2014年5月 8日

" A級グルメの町 " 邑南町訪問記(Ⅰ)

 

島根県邑南(おうなん) 町。

広島駅から浜田行きのバスに乗って中国山地を北上し、

島根県に入ったところが邑南町。

10年前に旧 3町村が合併してできた人口 1万 2千人という町。

一見してどこにでもあるような、

のどかな日本の中山間地、といった風景だ。

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しかしこの町が今、とても熱い。

" 日本一の子育て村 "  を宣言して、

中学卒業まで医療費無料! 2子目から保育料無料!など、

地域で子育てを支援する制度を充実させてきている。

安心して子どもが産める町、これは日本でいま最も求められている政策である。

若者を受け入れるための空き家情報も提供している。

 

そして食関係者を唸らせているのが、

" A級グルメ立町 "  を宣言しての骨太な地産地消の展開である。

食や環境、ロハス系と言われる雑誌の取材が後を絶たない。

その推進役を果たしているのが邑南町観光協会。

既にある観光資源の売り込みではなく、

新しい地域ブランドを創造していく姿勢をもつ観光協会というのは、

そうないのではないだろうか。

 

5月1日、その山間の町に、

町立の 「食の学校」 なる施設が建設され、竣工式を迎えた。

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『 OHNAN  A-CLASS  GOURMET  ACADEMY 』

こっちを訳せば 「邑南 A級グルメ学院」 か。

" A級グルメの町 "  にかける本気度を示す施設の誕生である。

ここに僕がお誘いをいただいたのは、

この施設をコーディネートされたプランナーの石原隆司さんからであるが、

昨年度委員を務めた農林水産省の 「食文化ナビ活用推進検討会」 で

邑南町をモデル地区として調査したことも手伝っている。

観光協会の常務理事である寺本英仁さんとは

昨年 「Daichi&keats」 でお会いし、訪問の約束をしていたこともあった。

 

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石原良治町長や議員さんらによるテープカット。

町の掲げる  " A級グルメ "  には、

地元で生産される食材を育て、ここでしか味わえない食体験を提供し、

その食文化をしっかり伝承させてこそホンモノのグルメ(食通) であろう、

といった主張が込められている。

そしてこの理念を発展させるものとして、

昨年秋に 「食の学校プロジェクト推進協議会」 が発足し、

この日の竣工式へと漕ぎつけたものだ。

ここを新たな拠点として、地元の人たちへの食農教育を進め、

100年先まで食文化を伝えていくこと、

さらには加工技術や素材知識の習得、新商品の開発などが

ミッションとして掲げられている。

 

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挨拶する石橋町長。

合併後の初代町長で 3期目と聞いたが、まだ若い。

 

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様々な関係者が挨拶する中に、

観光協会が運営するレストラン 「素材香房 ajikura (あじくら)」 料理長の

三上智泰さんもいた (写真右)。

ajikura のレシピが本にもなったイケメン・シェフ。

大阪や広島のホテル勤務ののち、町の取り組みに惚れて地元に帰ってきた。

意欲ある若者が帰ってくる。

その若者の手で新たな価値が生まれる。

いい循環が生まれている。

 

イケメン・シェフのお隣でマイクを握っているのは、

観光施設 「香木の森公園」 内にあるハーブ園を任されているという

はなぶささんと仰ったか。

夜の食事で同席した際に今後のプランを聞かされ、

いろんな意見交換をさせていただいた。

ハーブの先にあるもの、あるいは共生昆虫について。

この町には面白い人たちが集まってきている。

 

続く

 



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