2014年3月30日
" 私だけの酒 " ではなく、種を蒔き続ける人々に
今日は久しぶりに自宅でくつろいでいる。
で、楽しみにしていた作業に取りかかる。
結局ほとんど参加できなかった 「大地を守るお酒造り体験」 で
仕上がった酒が届いていて、
それにマイ・ラベルを貼るという、ワクワクするような作業。
世界に、ただここにしかない、私だけの酒が出来上がる。
3月21日、この企画に参加した人たちによって
銘々に用意したラベルが貼られて、
「完成!」 の報告が写真つきで送られてきていた。
いいねえ、壮観だ。 それぞれに考え、工夫された跡が見える。
「 エビちゃんには裏ラベルだけ貼ったのを送っといたからね~
じゃ、これからみんなと打ち上げ~す ♪♪ 」
のメールがムカつく。
クソ~~ッ。 見てろ! てなもんで。
ワタクシとしても悩んだ末に、
欲張って 3種類のラベルを貼らせていただいた。
どうでしょうか。
2月はなかなかブログに手が回らず、
2月 8日に行なわれた大和川酒造交流会の報告もできずじまいだった。
実はこの日と翌 9日が 「大地を守る酒造り体験」 の開始日でもあって、
洗米-浸漬-蒸し-仕込みまでやった。
2日目だけは立ち会えたので、写真だけでもアップしておきたい。
洗って、水に漬けて、水を切って、
蒸し器に投入。
蒸し上がると冷風で温度を下げ、仕込みに入る。
今回は正攻法の三段仕込で。
初添えの 「櫂入れ」 作業。
櫂棒(かいぼう) を入れ、
もろ味を混ぜると同時に下のガスを抜く。
温度を見ているのは、蔵人・浅見彰宏氏。
次の作業体験は 1 カ月後。
搾れる状態となったもろ味を布袋に入れ、
樽の上から吊るす作業となる。
引力の法則に従ってタラリ、タラ~リとお酒が滴り落ちてきて、
チョー贅沢な 「袋しぼり酒」(雫酒:「しずくしゅ」 とも言う) の原酒誕生!となる。
原料はもちろん、「種蒔人」 と同じ稲田稲作研究会作 「美山錦」 である。
この小さなタンクで造られた清酒を買い取れる数さえ集まれば、実現する。
設定された条件は、1口= 4合瓶で12本、2万 3千円
(にごり酒 2本と酒粕のおまけ付き)。
これが 25 口集まれば催行という条件で、なんとか 25 口ギリギリ集まった。
そして 3月 21日、オリジナルのラベルを携えて集合! という流れ。
酒好きのお遊びと思われるだろうが
(まあ、そういう部分もないワケではないが・・・)、
「並行複醗酵」 という世界に冠たる醸造技術と発酵の世界を体で感じ、
米文化の奥深さに感動できる貴重な機会である。
しかも、来年もやれる保証は、まったくない。
ここだけの・・・だけでなく、人生で一回きりの・・・になる可能性もある。
じっくりと味わっていただきたい。
2月の大和川酒造交流会のひとコマ。
醸造蔵(「飯豊蔵」)の屋根には、太陽光パネルが張られている
(雪が覆っている部分)。
夜の交流会の様子も。
原料米生産者も一緒に、酒のこと、米のこと、会津料理のこと、
そして未来への夢やホラも含めて、語り合う。
盛り上げ役はもちろん、
搾ったばかりの 「種蒔人」(たねまきびと)。
今年もイイ酒に仕上がって-
誰が名づけたか、「この世の天国ツアー」。
シアワセなひと時を思い出しながら、
我がラベルを眺め、
ふと東北の地図を広げてみたりして。。。
これは私だけの酒ではない。
では、復興を願いつつ、一献!
写真は、仕込み水の源・飯豊山(いいでさん) 頂上で撮った
記念のショット。
友よ。
種を蒔く人々よ。
希望を失うことなく、生きて、 蒔き続け、花を咲かせよう。
・・・ 1 本 1本に感謝を込めて、ラベルを貼った 1日。