2013年7月 3日アーカイブ

2013年7月 3日

今年も元気 で "たべらんしょ"

 

時候は梅雨の真っ只中にあっても、

夏野菜の畑仕事はいよいよ忙しくなってくる。

そんな折に、いよいよ夏近しか、

と僕らにスイッチを入れてくれるのが、会津からの便りだ。

「あいづ耕人会たべらんしょ」 の浅見彰宏さんから、

「会津の若者たちの野菜セット」 の予告に入れるメッセージが届いた。

ひと足早く、全文一挙掲載といきたい。

 

  震災から3度目の夏を迎えようとしています。

  畑では、3月11日に希望を込めて播いた野菜たちがすくすくと育ち、

  収穫の時を待っています。

  夜になると、田んぼの周りではすべての音がかき消されるほどの

  カエルの大合唱に包まれ、ホタルが盛んに飛び交っています。

  以前なら当たり前に感じていた農村の風景が、

  震災後はとても有難いものに感じられるようになりました。

 


  しかしこの2年余り続いている福島の農家の苦悩は、

  相変わらず解決の糸口がつかめていません。

  幸いなことに、放射能の農作物への移行は、

  一部のものを除きほとんどないことが判ってきました。

  これは予想を超えた土の放射能を固定する能力のおかげであると同時に、

  農家が汚染を真摯に受け止め、

  作物への移行を防ぐための栽培技術を、

  研究者と連携しながら追求してきた結果でもあります。

 

  しかし残念ながら今でも福島県産の農産物を敬遠する消費者は多く、

  市場価格も低迷しています。

  努力が報われない。

  思いが伝わらない。

  これこそが福島の農業、農家を苦しめ、

  そして農村を崩壊へと向かわせるもっとも危険な因子です。

 

  どうしたらこの状況から抜け出せるのか。

  それは福島のことをより多くの方に知ってもらうこと、

  福島をもっと身近に感じてもらうことしかないと、

  私たちは思っています。

  新しいつながりを創る。

  福島から新しい農業のあり方を発信する。

  それが私たち 「あいづ耕人会たべらんしょ」 の新たなる目標です。

  

  今年もまた大地を守る会のご協力を得て、

  セット野菜を皆さんにお届けできることとなりました。

  ただ、私たちは単に美味しさや安心だけを届けるつもりではありません。

  この野菜たちを通して、多くの方に福島を想い、

  未来のあり方を一緒に考えるきっかけになってもらえたらと願っています。

  福島の豊かな農村が、これからも当たり前であり続けるために、

  皆さんとつながっていきたいと強く思っています。

  今年もどうぞよろしくお願いします。

 

写真も一緒に届いた。

遠く後方に万年雪を頂く飯豊山が見える。 

たべらんしょ2013.JPG

 

写真の手前一番左が浅見彰宏さん。 右から二人目がお連れ合いの晴美さん。

後ろ右から二人目、犬を抱いているのが

チャルジョウ農場 2代目の小川未明(みはる) さん。

その右端が浅見さんと同じく冬は大和川酒造の蔵人となる板橋大くん。

そして研修生たち。

おや、手前一番右は東南アジアからのお客さん?

かと思ったら、福島県農業総合センターの研究員だった長谷川浩さんではないか。

震災後は福島県有機農業ネットワークの事務局長も務めていて、

ついに意を決して、ここ山都に就農された。

あのう・・・ 「若者たちの~ 」 なんですけど。。。

とまあカタい事言うのはやめときましょうか。

メンバーが増えることはイイことです。 受け入れましょう。

編笠、似合ってますよ。

 

この山間地で有機農業に挑む若者たちと出会って 6 年。

つなげてくれたのは、銘酒 「種蒔人」(たねまきびと)。

浅見さんやチャルジョウ農場主・小川光さんと出会い、

光さんから 「若者たちの販路がない。彼らにも販売の喜びと厳しさを経験させたい」

と託されて、できたのがこの野菜セットである。

今年もお届けできる喜びを、彼らと一緒にかみしめたい。

 

里山の環境を守り、未来にいのちをつなぐランナーたちへ。

今年も、あのオリジナル・ミニトマト 「紅涙」(こうるい) の感動を、

たくさんの人に届けてやってくれ。

 



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