戎谷徹也: 2010年4月アーカイブ

2010年4月30日

有機農業をはじめよう!

 

報告が遅れてしまったけど、

以前お伝えした有機農業での就農を支援するガイドブックが完成した。

発行元はNPO法人 「有機農業技術会議」 。

「農を変えたい!全国運動」 から生まれ、

有機農業の技術的進化と若者たちの就農支援の窓口的役割を果たしている。 e10041201.JPG

編集委員は、元京都大学の西村和雄先生、茨城・JAやさとの柴山進さん、

埼玉・小川町 「風の丘ファーム」 の田下隆一さん、出版社 「コモンズ」 の大江正章さん、

自然農法国際研究開発センターの藤田正雄さん、そして私。

昨年の12月から月一回程度の編集会議でトントンと作業が進んで、

3月末に完成した。

執筆いただいた各氏の迅速なご協力に感謝するとともに、

スムーズに完成まで漕ぎつけられたのは、

事務局を務められた藤田さんおよび編集スタッフの方々の尽力によるものである。

 


巻頭はコモンズ・大江さんの執筆。 

有機農業こそ本来の農業であると、

これから有機農業を始めたいと考えている若者たちにエールを贈っている。

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元大地職員、富良野に行った君(徳弘英郎・京子夫妻) も、成功事例として登場。

先輩たちに恵まれた幸運もあったが、

親身に世話していただけたのも本人たちの努力が評価されてのことだろう。 

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 「分かっていないということが分からないなど、知っていれば10分で行ける道のりを

 1時間かけて歩くような苦労はたくさんありました。」

そして最後に、

「農業収入で生計を立てることは、小規模であろうとも 『起業』 です。

 『とりあえず』 的な考えは禁物 」 と後輩へのアドバイスもビシッと決めている。

 

他にもいろんなパターンでの事例や、有機に関する各種情報、

就農する場合の道すじなど、まあまあコンパクトに収められたと思う。

パンフレットご希望の方は、有機農業技術会議にお問い合わせください。

  http://www.yuki-hajimeru.or.jp

 



2010年4月28日

広瀬くんの 「風干りんご」

 

元大地を守る会職員で、長野のリンゴ農家になった広瀬祥寿くんが、

自園のりんご(フジ) を原料に面白い作品を完成させたので、紹介します。

「風干 (かざぼし) りんご」 。 彼らしいネーミングです。

要するに干しりんごですが、我々がプロジェクト・チームをつくって進めている

乾燥野菜(&果物) の開発計画ともつながってのことだけに、

はからずも側面支援を受けたような、嬉しい出来事になったのでした。

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僕らが福島のジェイラップさんと一緒に、乾燥野菜の開発チーム

はたまるプロジェクト」 を結成したという話は一ヶ月ほど前に書いたけど、

実はその時すでに、あましているリンゴで干しりんごを作りいたいとの依頼が

広瀬くんからジェイラップに入っていたのです。

もちろんこちらのインサイダー情報をキャッチしてのこと。 

 

なかなかの素早い動き。 「やるじゃん、広瀬」 と褒めたりしつつ、

実はその時期までりんごを抱えているという切羽詰まった事情も察せられたりして。

こちらの情報は彼にとって救いの神のようなものではなかったかと思う一方、

彼の作品完成によって僕らも勇気づけられた格好になりました。

 


広瀬くんとジェイラップの関根さんの間では、

いろいろと綿密なやりとりが交わされたみたいです。

両人とも相当のこだわり屋というか凝り性で、 

こと自分の仕事に関しては0.1ミリの狂いも許さないようなところがある二人です。

 

か ざ ぼ し り ん ご 。

ふじの皮をむき (本来のコンセプトは  " 皮も生かす "  ですが、

今回は口あたりを優先したようです)、芯を抜いて、5ミリ程度にスライスして、

低温 (25℃以下) の風でゆっくり、じっくり乾燥させました。 

添加物は一切なし。 ナチュラルそのもの。

生のりんごの風味、甘味、酸味、栄養分が、ありのままに凝縮された干しりんご。

少し柔らかめに仕上げてあって、サクサクと口あたりがやさしく、甘みもいやらしくない。

とても自然な風味で、ついつい手が伸びてしまう、そんな感じなのです。

 

他の同様の製品はだいたい80℃くらいの温度をかけるようですが、

それでは風味だけでなく、糖もビタミンも酵素も損なわれてしまいます。

ただし低温だと時間とコストがかかるため、そのぶん高くなります。

広瀬・関根の両氏は、ためらいなく値段よりも食べものの命を取るほうで、

いや~コワいすね。

 

量的な問題もあって、これを当社で取り扱うことはできませんが、

広瀬くんが自力で 「広瀬農園の新作」 として販売している・・・ってことは、

考えてみれば、いや考えなくても、これが

ジェイラップの乾燥設備 (今はまだ実験段階の設備ではあるが) を使っての

商品化、第1号! ってことになっちゃいますね。 なんだ、やられたんじゃん。

(実際は、地元の手打ちうどん屋さんなどですでに野菜パウダーが活用されたりは

 していますが、販売商品としては第1号かと。)

 

先般、彼が実家の栃木に里帰りした際には、

地元の手づくりチョコレート屋さんに気に入られて、

5パックも買い上げてもらったそうです。 5パックも・・・・おめでとう。

 

これを読んでいただいた会員の方には写真だけで申し訳ありませんが、

「はたまるプロジェクト」 でやろうとしていることのイメージが

少しでも具体的に湧いてくれれば幸いです、と思う次第であります。

「はたまるプロジェクト」 では今、いくつかの試作に入ってきています。

初お目見えは、うまくいけば夏の終わり頃には・・・と考えています。

乞うご期待。

 



2010年4月25日

アースデイ・ちば

 

4月22日はアース・デイ、「地球の日」。

地球の環境を守ろうよ、そんな気持ちをみんなで表現する一日。

40年前にアメリカ・ウィスコンシン州の上院議員の提唱から始まった

このムーヴメントが日本に上陸したのは88年頃だったか。

今では175ヶ国、5億人が参加する一大イベントになっている。

 

先週(4/17~18日)、東京・代々木で開催されたアースデイ東京には、

約13万5千人の参加があったとのこと。

大地を守る会も出店したが、当方は三番瀬でのアオサ回収もあって出られなかった。

 

一週間後の今日、千葉でも開催されたので、駆け足ながら覗いてみた。

会場は千葉市美浜区、「幕張海浜公園」。

京葉線・海浜幕張駅から南に15分ほど歩けば突き当たる。

我が本社からも歩いて行ける範囲にある公園だ。

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海浜公園の先にある幕張の浜。

海浜幕張の街自体が埋立地だから、ここは昔の遠浅の海だったところになる。

 

では、「アースデイ ちば 2010」 の様子です。

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このところの天候が嘘のような、暖かい祭り日和になった。

 

餅つきは自然の恵みを祝う際の定番か。 日本人のDNAが騒ぐ。 

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フリースペースでは、ダンスの講習(?) でしょうか。 みんなで楽しく踊っている。

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大地を守る会も出店しました。 

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今回は、専門委員会の 「おさかな喰楽部」 と 「原発とめよう会」 が中心になって

準備にあたってくれた。

東京湾アオサ・プロジェクトや宅配のPRも。


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ブースを訪ねてくれた方にいろいろ説明する農産チーム、秋元浩治 (写真左)。

風土に根づいた種を守る企画 「とくたろうさん」 を担当している。

なんか・・・熱っぽく語ってるねぇ。。。

 

海産物や加工品、せっけんの販売も行なう。

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こちらはミニ・コンサート。 子どもたちが飛び跳ねている。

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おや、お久しぶり。  「オリジナルTシャツ 亀吉」 の小畑麻夫さん。 

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アパレル会社の役員を辞して、2003年、夫婦で千葉県いすみ市に移住した。

米と野菜を作りながら、地域の人たちともつながって、

移住希望者のための情報発信などに取り組んでいる。

彼が制作した 「おコメのTシャツ」 は、大地内でもファンが多い。

彼が着ている新作が気に入って、1枚購入。

これでコメのTシャツは3枚目だ。

 

小畑さんから、いすみへの移住希望者向けのガイドブックを頂戴する。

いろんな分野から移ってきた人たちの、生き生きした暮らしぶりが紹介されている。

魅力ある地域づくりは、伝統や地域文化への敬意と新しいセンスによる創造との融合によって

進化していくんだね。

 

向こうに見える建物は、千葉マリーンスタジアム。

タイガース・ファンには悪夢の球場である。

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出店者ものんびりと、自分のペースでイベントを楽しんでいる。

 

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「アースデイ ちば」 は今年で9回目になる。

規模は代々木公園ほどでなくても、全国各地で開催されるようになって、

それぞれに人や団体のつながりができてきているようだ。

 

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ただちょっと物足りなかったのは、なんだろう。

トーンが全体的にヒップな印象で、広がりがもう少しという感じが残った。

しかし、これまで続けてきた人たちに、初参加でそんなことを言う資格はないか。

あんたも眺めるだけじゃなく、もっと伝えていってよ、ということだね。

 

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菜の花だって本来は、観賞してもらうためじゃなく、

種 (次世代) を残すために咲いているわけだし。

 



2010年4月23日

田植えを前に、水路を清める

 

桜は散ってもなかなか春の実感が涌いてこないのだけど、

それでも新学期に入ってゴールデン・ウィークの声が聞こえてくると、僕にとっては、

会津の山あいを縫って水を運ぶ、あの堰(せき) の清掃日が近づいてきたことを意味する。

 

福島県喜多方市山都町の本木・早稲谷地区で、毎年5月4日に行なわれる

本木上堰の清掃作業、通称 「堰浚(さら) い」。

地元では全戸総出で行なわれるため、「春の総人足」 とも呼ばれている。

 

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参加するようになって、もう4回目のGWを迎える。

主催は 「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」。

事務局の浅見彰宏さんからの案内を転載することで紹介に代えたい。

 


  喜多方市山都町本木および早稲谷地区は、

  町の中心部から北に位置する併せて100軒足らずの小さな集落です。

  周囲は飯豊連邦前衛の山々に囲まれ、

  深い広葉樹の森の中に民家や田畑が点在する静かなところです。

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  そんな山村に広がる美しい田園風景には一つの秘密があります。

  それは田んぼに水を供給する水路の存在です。

  水路があるからこそ、急峻な地形の中、川沿いだけでなく山の上部にまで田んぼが拓かれ、

  田畑と森と民家が調和した風景が作られているのです。

  その水路は 「本木上堰」(もときうわぜき) と呼ばれています。

  早稲谷地区を流れる早稲谷川上流部から取水し、右岸の山中をへつりながら

  下流の本木地区大谷地まで延々6キロあまり続きます。

 

  水路の開設は江戸時代中期にまで遡り、そのほとんどは当時の形、

  すなわち素掘りのままの歴史ある水路です。

  深い森の中を済んだ水がさらさらと流れる様を目の当たりにすると、

  先人の稲作への情熱が伝わってきます。

 

  しかし農業後継者不足や高齢化の波がここにも押し寄せ、人海戦術に頼らざるを得ない

  この山間の水路の維持がいよいよ困難な状況となってきました。

  水路が放棄された時、両地区のほとんどの田んぼは耕作不可能となり、

  美しい風景も一挙に失われてしまうでしょう。

 

  そこでもっとも重労働である春の総人足のお手伝いをしてくれる方を募集しております。

  皆さん! 先人の熱き想いとたゆまぬ努力が築き上げたこの素晴らしき生活遺産を、

  そして山村の美しき田園風景を後世に引き継ぐため、ぜひご協力ください。 

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作業日は5月4日ですが、早朝から開始するため、前日には現地に集合していただきます。

宿泊は公民館か山荘になります (現地の方にお任せ)。

3日の夜は前夜祭、4日の夕方には交流会が用意されています。

費用は、現地(JR磐越西線・山都駅) までの交通費、宿泊の集会所使用料実費分のみです。

作業着・着替え、軍手、長靴、雨具、洗面具をご用意ください。

 

もうGWの計画を立てられている方が多いかと思いますが、

もしまだ予定がなく、興味を持たれた方がおられましたら、どうぞお問い合わせください。

「堰と里山を守る会」 では会員も募集中です。

堰さらいボランティアに参加できない方で、ご支援いただける方はぜひ。

(メール・アドレスをつけてコメント投稿していただければ、お返事を差し上げます。)

 

大地を守る会の専門委員会 「米プロジェクト21」 では、

「種蒔人基金」 を活用して、この堰さらいボランティアに協力しています。

参考までに、過去の日記を貼り付けますので、読んでいただけると嬉しいです。

 ・2009年5月 5日・・・「 堰(せき) -水源を守る

 ・2008年5月 6日・・・「 水路は未来への財産だ!

 ・2007年7月10日・・・「 日本列島の血脈 」

 

さらに今年は、喜多方市の市民グループにも支援の輪が広がって、

福島県からもわずかながら助成が下りたとのこと。

そこで交流会でも、真面目なお勉強の時間を設けるとのことで、

なんと僕に、食と農と堰の関わりについて話をしろとのお沙汰である。

腰だけでなく、気まで重たくなっちゃったりして。

ご恩返しになれば幸いであるが・・・

 



2010年4月18日

春のアオサ回収大作戦 -カキ礁まで歩く。

 

前日の記録的な寒波が去って、一転うららかな春の一日となった。

ふなばし三番瀬海浜公園は潮干狩りが解禁された最初の日曜日とあって、

人が押し寄せてきている。

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東京湾にわずかに残された干潟地帯は、

街に住む人々が海に触れられる手ごろな場所であり、

かつ憩いを与えてくれる貴重な自然である。

 

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ハマシギ、ユリカモメ、アオサギ、名前の分からない鳥たち・・・

野鳥の種類も多く、休日には必ずと言っていいくらい観察会のグループに出くわす。 

 

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干潟の豊かさは鳥の多さだけでなく、その餌を支える莫大な生命生産力があって、

皆さんの足の下にも、コメツキガニやたくさんの動物がいるんですけどね。。。

 

そしてこいつが、我々が陸(おか) に戻して資源として生かそうと

試みている海藻・アオサである。 

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春になっても低温が続いたせいで、思ったほど繁殖していない。

風がまだ北から吹いてくるので、沖に流されているということもあるようだ。

これが南からの風に変わって気温が上がると、一気に生育が進み、

また陸に打ち上げられてくる。

 

閉鎖系の東京湾に、たくさんの河川から窒素やリンなどの栄養分が流れてきて、

アオサはそれを吸収するかたちで過剰繁殖する。

" 海の厄介もの "  とか  " 海の雑草 "  と呼ばれて、漁民たちから忌み嫌われているが、

視点を変えれば、彼らこそ海の富栄養化を防いでいる調整係なのである。

「昔は  " 川菜とり "  といって、近隣の農家が持ってってくれていたんだよ」 

というのが、一緒にアオサ回収に取り組んでいるBPA(ベイプラン・アソシエイツ) 代表、

船橋漁協組合長・大野一敏さんの口癖である。

これを陸に戻し、肥料や飼料として資源の循環をはかる。 

それには農家の、しかも有機農業の技を持った農家の存在が欠かせない。 

アオサは、資源だけでなく、陸と海の人をつなぐ役割も果たしてくれている。

 


昨日までの悪天候もあってか、今日の参加者は20名強。

たくさんの潮干狩り客やバーベキュー連中を横目に集合。 

「しっかりアオサを回収して、浜をきれいにして帰りましょう。」

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東京湾アオサ・プロジェクトの代表も務めていただいている大野一敏さん。 

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海は陸の影響を受け、陸もまた海の結果を受けとることになります。

私たちはみんな、地球というこの星の一員、いわば運命共同体なのです。

このきれいな干潟を楽しみ、海を眺めながら、

そんなことも感じ取ってもらえると嬉しいです。

 

今回の生産者は、いつもの埼玉の養鶏家・本田孝夫さんではなく、

茨城から北浦シャモの生産者・下河辺昭二さんと、

JAやさとの鶏肉部会から2名の方(広瀬さん、木村さん) が参加してくれた。 

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養鶏の餌として、それに米(水田) で肥料試験をやってみたいとのこと。

こうやって生産者の受け皿が広がっていくのが、嬉しいね。

 

今日は回収というより 「アオサ拾い」 という感じ。

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潮干狩りに押し寄せた大群。 

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現代のニッポンは、飽食の一方で、何かに飢(かつ) えているのか。

コメツキガニも恐怖で深く潜ったに違いない。

 

本日の収穫量は、約200㎏。 

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試験用ということではちょうどよい量だったのでは。

 

回収後、記念撮影。

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第二部は、ここ数年で恒例となった、陶(すえ) ハカセによる 「干潟の生物観察会」。

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山から海までのつながりを見て、干潟の役割について知ってもらう。

次に、浜を歩きながら、一見ただの砂浜にもたくさんの生物が棲息していて、

循環しながら海を浄化していることを感じてもらう。

 

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そして今日は特別に、干潟の奥(沖) に広がってきているカキ礁まで歩く。

通常なら、大潮の日でもここまで見られないほど、カキ礁がはっきりと姿を現している。

陶さんもちょっと興奮気味で、

「今日はスゴイ! 今までで最高のタイミングです。」

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これがカキ礁。 

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ここ数十年で、異常なまでに三番瀬を侵食してきている。

カキの大繁殖を、それだけ豊かなのだと語る人もいるようだが、それは誤りである。

本来、三番瀬にカキ礁はなかったものだ (カキ自体は河口辺りにはいたのだろうが)。

それが埋め立てや浦安あたりでの高層建物の林立などによって風が変わり、

海の流れが弱くなって、カキが異常に繁殖するようになった。

気がつけばこの姿である。

 

カキ礁は、海面表面を覆うため砂がなくなりアサリが棲めなくなる。

海苔の養殖にも影響を与え、さらには減少している貴重なアマモ場を壊滅させる。

アマモは砂に根を張り、海中に酸素を供給し、魚の産卵場となる、

" 生物のゆりかご "  なのである。

 

干潟の価値を確かめながら、そこにもヒトのなりわいの結果を受けた自然の遷移という

" 脅威 "  が、日常的に進行していることを、僕らは目の当たりにさせられたのだった。

 

これはなんでしょう。 

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排水の汚れなんかではありません。

ケイソウ(珪藻) という名の藻類、植物プランクトンです。

光合成を行なうため、浅瀬や海面に繁殖したりします。

これを餌に魚が集まってきます。

干潟は生命を支えてくれているのです。

 

最後に、アサリの力を見ていただく。

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観察会を始める前に、アサリを入れた水槽とただの海水の水槽を並べ、

米のとぎ汁を入れる。

約1時間後、帰ってきたらこの通り。 

皆さんが普段流しているとぎ汁も、魚介類がきれいにしてくれています。

生物が豊かに生きられる世界があれば、暮らしは安定するのですね。

大事にしましょうね。

 

陶さん、ありがとう。

それにしても、カキ礁は少々ショックだった。

 



2010年4月17日

寒い春ですね。

 

" 荒れる春場所 "  とは相撲界の定説だけど、相撲に限らず春は荒れる。

太陽がだんだんと高度を上げて、冬から夏に向かい始めるこの季節、

しかし " 春うらら "  とか謳われるような穏やかな陽気の日はむしろ少なくて、

北の寒気団と南の暖気団が日本列島を土俵にしてせめぎ合いを展開する。

春一番、春二番と、生暖かい烈風が春を告げたかと思えば、

寒の戻り、花あらし、なたね梅雨と、寒波が波状的に襲ってくる。

土俵にされた日本人は、お陰で季節の変化に敏感になって、

微妙なニュアンスを含ませてその移ろいを表現しようとする。

あるいは時に、一瞬の花見タイミングを逃さないぞと血眼になったりする。

 

この寒気の波状攻撃に対して農家が気を張り詰めるのが晩霜(おそじも) ってやつだが、

41年ぶりの遅い雪までは、誰が想定していただろうか。

今日は4月17日だって言うのに、真冬のような寒い朝だった。

 

生産者から電話がかかってくる。

「雪とみぞれにやられて、葉物がすれたような状態になっちゃってる。

 とにかく出してみるから、モノを見て判断してほしい。」

「畑に入れねぇ。 出せないな、今日は。」

「この間の寒さで、10日から2週間くらい (生育や作業が) 遅れてる。」

 

今はナスやキュウリやスイカなど、苗づくりの段階の作物が多いのだが、

これで苗までやられたら夏まで影響することになる。

米の産地からも 「もう少ししたら、苗のやり直し、という生産者も出てくるかもね」

といった声も聞こえてくる。

 

低温とは日照不足とセットであって、生育は留まり、病気の発生も多くなる。

そういう時は味も乗らない。

九州からの玉ねぎは小玉傾向で、生産量も平年の6割といった報告が長崎からあった。

奈良の梅や山梨のサクランボは先の霜害で、もう不作が確定している。

 

新聞では、農水省が農業団体に前倒しの出荷を要請したとのこと。

規格外はともかく、前倒しの出荷って、どうしろってことなんだろう・・・

 

土曜日に出てきて、受けるのはため息の出るような電話ばっかり。

ああ~~、来週は欠品が増える。 切ないです。

 



2010年4月10日

千葉さんの田んぼに太陽光発電、完成!

 

以前報告した宮城県大崎市の千葉孝志さん(蕪栗米生産組合代表)

の田んぼで、太陽光発電が完成した。

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田園地帯に出現した25枚の太陽光パネル。 圧巻ですね。

日本初! いや世界にも例のない光景だろう。 

 

渡り鳥たちのための冬水田んぼには間に合わなかったけど、

夏場は夏場で利用することで、ピュアな用水が確保できる。

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太陽電池が発電した電力はバッテリーを経由し、

インバーターよりコンプレッサーに供給される。

タイムスイッチによる運転時間制限とリレーによる電圧制御で運転をコントロールする。

10時~15時の間にバッテリー電圧が24V以上になると、

コンプレッサーに電力が供給され、揚水が行なわれる仕組みである。

 


前にも紹介したけど、

太陽電池モジュール(パネル) は (株)日本エコシステムさんからの提供である。 

それでも付属設備や備品、工賃などの費用は馬鹿にならない。

それを千葉さんと日本エコシステムさん、大地を守る会で折半することで

実現の運びとなったものである。 補助金は一切なし。

 

これを仮に生産者がすべて自費で設置するとなると、

今のお米の販売利益で賄えるものではない。

メーカーさんや我々も、これからも続けて支援できるわけではない。

つまり、これだけ見れば、農家が容易に真似できる代物ではなく、

場合によっては 「お遊びですか?」 と言われかねないものである。

 

しかしこの実験から、売電が可能になることが実証できたら、どうなるだろう。

田園には太陽エネルギーが無償の愛のごとく降り注いでいるのだ。

竹村真一さんの言う  " エレガントな未来社会 "  への夢が広がらないだろうか。

 

ここがコンプレッサー部分。

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残念ながら、この装置自体は電力会社の配電系統から独立したシステムのため、

余剰電力の売買はできず、バッテリーに蓄積されるものだが、

どれだけの電力が生み出せるかは、可視化できるのではないだろうか。

 

渡り鳥のため、鳥害に不満を抱く地域との共生のため、

生物多様性を保障する農業を創造するため、千葉さんは設置を決意した。

しかしそれ以上に見る人の想像力を刺激させながら、

太陽を見つめて立ち続けてくれることを、願ってやまない。

 

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これは、文明を滅亡させたイースター島のモアイではない。

文明を切り拓くモジュールでありたい。

 

 ※ 写真は、(株)日本エコシステムさんから提供いただきました。

 



2010年4月 7日

三番瀬・アオサ回収大作戦のお知らせ

 

なかなか春の陽気にならず、

野菜の遅れが気になってしょうがない日々ですが、久しぶりに

三番瀬での 「アオサ回収大作戦」 開催のご案内です。

 

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東京湾・三番瀬に大量発生する海藻・アオサを人海戦術で回収し、

田畑の肥料や畜産の飼料として利用することで海の浄化につなげよう、という取り組み。

海が田畑を耕し、有機農業が海を救う!

をスローガンに、2000年から始まった実験です。

 

春の海は気持ちいいですよ~! 

体験田の生き物観察でお馴染み、陶(すえ)ハカセによる干潟観察会もあります。

今回は、現地集合・自由参加。 どうぞ奮ってご参加ください。

 

◎ 日時 : 4月18日(日) 午前11時集合

       回収作業 = 11:30~12:30

       干潟の生物観察会 = 12:30~13:30

◎ 場所 : ふなばし三番瀬海浜公園 (千葉県船橋市)

     http://www.park-funabashi.or.jp/bay/

   公園内に入り、駐車場-事務所前を過ぎて、堤防から浜に降りてください。

   下の写真にある旗を立てて受付を設置しています。

◎ 交通

      電車ご利用の場合は、JR・京成 「船橋」 駅から

      京成バス 「ふなばし三番瀬海浜公園」 行きに乗り、終点で下車。

      車での来場も可(上のHP参照) ですが、駐車場代が500円(1日) かかります。

      また日曜日なので駐車場も混雑が予想されます。 お早目にご来場ください。

◎ 参加費 : 無料。 小雨決行です。 保育はありません。

◎ ひざ下まで海に入ります。長靴もしくは下は濡れてもよい服装でお願いします。

      暑くなりそうな場合は日焼け対策も。

      干潟の生物観察会に参加希望の方は、おにぎりなど昼食をご用意ください。

◎ お問い合わせ先 :

      東京湾アオサ・プロジェクト事務局(大地を守る会事務局内)

      03-3402-8841

      メールの場合は、 osakana@daichi.or.jp  までどうぞ。

      当日のご連絡は、 080-5023-3211 まで。

 

今回回収したアオサは、THAT'S国産平飼卵の生産者・本田孝夫さん(埼玉県深谷市)

が持ち帰り、醗酵させて鶏の餌として利用します。 

(THAT'国産とは......100%国産飼料で育てた鶏や牛のことです。)

というわけで、本田さんも駆けつけてくれます。

 

では、春の陽光を期待して、

三番瀬でお会いしましょう!

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2010年4月 4日

「稲作体験田」 の種まき

 

4月に入り、こちら千葉・山武での 「稲作体験2010」 の米づくりも、

いよいよ本格始動。

田んぼをお借りしている佐藤秀雄さんの畑にて、今日、種を蒔きました。

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秀雄さんから教わっている苗作りのやり方は丘苗代 (おかなわしろ) と言って、

田んぼの中に苗代をつくるのでなく、畑に蒔きます。

種籾は、無消毒のコシヒカリ。

これをただ蒔くのでなく、最初に塩水選による種籾の選別から始まり、

温湯による消毒をやってから、1週間水に漬け、

次にぬるま湯に漬けて、ハト胸状に膨らんでちょこっと芽が出た状態まで持っていきます。

こういった前段の作業は、プロである秀雄さんにやっていただいています。

 

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さて、苗代となる畑をきれいに掃き清める秀雄さん。

雑草の種などが落ちてない土であることがポイントです。

 

そして、種まき。

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パラパラと、できるだけ均質になるように蒔きます。

 

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今年はどうも発芽の調子がよくない、と秀雄さんは心配しています。

長年同じようにやっていても、年によって違うのでしょうか。

それでも、「まあ、出るっぺよ」 と、そこは素人にはよく分からない判断がはたらくのでした。

 


種が蒔き終わったら、土をふるいにかけながら、薄くかぶせていきます。

秀雄師匠に怒鳴られながら、実演するのは今年の実行委員長、石川遼、

じゃなかった、 栗本遼くん。

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土をかぶせ終わったら、パイプを半円形に刺して、

ビニール、じゃなかった、ポリエチレンのシートをかけます。

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風で飛ばされないようにロープで縛って、

周りに土を寄せて、作業終了。

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これから日々、苗の状態や温度を見ては、シートを空けて調節したりしながら

育てていきます。

「苗半作」 とか、人によっては 「苗七分作」 とか言われるほど、

苗づくりがその年の出来を左右する、大事な仕事です。

 

今日も気温が上がらず、肌寒い一日でした。

これからの天候が心配です。

 

念のために補足すると、

この苗づくりの方法では、田植え前の苗とりが手作業になります。

そして田植えも手で植えることになります。

「稲作体験」 は、消費者の方々に体験してもらう企画なので、

あえてご当地の伝統的な手法にのっとってやっています。

 

田植えは、5月23日(日)。

どうか順調に伸びてくれますように。

 

栗本実行委員長の種まき姿を 「田んぼスケープ」 にもアップしてみました。

高知からはもう始まった田植えの様子が、

宮城からは千葉孝志さんのソーラーパネル設置完了の写真がアップされ、

こちらもだんだんと賑わってきている今日この頃であります。

 <注>

「田んぼスケープ」 にアップされた写真は、順次更新されています。

過去の写真を見る場合は、画面下のカレンダーのところをクリックして下さい。

また 「田んぼスケープ」 に投稿される場合は、ケータイからお願いします。

パソコンからでは、まだはじかれる可能性がありますので。

 



2010年4月 2日

農政はともかく、農は国の礎である。

 

4月1日午後、久しぶりに東京・霞ヶ関に出向く。

桜がもう満開に近い。

国会議事堂周辺の桜はいつも早くて短いように思うのは、気のせいかしら。

 

警備員に守られた議事堂を横目に、お隣の由緒ある 「憲政記念館」 に入る。

ここで、『 「農」を礎に日本を創る国民会議 設立総会 』 という集会が開かれた。

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「 農を礎 (いしずえ) に、日本を創る、国民会議 」

いかにも硬く、まるで右翼のようなタイトルだが、

「農」 を国民生活を守る大本として育て直さなければならないという強い問題意識での

「国民会議」 結成の呼びかけである。 ケチをつけるのは控えておこう。

大地を守る会会長・藤田和芳も、呼びかけ人の一人として名を連ねているし。

中心となった団体は、NPO法人ふるさと回帰支援センター、全国農業協同組合中央会

パルシステム生協連合会、生活クラブ生協連合会、そして大地を守る会。

 

「農」 は国の基(もとい)。

「農」 が生む 「食」 なくして国民の命の存続はない。

「農」 は国民の 「礎」 である。

 

気候変動や新興経済諸国の台頭によって、世界の食糧需給が逼迫してきているなかで、

日本は未だ食糧危機に極めて弱い状況にある。

にもかかわらず農業人口の減少と高齢化、耕作面積の縮小に歯止めがかからず、

市場原理主義の拡大と世界的不況は、農業経営をさらに悪化させている。

国の基である 「農」 を再生させ、日本の 「食」 を安定的に確保するために、

農業・農村を元気にすることが必要であり、市場原理主義と規制緩和を見直し、

食料自給率の向上をはかるとともに、

食料安全保障を国家戦略として明確に位置づけることが必要不可欠である。

                                  (「国民会議」設立趣旨から要約)

 

赤松広隆農林水産大臣が来賓として来られ、賛同のエールが贈られた。

設立趣旨や規約、活動方針案が提案され、承認を受ける。

活動方針案を読み上げる藤田会長。

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主な活動計画は、

1.食料安全保障政策を立案し提案すること。

2.それを社会のコンセンサスとするため、

  各界への働きかけやシンポジウムの開催等を展開する。

3.生産、流通、消費の各分野に 「国民会議」 への参加を呼びかける。

4.情報発信、メディア対策、出版の検討、など。

 

役員の選出では、

早稲田大学副総長の堀口健治氏はじめ6名の役員が選任された。

大地を守る会からは野田克己専務理事が入る。

役員会から委嘱の形で5名の顧問が選出され、藤田が常任顧問となる。

 

総会終了後、

首都大学東京(旧東京都立大学) 教授、宮台真司氏による記念講演が行なわれた。

テーマは、「日本の農業と食料安全保障 ~若者にとっての農村回帰の意味」。

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宮台真司氏。 サブカルチャーや若者文化論から天皇制まで語る気鋭の社会学者。

メディアにもよく登場し、著書も多い方である。

 

宮台氏は語る。

「農業の再生」 と言うが、社会はつまみ食いができない、ということを忘れてはならない。

「農業」 だけを切り取って 「再生」 するのは不可能で、

社会の様々な側面も同時に変えていかなければならない。

先進国最低水準の食料自給率は社会指標のひとつであるが、

他にも自殺率の高さ、労働時間の多さ(=社会参加の低さ)、

家族のきずな度、幸福度などの指標も、日本はかなりの低水準である。

幸福度調査では日本は90位以下。 

物質的に貧しい、将来的に危ない、といわれる国の人たちのほうが、

日本人より、シアワセ感が高いとはどういうことか。

この国の社会には大穴が開いている。

 

農業を保全しなければならない理由は3つだと思う。

国家の安全保障と、国民への  " 食の安全 "  の確保、そして国土保全、である。

日本では安全保障の概念が理解されておらず、

危機に対する思考を持った政策をつくれる人がいない。

食の安全の観点も、ただ有機栽培とか無農薬といったレベルで考えるのでなく、

食の安全思想の基本は、「みんなのために-」 というモチベーションではないだろうか。

ヨーロッパのスローフード運動には、共同体思想が根幹にある。

国土保全とは、単なる景観でも多面的機能とかでもなく、

社会のホームベース (人が帰れる空間) を分厚くする、ということだ。

日本は経済(お金) だけを追い求めてきた結果、

人や地域との絆、つまりホームベースを壊して、ただ便利なところに流れている。

 

アメリカだって、本当は市場原理主義の国ではない。

共同体的自己決定の思想と市場原理をどう折り合いつけていくかを考えているのが、

アメリカやヨーロッパである。

日本は市場原理主義こそが権威と勘違いして、生き残れるはずの思想を失った。

日本農業の再生の真の意味は、自給率や食の安全や就業人口を増やすことなどが

個々に課題としてあるのではなく、

" つながり・絆 "  をベースにした安心度の高い社会の再生、にあるのではないか。

 

僕流に解釈してしまったところもあるかもしれない、と断りつつも、

随所で、なるほど、そういうことか、と感じさせられた。 さすが、である。

 

「では、どうしたらいいのか」 という会場からの質問に対する宮台氏の答えは、

「単純な解はない」 と明快である。

まあ、これは俺たちが可視化していくしかない、ってことだね。

 

今日、地方紙の新聞記者さんが、

4月1日からスタートした戸別所得保障制度についての考えを聞きたい、と取材に訪れた。

この制度については、僕は一切のコメントを控えてきた。

「農業の再生」 という観点からはマイナスにしか見えない、と思いつつも

今後の動きが読めないし、とにかくよう分からんところがあり過ぎるのだ。

今日は宮台氏から頂いた視点をちょこちょこと拝借し、はぐらかしながら、

最後は持論で締めさせていただいた。

農業の外部経済 (生産された食べ物の値段以外のたくさんの価値) を理解できる

民意づくりこそが大切であり、そのための政策が必要である。

食の安全保障は、農民の所得を保証する前に、消費者の問題だからである。

 



2010年4月 1日

J-WAVEで 「田んぼスケープ」 を紹介したいと・・

 

この間投稿を呼びかけてきた 「田んぼスケープ」 の制作でコラボさせてもらっている

文化人類学者の竹村真一さんが、FMラジオ局 「J-WAVE」(81.3 KHz) で、

本日4月1日から定番のコーナーを始めたので、お知らせしておきたい。

 

毎週月曜から金曜日の夜8時から10時までの番組、

「 Jam the World 」 (ジャム・ザ・ワールド) 内で、9時45分から5分間、

Grobal Sensor 」 (グローバル・センサー) というコーナーでナビゲーターを務める。

 

普段は、車を運転している時以外はラジオを聞くことはないのだが、

今夜はつけてみる。

おおッ。 初回から、いきなり大胆にエネルギー問題の根幹に迫っている。

地球にとってのエネルギーの源泉、太陽からの恵みの1万分の1をとらえることができれば、

この星にエネルギー問題は存在しなくなる。

原発など要らないのだと。

以前紹介した竹村さんの著書、『地球の目線』 を思い出す。

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たとえばサハラ砂漠にソーラーパネルを設置すれば、

不毛といわれた砂漠地帯もエネルギー供給元に変えることができる。

石油に依存する必要のない、ワクワクするような未来を、

私たちは創出することが出来るのです。

 

地球環境問題は、不都合な真実ではなく、エレガントな未来に導く試金石である。

そんな希望を語る竹村ワールドが、一日5分といえども毎日ラジオから流れてくる。

私たちは、少しずつ、しかし確実に、空気を変えつつある。

 

そんな竹村さんから、

来週、「田んぼスケープ」 の紹介をするからね、とのメールが入った。

 


ちょうど桜の季節なので、4月5日の週は

「サクラの語源」 「日本人はなぜ花見をするのか?」 といった話から、

「サクラ信仰とコメ文化は深くつながっている」 と展開して、

7日と8日は 「コメと田んぼの話」 へとつないで、

そして9日には 「田んぼスケープ」 からの投稿をいくつか紹介したいと。

 

嬉しい話です。

ついては、改めて生産者の皆さん。

各地で米づくりの作業が始まっていることと思います。

全国コメ列島の今、の画像をどんどん投稿していただけませんか。

田んぼから見えた生きものたちの姿でも、自慢の風景でも、けっこうです。

水にたたえられていることの有り難さや、「農」 が豊かに存在することを大切さを、

あのソフトな語り口で伝えてくれることと思います。

「こんな日本を守っていきましょうよ。 それはフツーに食べることで守られるのです。」

  - きっとそんなふうに。

 

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         (今年の 「2010だいちのわ ~大地を守る東京集会~」 で語る竹村さん)

 

制作者のアラカワ君からは、

投稿写真のサムネイル (縮小画像) がアイコンとして表示されるようにしたとのこと。

地図上から投稿を選びやすくなったことに加えて、

これから投稿が増えれば、日本列島が緑で彩られるようになるはず。

 

忙しくなってきたところで、面倒くさいでしょうが、応援団からの熱いラブコールです。 

ちょっとした合い間にでも、応えていただけると嬉しいです。

ただシステム上、まだ何でもOKとはなってないので、

念のため、ケータイからお願いします。

 

ただ、FM局 J-WAVE は、関東圏しか聞けないのかな?

ここは聞けない地域の方々のために、録音は手配しておきましょう。

ご希望の方は、お知らせください。

 



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