戎谷徹也: 2011年9月アーカイブ

2011年9月28日

人事異動の季節です

 

会社の乱暴な判断というより、自ら墓穴を掘ってしまった感がある。

秋の人事異動。 とんでもない辞令が降りてきた。

 

生産者の方々には一昨日の夜にお知らせを配信させていただきましたが、

10月1日付にて、農産グループを離れて、

事業戦略部付-「放射能対策特命担当」 なる任務を仰せつかりました。

「特命担当」 ・・・ 少々大げさな名称ですが、

お金もなく、窓際に設置された一人部署です。

 

まさかこんな仕事が発生することになろうとは、

しかも自分に・・・・・

 


六本木でCSR運営委員会が開かれたあと、残った人で食事となって、

お酒も入って最後に少し藤田会長にからんでしまって、

反省しながら部屋に戻って、フテ寝  -する前に寝酒。

「とくたろうさん」 で届いた 「あいづ耕人会たべらんしょ」 のかおり枝豆を茹でて、

郡山・仁井田本家の金寶(きんぽう) 自然酒 「秋あがり」 で仕上げる。  

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今夜も福島三昧。

 

それにしても、、、放射能対策、、、特命担当、、、

反芻しながら、このミッションの重さに震えている。

で、何やるの? なんて難しいこと聞くのはやめてね。

これまで書いてきた延長上に 「お前が喋ってきたことを実現しろ」 という指令、

と受け止めるしかないワケで。

 

したがって、後に引くわけにもいかないワケで。

雑多な書類をガンガン片づけて、後任への引継ぎは積み残しながら、

明日に向かって動き始めるワケです。

 

農産グループ・有機農業推進室で発行する生産者向けニュース

『今月のお知らせ』-10月号で退任の挨拶を書いた。

3年半の任期を振り返れば、心残りの課題が悔やしくこみ上げてくる。

でも農産から離れるわけではない。

放射能問題は、畜産や水産も含め広く一次産業全体の問題として

降りかかってきているのだから、

ここは 「改まった挨拶の言葉はありません」 と書かせていただいた次第である。

 

取り扱い品全分野の基準を整理して、そのトレース体制を築いていった

安全審査グループの5年間を経て、農産グループ長を拝命したのが3年半前。

今年の3月は、農産グループ4期目の事業計画を、

背伸びしながら立てていたところだったのに、

たった一日で世界が一変した。

この事態に必死に挑んできた結果が 「特命担当」 なら、受けるしかない。

社会的企業を宣言した大地を守る会の真価をかけて、やるしかない。

 

このブログを始めて2回目の部署変更となりました。

不穏当な発言で 「短命」 に終わらないように気をつけたいと思います。

 

酔っ払って茹でながら、気づいたことがある。

私が頑張って社内に通した、

希望の生産者グループ 「あいづ耕人会たべらんしょ」 諸君。

ラベルぐらい統一して出せよ!

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枝豆(香り) と、かおり枝豆・・・・・

君たちねぇ~え。 頼むから、仲良くやってくれる。

 



2011年9月23日

「地球大学」 の講義録

 

台風によって大量の水が太平洋から運ばれてきて、

人里には災害ももたらすけれども、水が潤沢に溜まることは幸いでもある。

百年後のミネラルウォーターの源泉だから。

でも山 (森) が崩れれば、その保証はできない。

 

台風一過で、水蒸気やちり(ダスト) が取っ払われて、天高く感じる。

秋が来ましたね。

今年はピッタリ  " 暑さ寒さも彼岸まで "  になったようです。

今日、幕張の歩道橋で赤とんぼと遭遇しました。

 

でも、やっぱり気は晴れません。

彼方此方から農産物被害の報告を聞かされることもあるけど、

一昨日のひと言がいけなかった。

「この崩壊現象は、なんだ。。。。 ヤバイね。本当にヤバイ。」

と書いてから、どうもいろんな場面で反芻してしまっているのです。

 

ロバスト(強健) な社会を再構築したい! いや、しなければいけない。

-そこで、おススメの本を一冊。

このところ本の紹介や引用が多くなっているのを気にしつつ、

でもこれは挙げなければならないワケがあって。

実はワタクシも登場しているのです。

 

『地球大学 講義録 -3.11後のソーシャルデザイン』

竹村真一+丸の内地球環境倶楽部・編著。 日本経済新聞出版社から。

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このブログでも何度か紹介した、丸の内 「地球大学」 の講義録に

コーディネーター・竹村真一さんの一文が追加された形になっている。

2ヵ月前に出版されてすぐに送られてきていたのだが、

ようやく読むことができた。

 

収録された講義のいくつかは聴いていたものだけど、

改めて整理されたものを読んでみれば、やはりスゴい提言集である。

『脱原発社会を創る30人の提言』(コモンズ刊) に続いて、

しばらくは本棚に納めず、手元に置いておきたいと思わせる。

 


「 " 3.11後 "  は、

  私たちのなかでは少なくとも3年前に始まっていた。」 (「はじめに」より)

 

そうなのだ。

3.11後の日本にとって避けられないテーマに対する次の設計図が、

次から次へと可視化されてゆく。 しかしこれらは

「震災後になされた問題提起ではない。 ~すべて震災前に語られた内容である。」

 

「第Ⅰ部 宇宙船地球号のエネルギーインフラ」 から始まって、

「第Ⅱ部 未来をつくるソーシャルデザイン」、

「第Ⅲ部 地球公共財としての生物多様性」、

「第Ⅳ部 地球目線で考える都市の未来」、

そして最終講-「東日本大震災後の 「コミュニティ・セキュリティ」 デザイン」 で締め括られる。

飯田哲也さんら総勢38人による  " 次なる時代へのプレゼンテーション " 。

僕はⅢ部のなかで、島村奈津さんと一緒に

「宇宙船地球号の 「食」 を守る」 のテーマで話をさせていただいた。

ラインナップに加えていただけただけでも光栄の至りである。

 

本書には、実に刺激的な言葉が溢れている。

「地域の人たちが発電者になるのです」(飯田哲也さん)

「数万人規模の 「住・職・食・楽・交・教・医・憩」 が一体となったコンパクトシティ群」(山崎養世さん)

「歩いたり踊ったりする日常の活動が 「発電行為」 になる」(速水浩平さん)

「流せば洪水、溜めれば資源」(村瀬誠さん)

「ゴミとは 「デザインの失敗」 である」(益田文和さん)

「味覚の刺激を経験していない子どもは、大人になる準備ができない」(三國清三さん)

「シルクと草木染めを合わせれば、化学物質を使わない防虫効果が出ます」(長島孝行さん)

「人間が自然と共存していた、以前の姿を新しい形で再生させること。

 これは 「懐かしい未来」 とでもいえるでしょうか」(同)

「木を家づくりに活かすことは街に森を作ることにつながります」(小沼伸太郎さん)

「人間や鳥の 「食べる」 過程がないと、海に入った栄養物質は陸に戻りません」(清野聡子さん)

「 「俺たちの街」 という 「俺たち」 の集合体を作っていかないといけません」(村木美貴さん)

 

コーディネーターの竹村さんも呼応して、素晴らしい言葉を繰り出してくる。

 - 私たちは新しい地球文明という一つの大きな 「物語」 を作ることに参画している。

 - 地球号は 「水冷式」 の宇宙船であり、水に祝福された宇宙のオアシスだ。

 - クルマの進化から、クルマ社会の進化へ-。

 - 20世紀の文明はある意味で、「人間をバカにした文明」 だったと思う。

 - 宇宙を身にまとう。

 - 季節の変化に敏感な人が住んでいる街こそが真の 「エコシティ」 なのではないか?

 - 「いのちの安全保障」 を国に頼る時代そのものが終わりつつある。

 - 人類は進歩したからではなく、その技術文明が 「未熟」 すぎたがゆえに

   地球環境を破壊してきた。

 

いかがでしょう。 想像力が刺激されないでしょうか。

そして、可能性はまだまだ無限にあるのだ、と思えてこないでしょうか。

 

" ロバストな未来社会 "  は、

僕らの想像力のはばたきと、みんなの構想力がつながってゆくのを、

今か今かと待っているような、そんな気さえしてくるのです。

 

これらが今後の東北の復興と日本新生、ひいては未曾有の共感で

震災後の日本を支えてくれた世界への応答責任を果たす一助となれば

幸いである。(竹村さん)

 

「応答責任を果たす」 -そのメンバーであり続けたいと思う。

 



2011年9月21日

深層崩壊をもたらす放置人工林

 

台風12号の傷痕もまだ痛々しいところに、15号が襲ってきた。 

またもや全国各地に災害をもたらし、各産地の農産物にも被害が出ている。

収穫や出荷が遅れるだけでなく、実が落ちたり傷んだり・・・

産地担当も各地の情報を集めながら、生産者の無事に安堵しつつも、

一方で品揃えに苦慮するのである。

しかし思えば、豊作でも頭を下げ、不作でも頭を下げ、なんだよね。

こんな日々が延々と続くのが農産物仕入の宿命なのかもしれない。

 

自然現象に対して怒りをぶつけても仕方がなく、

まあ人が無事なだけでも 「よかった」 という台詞が口をついたりする。

つくづくこの列島の人々は、自然に対して受容的というか 「耐え忍ぶ」 民だと思う。

哲学者・和辻哲郎が昭和初期に著した 『風土』(岩波文庫) の有名な一節。

 「 湿気は人間の内に 「自然への対抗」 を呼びさまさない。

  その理由の一つは、陸に住む人間にとって、湿潤が自然の恵みを意味するからである。

  洋上において堪え難いモンスーンは、実は太陽が海の水を陸に運ぶ車にほかならぬ。

  この水ゆえに夏の太陽の真下にある暑い国土は、旺盛なる植物によって覆われる。

  ~ 大地は至るところ植物的なる 「生」 を現わし、

  従って動物的なる生をも繁殖させるのである。

  かくして人間の世界は、植物的・動物的なる生の充溢し横溢せる場所となる。

  自然は死ではなくして生である。 死はむしろ人間の側にある。

  だから人と世界とのかかわりは対抗的ではなくして受容的である。

  それは砂漠の乾燥の相反にほかならぬ。」

 

しかし現代における自然災害は、

そんな 「自然な」 事象によるものだけではないことにも

目を向けなければならなくなってしまっている。

 

実は9月6日の日記で、台風12号の影響を心配しつつ、

「元々雨の多い熊野地方で、深層崩壊らしい山崩れが起きるのだから、

 尋常な雨量ではなかったことと思う。」 と書いたところ、

山崎農業研究所事務局の田口均さんよりメールを頂戴した。

「深層崩壊」 の真の原因は雨量ではない。 放置人工林の問題がある、と言うのだ。

アッと思って、軽はずみな一文を反省した。

 


田口さんから紹介されたのは、

『植えない森づくり』(農文協) の著者、森林ライター・大内正伸さんのブログ である。

そこで大内さんは、僕が呑気な事を書いた翌日に

「深層崩壊も放置人工林が下手人」 との見解と解説をアップされていた。

ここで重要なところを転記し始めると長くなるので、

関心を持たれた方はぜひご一読いただきたい。

 

僕が迂闊だったのは、あの雨だらけの、深い谷を有する紀伊半島が、

それほどまでに人工林だらけになっているとは思ってなかったことだ。

しかも間伐も遅れた放置林でそこまで荒廃してきていることにも。

熊野の強いイメージで、勝手な思い込みがあった。 

 

「深層崩壊と言われたその亀裂の始まりをみると、根の浅い線香林ばかりである。」

の指摘が重たい。

そして紀伊半島をフィールドとした生物研究家、故・後藤伸さんの講演録からの

引用の言葉が、どれも貴重である。

「照葉樹のまともな森林があったら何も怖いことはない。水害のもとにはならんのです。

 ~ もともと照葉樹林ていうのは、そういう雨の多いところで発達した森林ですから、

 そういう大雨に耐えるようにできとるんです。」

「結局、こういう山の生態系のつながりというのは 「原因」 と 「結果」 の間に

 20年とか30年とかいう長い時間がかかるわけです。

 ~ 昔は、植林によくないところは全部自然林で残しておったんです。」

 

昔から受け継がれた知恵を捨ててやみくもに人工林を増やし、

グローバル経済がその山を見捨てさせた。

" それくらいの雨 "  でニッポンの山が崩れ出し、人が埋まり、あるいは流される。

ああ、熊野ですら、である。

この崩壊現象は、なんだ。。。。 ヤバイね。本当にヤバイ。

 

まだまだ勉強が足りません。

田口さん。 貴重なご指摘、有り難うございました。

 



2011年9月11日

稲田の挑戦は続いている

 

今日は一週間遅れとなった 「稲作体験田」 の稲刈りの日なのだが、

こちらは若い実行委員会諸君にお願いして、

僕は急きょ須賀川・ジェイラップに向かうことになった。

 

ここに当社の放射能測定器を一台据え付けてもらったことはお伝えしてきた通りだが、

これまで測定してきた200件あまりの土やイネの結果を検証して、

取ってきた対策やこれからやろうとしている方向が誤ってないかどうかを

確認することになったのだ。

測定結果の評価と対策のアドバイスに協力してくれることになった専門家は、

四日市大学講師の河田昌東(まさはる) さん。

NPO法人「チェルノブィリ救援・中部」 理事という肩書のほうが有名か。

8月にジェイラップで地元の方々も招いての講演を開いてから、

測定にもお付き合いを頂いている。

河田さんをジョイントさせたのは 『通販生活』 のカタログハウスさんである。

 

今日は河田さんのご都合に合わせて設定された。

しかもNHKが取材に入ることにもなって、少々ものものしい雰囲気になった。

 

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収穫が近づいてきた稲田の田んぼ。

カリウム散布に各種の実験。

" やれるだけのことはやった "  の思いがある一方で、

それでもこの半年、ざわざわとした胸騒ぎは消えることはなかっただろう。

 

イネは、何事もなかったように、元気に穂を垂れてきている。

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収量は- 「平年作並みだね。 味はイイよ、ゼッタイ」 と胸を張りつつも、

けっして気は晴れていない。

3.11以降味わった激しい怒りや悔しさは消えることはなかった。

原発事故さえなかったら、

俺たちは震災から立ち直ったぞ! と声を張り上げて叫びたいところだろう。

 

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ジェイラップ代表の伊藤俊彦さん(右)と、測定結果を分析し合う河田昌東さん。

「すごいです。 数だけでなく、これまで仮説だったものの裏付けが取れた

 ものもある。 国にもこれだけのデータはない」 と、感心することしきりである。

 


今の段階でのイネ体と土をサンプリングする小林章さんと伊藤大輔さんを、

NHKが追いかける。  

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「もうそこらへんの土壌分析の専門家並みですよ」

と小林さんをホメまくる伊藤社長。

こう言う時は、相当働かせているに違いないのだ。  

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でもホント。 実にていねいな作業である。 

土は5センチ刻みで計測する。

セシウムはまだ表層に残っていることが、彼には見えている。 

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NHKさんの要望もあって、採取してきたばかりの生のモミのまま

測ってみる。 玄米より高く出てしまうことになるが・・・

30分後、結果は「不検出」!  胸をなでおろす。

「不検出」とは「検出限界値以下」と表現されるものだが、

実際の解析グラフを見れば実にきれいで、「0.0」 と発表してやりたいくらい。

 

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これまでの測定結果を、河田さんのアドバイスも頂きながら、

「ちゃんとしたレポートにまとめますから、期待しててください。」(伊藤さん)

やっぱこの人は、自信に溢れた顔でいてほしい。

 

こんな米作優良地帯なのに、耕作を放棄した田んぼがある。

すでにいろんな草が繁茂して、花を咲かせていたりする。

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専務の関根政一さんに聞けば、

「今年は作付してもダメだと思ったんでしょうね。 いや、切ないっすよ。

  見たくないねぇ、こういう風景は。」 

大丈夫だと分かって来年作ろうと思っても、これでは戻すのも大変だ。

「3年続いたら、もう戻せないですね。」 

 

この草たちもセシウムを吸っているとしたら、土をきれいにしてくれているわけだ。

できれば刈って上げた方がいいのだが・・・

 

そういえば、ヒマワリを植えた場所で、

そのまま土にすき込んでいるという話を聞いた。

ヒマワリの葉茎はかさばり、分解も時間がかかりそうなので、

早目にすき込んでいるのだとか。

何だよ・・・と言いたくなる。

各地の葛藤が、葛藤そのままに聞こえてくるようだ。

 

我々の取り組み結果が、悩む生産者たちを元気づけられるものにしたい。

早く朗報を送りたいと、我々の気持ちはますます逸(はや)ってくる。

 

10月1日(土)には、大地を守る会の会員さんを迎えて、

「大地を守る会の備蓄米 収穫祭」 が予定されている。

「そこでは、喜んでもらえる中間報告をできるようにしますから、

 ぜひ期待しててください!

稲田の挑戦は続く。

これはみんなの  " 希望への挑戦 "  でもある。 

 

収穫祭の参加者募集は23日まで。

今年は頑張って、東京~須賀川間をバスで送迎します。

詳細は 「コメント」 にて、アドレスを付けてお問い合わせください。

 

なお、NHKの取材はこのあともあちこちと続けられるようで、

放送予定は、11月頃になりそうだとか。

放送日と番組名が決まれば、またお知らせいたします。

 

「それでも土をあきらめない!」

そんな農民の魂が届けられれば嬉しいのだが・・・

NHKさん、お願いします!



2011年9月 3日

夏の終わりに

 

夕べは、

やんごとない事情により郷里の高知に帰ることになった広報時代の後輩の

送別会が開かれた。

台風に気をもみながら、一次会、二次会、そして足を失った連中と朝までカラオケ。

ずいぶん歌ったなぁ、久しぶりに。

カラオケは、もとい、声を張り上げて歌うことは、カラダにイイ。

ストレス発散にもなるし、免疫力も高まるのだと聞いたことがある。

しかし・・・こんな朝の迎え方は、よろしくない。

もうやめようよ、若くないんだし。。。 サル以下の反省しきり。

M へ。

四国・高知をフィールドに、思いっきり駆け回ってくれ。

そして発信してほしい、地方の豊かさを。

僕はやれるところまで 「大地」 で頑張るけど、

その先にまだ人生が許されるなら、最後の野望がある。

四国独立宣言! 

美しくも淀んでしまったこの国を、ハッとさせてやろうじゃないか。

楽しく、精一杯、がんばろう。

 

彼が勤めることになった出版社はこちら。

 ⇒ http://minaminokaze.co.jp/index.html

 

 

電気が足りない、という脅しも乗り切って、暑かった夏が過ぎようとしている。

節電も頑張ったね。

僕は去年から、このシーズンは水シャワーだ。

海に行った気分を無理矢理引き出したりしながら。

 

そしてもうひとつ、この夏にハマったものがある。

ぬか漬け。

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米ぬかは契約栽培のもの。 塩はシママース。

 


と偉そうに言ってみたが、

マルイ漬物さんが 「大地の野菜」 で捨て漬けまでやってくれたもので、

「すぐに漬けて、食べられます」

のひと言に、オレでもやれそう、とつい注文してしまったものだ。

それからというもの、キュウリとナスが欠かせなくなった。

放射能の時代には、乳酸菌と銘酒 「種蒔人」!

などと一人ごちながら、ささやかな夜を楽しんでいる。

 

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ただ、毎日かき混ぜる、というのが少々難儀で (出張などでいない日もあるし)、

ついつい2日、3日と置いてしまうのだけど、

冷蔵庫の中でしっかり息づいてくれていて、頼もしい。

 

こんな怠け者でも、ちまちまとぬか床を混ぜていると、

ふと、もっと自然に近づきたい、という憧れが募ってきたりする。

 

「土も草も無縁になった荒寥(こうりょう) の都会人に、このよろこびはないかもしれぬ。

 だからこそ、人々は、土がほしい土がほしいと叫んでいるのではないか。」

「人は、手でつくることにおいて、はじめて自然の土と共にある。」

 (水上勉 『土を喰う日々』/新潮文庫)

 

こんな台詞を、いつかさらりと吐けるようになりたい。

放射能を片づけられたなら、少しは余裕も生まれるのだろうか。

社長の顔が浮かび、「いや、無理だな」 と腹の中でつぶやく。

まあしょうがないか。。。

この荒寥の都会で矢尽き、果てたなら、最後の野望は M に託そう。

いやなに、物騒なことをお願いしてるわけじゃないのよ。

竜馬になれって言ってるわけでもない

(ま、土佐には、自称 「平成の龍馬」 がいたるところにいるらしいけど)。

 

あのタイトルで一冊本を出してくれればいいの。

コンセプトは、もう分かってると思っているので。

風を吹かせて、攻めてこい。

 



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