2013年12月23日

2013 年末、訃報まで・・

 

2013年もいよいよ残りわずかとなって、

皆様はきっと、今年最後の連休を有意義に、

お正月の準備などで楽しく過ごされたことでしょうか。

 

ワタクシはというと、21日(土)、雪の山形・高畠町まで出張して、

米や野菜・果物をいただいている 「おきたま興農舎」 さんの

2013年反省会&忘年会に参加して、

お米部会の反省会の席上、

もっと米を売れないのかとこってり絞られて、

大好きな日本酒をたっぷりと飲まされたのでありました。

いや~実に有意義な、命がけの連休でございました。

 


「もっと食べて~」 とただお願いしても胃袋が大きくなるわけでなく、

少子高齢化の進行に加えて食生活の多様化

(というより外部化と言うべきか) は、

コメの消費拡大という掛け声とは真逆の方向を指していて、

もっと知恵を出せ、手を考えろ、との攻勢に、

棚田米の販売では最優秀賞もいただいたんですよ、とか

来年に向けて考えていることとか、値段は上げられないっすよ、とか、

外は雪だというのに汗をかきながら戦一方。

ゴール・ラインの手前で、明治の重量フォワードの押しに耐える早稲田ラガー

みたいな感じか。

いや、そんなカッコいいもんじゃないし、この比喩は間違ってる。

みんな耐え、必死で考えようとしているんだ。

 

世の中の空気は、はっきり言って悪い。

格差社会の広がりや医療・福祉の後退は、

根っこへの不安を増幅させている。

" これからの社会は、食べものを食べる人と、餌で食いつなぐ人に分かれる "

なんて言った口の悪い評論家がいたが、それも間違っている。

選ばれた人たちのわずかな胃袋では、

たとえ飽食してもらったとしても、食の安全は守れない。

健全な平均値が大切なのだ。

それが民主主義の要諦である。

しかし社会制度を立て直すべき政治は、逆に危険な一線を越えようとしている。

世は  " 自己責任という名の無責任社会 "

(金子勝&児玉龍彦著 『新興衰退国ニッポン』 から拝借) に向かって

加速している。

他者への愛がない社会は壊れる。

環境という大事な公共など守れるわけがない。

 3.11 から、僕らはたしかに学んだはずなのに。

 

生産者と飲みながら、想像力の壁に苛立っている自分がいる。

どう突破すればいいんだろう。。。

我が凡庸な頭脳は、古いパソコンみたいに立ち止まっている。

 

18日(水)には、農林水産省の 「食文化ナビ」 の検討会に出席した。

食文化を素材に、どう地域活性化を導けるか。

地域で汗をかく人たちが使えるナビを作成しよう。

竹村真一座長に藻谷浩介さん、細川モモさんらと一緒に、

委員のイメージの出し合いは、それなりのまとまりに向かって進んだ。

進んだんだけど・・・焦りは消えない。

 

今月、「和食」 がユネスコの世界文化遺産に登録された。

それは喜ばしいことだ。

しかし地方は、「和食」 の見直しといわれても・・・という感じだし、

何かちぐはぐに進んでいるとしか言いようがない。

減反政策の見直し、とか今さら言われてもねえ。

耕作放棄地は増え、今年も 1万2千ha の農地が消えた。

見えないところで崩壊現象が進んでいる。

生産者の苛立ちは、もっともなことだ。

 

ま、いずれにしても今年の行事はこれにて終了。

 - と山形から帰ってきたところで、突然の訃報が飛び込んできた。

「三里塚産直の会」(千葉県成田市) 代表の萩原進さんが急逝したと。

僕が高畠で飲んでいた頃、萩原さんも仲間と楽しく飲んでいた。

その帰りに倒れられた。

あの、殺しても死なないんじゃないか、と思っていた人が。

僕は、あの人から突き刺された宿題をまだ終えてないのに。

 

年末のまとめに入っていこうと思って書き始めたけど、

もうフリーズして、これ以上書けない。

 



大地を守る会のホームページへ
とくたろうさんブログへ