2014年5月12日

人も生き物もつなぐ堰

 

5月4日、堰さらいの続き。

 

落木・木の枝・落葉や土砂をすくっては、

尾根の方ではなく谷の方に投げ捨てる。

そんなもんだから、よく溜まる場所ほど壁が年々高くなっていって、

さらにパワーが必要になる。

今年は若者を使って谷側の壁を削ったりもしながら

進んだ。

 

浚って進めば水がついて来る。

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貴重なサンショウウオの卵を発見!

 

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種類までは分からないが、いずれのサンショウウオも

環境省レッドリストでは絶滅危惧種にランクインされているはず。 

そっと隅に移して、前に進む。

(左下の緑色は、私の指です。)

 


このトンネルがすごい。

江戸時代、米にかけた執念の賜物。

毎年冒険心をくすぐられるが、

ここはさすがに進入禁止である。

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午後3時過ぎ、無事作業終了。

お疲れさんの打ち上げ。

ビール、豚汁、冷奴がふるまわれる。

 

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いったん解散後、「いいでの湯」 で汗を流して、 

改めて夜は地元の人たちも参加しての交流会となる。 

 

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やっぱ地元の参加者が減っていることを実感する。

僕らボランティアは感謝もされるが、

しかし食材や布団の持ち出しなど受け入れのための準備では、

一軒一軒への負担が重くなっていっているということだ。

複雑な心境にもなる。

 

翌日は浅見彰宏さん・大友治さんの案内で、

上流部を散策する。

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清流が途絶えることなく流れ続ける。

これがシアワセの元であることを、多くの人は忘れてしまっている。

また飯豊山にも登らなくっちゃ、という気分にさせられる。

 

「元木・早稲谷 堰と里山を守る会」 の事務局長・大友治さんは

生き物が大好きで、

堰の周りで新しい植物を発見しては写真に撮って、

「堰の植物図鑑」 に加えている。

この地の生物多様性を語る時、

大友さんは熱くなる。

 

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冬眠から醒めたばかりなのか、

まだ動きの鈍いガマガエル (ヒキガエル)。

ボーっとしている。

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これからオスを選んで、餌を一杯食べて、繁殖活動に入る。 

たくさんの生命がこの堰でつながっている。

人もつなげ、未来にもつながる生命の道と

僕らは付き合っているのだ。

 

長谷川浩さんが買ったという山にも

入らせていただく。 

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雑木林にちょっと入っただけで、

存在を誇示するかのように残された熊のフン。 

 

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「食とエネルギーの自産自消」 を唱える

長谷川さんのこれからは、どう進んでいくか。

これはけっこう楽しみの一つである。

命の無事も祈りながら。。。

 

人が減っていく里山での暮らしは、けっして楽ではないだろう。

我が事より地域のために働くことも多いはずだ。

棚田を眺め、一人仕事をしながら、

感動したり、あるいはため息をついたりもするのだろう。

その営みを支えるのは、実は困難なことではない。

食べものをこそ大切にして、まっとうな値段で食べること。

そのことでつながれるし、それは我が身を守ることでもある。

 

会津山間地の 6㎞の水路が語る世界は、けっこう奥深い。

ではまた来年、お会いしましょう。

 

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