2013年9月 7日

この田園に、たたかいの証しがある!

 

8月30日(金)、

後継者会議の現地視察途中で切り上げ、会社に戻る。

弥生ファームの皆さん、ごめんなさい。

 

実はこの日の夕方、福島県須賀川市では、

ジェイラップの 「全国農業コンクール 名誉賞・福島民報社賞

の受賞報告会が開かれていて、

伊藤俊彦さんから招待を頂いていたのだが、

出張で溜めてしまった仕事もあるし、翌日には放射能連続講座も控えていて、 

さすがに断念した。

羽田に戻ってその足で須賀川に向かえば

16時の開会に間に合わなくもない・・・

という思惑が捨て切れず、ギリギリまで迷ったのだった。

 

伊藤さんも忙しい。

受賞報告会には、須賀川市長から毎日新聞の福島支局長など

多数の来賓もあり、鏡開きでは何と、

原料米の契約栽培などでお付き合いのある酒造3社

(大和川酒造、金寶酒造、廣戸川酒造) の薦樽(こもだる) が3つ

並べられて行われたとのこと。

おそらく遅くまでたくさんの人に囲まれたことだろう。

しかも翌日は、大地を守る会の放射能連続講座のパネラーとして、

上京してもらわなければならないワケで。

ちなみに、大和川酒造店の樽酒は、

「種蒔人基金」 から提供させていただいたことも、お伝えしておきたい。

 

ここで放射能連続講座のレポートへと急がねばならないところなんだが、

先にこの写真をアップしておきたいと思う。

9月3日、実りの秋を前にする稲田地区の風景。

美しいでしょう、田が荒れてない。

e13090501.JPG

 

春にも書いた ことだけど、

伊藤さんたちジェイラップは、震災と原発災害後に減った耕作地を

見事に蘇らせていった。 

理論的根拠をもって除染し、科学的数値で米の安全度を示し、

自分たち(稲田稲作研究会) の米の信頼回復だけじゃなく、

地域全体の再生へと導いたのだ。

この田園は奇跡だ。 ここにこそ、たたかいの証しがある。

 

e13090502.JPG

 


 

伊藤さんは、8月31日には放射能連続講座で話し、

軽く一杯やってとんぼ帰りした後、

翌9月1日には、

チェルノブイリ救援中部の河田昌東さんや

栃木の民間稲作研究所・稲葉光圀さんとともに、南相馬へと飛んでいる。

現地の農家たちと放射性物質の移行や除染の考え方について、

これまでの経験に基づく知見を伝え、今後の対策を話し合ったようだ。

この模様は、

9月22日(日)10:05~10:58、NHKテレビの復興サポート番組

で流れるとのこと。

 予告はこちら ⇒ http://www.nhk.or.jp/ashita/support/index.html#next

ジェイラップの農地除染風景も紹介されるかもしれない。

お時間ある方はぜひ!

 

9月3日は、収穫前にと、駆け足で立ち寄ったのだが、

伊藤さんは疲れも見せず、田んぼを案内してくれた。

e13090713.JPG

 

今年の出来もいい、と伊藤さんは胸を張る。

田植え時の水不足、7月の長雨と時にゲリラ豪雨、8月の猛暑を乗り切って、

手をかけたぶん期待に応えてくれる稲たち。

慈しみたくもなる。

 

ここは実験ほ場。

2年間耕作が放棄されて、草だらけになっていた田んぼだ。

e13090712.JPG   

 

耕し直し、ゼオライトを投与し、反転耕をやって、もう一度ゼオライトを散布し、

放射性物質を封じ込める。

この作業によって周辺の空間線量も確実に下がっている。

子どもたちの内部被爆を限りなく防ぐ努力、でもあるのだ。

 

伊藤さんの心に、春はまだ戻っていない。

たたかいの終着点は見えないけど、

「いつか孫に褒めてもらえる仕事をしておきたい」 という願いは、

立派に果たしたんじゃないか。

本当に頑張ったと思う、ジェイラップの人たちは。

 

e13090503.JPG

すべての生命が讃えているよ、と

ポーズをとって迎えてくれたアキアカネに敬意を表して、記しておこう。

 

書いていて、後悔がぶり返してくる。

無理してでも、受賞報告会に行けばよかったなあ。

行って、天晴れ!のひと言でも発したかった。

ま、この思いは、10月26日(土) の収穫祭に取っておこう。

 

「稲田収穫祭」、現在募集中。

一般参加も大歓迎!!! です。

福島・中通りで起きた奇跡を、皆さんの眼で、しかと確かめてほしい。

案内と申し込みはこちらから。

 ⇒ http://www.daichi-m.co.jp/info/event/2013/0902_4444.html

 

すみません。

放射能連続講座のレポートは次回に。

 



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ