もう次回が迫ってきている。

焦るね、ホント。

   



2013年6月 2日

生き物たちに囲まれて、田の草取り

 

講座レポートの途中だけど、本日の報告を。

 

今日は都内・芝公園で

『つながろうフクシマ! さようなら原発集会』 があるのだが、

心の中で連帯しつつ、千葉県は山武の田んぼに向かう。

先月植えた田の、大事な草取り作業が設定された日でもあるので。 

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伸び盛りのイネがドロオイムシに吸われている。 

ここが我慢、耐える時期。

頑張れ、頑張れ、と声をかけながら、草を取るのである。 

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心配していた雨はなく (本音は欲しいところなのだが)、

ちょうどいい天気になった。

いつものことながら、田植えより若干減るも、

集まってくれた参加者たち。 

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さあ、やるぞ、って感じ。

 


「 無農薬での米づくりは、この時期の草取りが大事なポイント。

 頑張って取ってください。」

 -地主、佐藤秀雄さんから挨拶と簡単な説明。

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昔からある除草機、田車(たぐるま) での実演をするのは

綿貫直樹さん。

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イネは害虫(という虫はいないのだけど) だけでなく、

雑草(という草はないけど) ともたたかっている。

 

虫たちもまた、命がけの繁殖期を迎えている。

卵を背負ったコオイムシ・・・卵が開いているように見えるのは、

もしかして孵化したあと? 

あとでハカセに聞いてみよう、と思いながら忘れた。

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コオイムシは、準絶滅危惧種にリストアップされている。

そしてこちらは絶滅危惧種、千葉県では最重要保護生物に指定されている

イチョウウキゴケ。 

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コケ類のなかで、唯一水の中で浮遊して生活する種。 

こういった絶滅が危惧されている生物が、

この田んぼでこれまで 7 種類発見されている。

生き物たちは食い合いながら共生関係を結んでいて、

その種の豊富さ(生物多様性) とバランスによって

環境の安定が支えられている。

 

無農薬・有機農業はその生命(=資源) 循環を大事にしながら、

持続的に命の糧を生産していく21世紀の技術である。  

「有機農産物」 にはJAS制度による認証が義務づけられているが、

生き物の豊富さこそが証明だと言う人がいる。

その視点には、僕も共感する者である。

 

有機農業での雑草対策もこの20年くらいでずいぶんと進化して、

今やいろんな技術があるのだが、

この体験田では、紙マルチを使う以外は、

基本である手取り除草でやってもらう。

そのほうが、田んぼがより近いものになる。

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仲良く、ね。 

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最初は泥を怖がる子もいるが、

慣れると、みんな 「気持ちイイ」 と言ってくれる。 

 

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草を取っているようで、

虫が目当ての子たちもいる。 

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イネを踏まれては困るんだけど、

まあ貴重な田んぼ体験、楽しんでくれていい。

そこは大らかに、大らかに・・・

   

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無事、作業終了。 

イネも喜んでくれているような姿に見えてくるから、

不思議だ。

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昼食後は、人気の陶(すえ) ハカセによる 「田んぼの生きもの講座」。

いろんな種のいろんな生態が語られ、子どもたちは食いつき、ついには-

ボクらはみんな生きている~ ♪ 

 

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お絵かきコーナー。

稲刈り後にどんな絵が完成するか、今はまだ誰も分からない。 

 

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緑の中で、虫との触れ合いに熱中する。

そういう時間が、子どもたちにはゼッタイに必要だと思う。

 

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ハカセがヘビをつかまえて、田んぼで泳ぐところを見せてあげると、

子どもたちを引率する。 

ヘビはダメだ。 子どもの頃からダメだった。 

田舎の実家では、夏の夜になると、光に集まってくる蛾をヤモリが食べ、

そのヤモリにヘビが喰らいつく場面などを窓の内側から見ることがあった。

ヤモリは家の中にもいて (まるで東南アジアだ) 平気だったけど、

しかしヘビとは間近で遭遇すると必ず鳥肌が立った。

ワタクシには、とても真似できない。

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最後に、みんなで手をつないで田んぼを囲む。

今年は輪にはならなかったけど、いい風景です。 

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一斉に手を伸ばして、虫たちも一緒に、今年も叫ぼう。 

僕らの田んぼは、美しい!

 

今年は梅雨入りが早いと言われた。

麦の刈り入れ時が気になる、麦秋の季節。

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山武は人参の産地だが、

「良い人参を作るには、輪作体系に麦を組み入れる」

とベテラン有機農家から教えられたことがある。

農作物を目の前のお金だけで計るような経済原理だけで考えていくと、

こういった知恵や技術は捨てられかねない。

土を痩せさせることは、生態系を細らせることでもあって、

それは恐ろしく不経済で不健康な世界につながっていくのだが。。。

 

農を守ることは、消費者の安全保障に欠かせない事柄だったはずなのに、

この国では 「農民」 は孤立し、絶滅に向かっているとさえ言われる。

 

頑張ろう! 有機農業。

 



2013年6月 1日

未来のために -河田講座レポート②

 

まったく書く時間がなくなってきているので、

余計な近況報告や独り言はやめて、先を急ぎたい。

河田昌東さんの話。

 

ゼッタイに起こしてはいけない原発事故だったが、

起きてしまった以上、チェルノブイリの経験をどう生かすか、

私たちに何ができるのかを、河田さんたちは悩み、考えた。

そして原発事故から一ヶ月後、

「チェルノブイリ救援・中部」(以下 「チェル救」 と省略) は

バスを仕立てて南相馬市を回った。

 

南相馬は地震と津波と原発事故という3重苦にあって、

大変な混乱をきたしていた。

市長とも会見するが、市に測定器が一台しかないため

汚染の実態が把握できず、

何からどう手を付けていったらよいのか、つかめずにいた。

そこで依頼を受け河田さんたちが始めたのが、

市内全域の放射線測定と食品や水などの測定サービス、

そして測定器の貸し出し。

測定サービスもするが、

自分たちで身の回りのものを測れるようにすることが大事だと考えた。

 

配布した測定器はウクライナ製。

ずっとチェル救が支援してきたウクライナから、

今度は我々が助ける番だと支援の申し出があって、

測定器がほしいと頼んだところ、

あっという間にカンパが集まって、125台もの測定器が届けられたという。

(この2年、僕らはこういう信頼の輪を築いてこれただろうか・・・

 身を守ることも大切だが、未来のための作業も欠かせない。)

 

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放射線測定では、市内全域を 500m メッシュで区切り、

汚染マップを作成した。

そして同一地点で半年ごとに定点観測を実施し、変化を見るようにした。

測定は現地住民と共同で行なった。

 


測定は2011年6月から開始され、今年4月までに5回行なわれた。

毎回測定ポイントを増やしてきて、4月は 966ヶ所 で実施している。

そこで見えてきた変化は、

物理的半減期より 2 倍以上速いスピードで線量が低下してきていることだった。

最新のデータでは、年間 1mSv 以下の地点が半分以上になった。

5 mSv 以上がまだ約 6% 残っているものの、

こういう現実を知ることは、住民にとって気を落ち着かせる大事な要素であり、

心強い支援になっていることだろうと思う。

 

福一の事故では、セシウム137 と134 はほぼ同じ量が放出されたと見られている。

半減期2年の 134 はすでに半分になっている。

それが総量の減少につながっているわけだが、

しかし半減期が短いということは、

そのぶんエネルギーが大きいということでもあり、けっして良いことではない。

半減期 8 日のヨウ素のエネルギーはさらに高く、

その影響はグレーのまま残っている。

継続的な健康調査がなされなければならない。

 

測定第3期(2012年4月) と 第4期(2012年10月) を比較すると、

低線量域が拡大している。

雨によって流れただけでなく、土壌の遮蔽効果によって

空間線量が低下し、内部被ばくのリスクを下げていることが読み取れる。

(土は偉大だ。 除染の意味もここにある。)

山側をのぞいて、住んでもよいレベルにはなってきている。

 

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食品などの測定サービスでは、2011年6月に

放射能測定センターを立ち上げた。

ポイントは住民が自ら判断できるようにすること。

そのためのアドバイスをするのが我々の役割だと、河田さんは語る。 

測定員は現地ボランティア10名。

これまでで 3200 件くらいの検査を実施してきている。

 

野菜類の測定結果では、87 %が 25 Bq 以下というデータが得られている。

チェルノブイリに比べて相当に低い。

これは土壌の性質による。

できるだけたくさん測ることで、高い(吸収しやすい) もの、低い(吸収しにくい)もの

が分類できるようになる。

栽培の時期や部位によっても濃度は違う (里芋の芋は低いが茎は高い、など)。

こういった解析によって、栽培可能な品目が見えてくる。

 

果物では、柑橘類・栗・柿・キウイ・ブルーベリー類が比較的高く出たが、

飛んで来た時に葉があった常緑樹や樹皮に凹凸がある樹種である。

落葉果樹でもその時に葉があれば高く出る。

汚染の低かった果物は、林檎・桃・梨・スイカ。

しかし落葉果樹でも、今後の土壌からの影響は油断できない。

落ち葉が腐葉土化していくと根からの吸収があり得る。

チェルノブイリでも、森の汚染はなかなか減らなかった。

時間の経過とともに、汚染の循環(葉 → 土 → 根から吸収 → 葉) が始まる。

 

果樹園での除染では、表土剥離試験で有効性が確かめれらている。

すべての園地でできるものではないかもしれないが、

今後の推移次第では、考慮しておかなければならないのではないか。

 

コメについては、この2年でほぼ対策が見えてきている。

高い濃度で検出されたのは、山の水が直接入るところ、カリウム濃度が低い田んぼ。

須賀川市のジェイラップ(稲田稲作研究会) が取った対策は

素晴らしい結果を生んでいる。

玄米から白米にすると、セシウム濃度はほぼ半分になり、

炊飯するとさらに10分の1 程度に下がる。

白米で食べる場合は、すでに問題になるレベルのものはないと考える。

玄米の場合は、測定結果をたしかめて選ぶこと。

 

また、モチ米は非常に低いというデータになっている。

低アミロース米は低いと考えられるが、

断定するにはまだデータを蓄積する必要がある。

これから濃度が上がるような田んぼでは、

水(正確には懸濁水) 対策が必要となる。

ゼオライトの有効性が確かめられているが、もっと良いのはモミ殻である。

モミ殻はゼオライトの 15 倍の吸着能力がある。

(これらの知見や成果の獲得は、

 有機農業者たちの探究と実践の賜物だと僕は思っている。)

 

魚では、淡水魚はまだ高い濃度で検出されている。

南相馬には川魚漁を営んでいた漁師さんたちがいたが、

悲しいことに経営は成り立たなくなってしまった。

 

野草や雑草で高く出るものがあるが、

それはかえって除染植物として使える可能性がある(バイオレメディエーション)。

 

土壌からの除去という点だけで言えば表土剥離が一番なのだろうが、

それが困難な場合でも、汚染しにくい作物を植える、

カリウム施肥やゼオライト投入などで汚染の抑制をはかる、

吸収しやすい作物(植物) で土壌浄化をはかる(菜の花プロジェクトなど)、

非食用作物の栽培でバイオエネルギーを生産する、

などなど、いろんな工夫で地域の復興を目指していきたい。

 

最後に、暮らしの中での被ばく対策について。

すみません。

今日はここまで。

 



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