産地情報: 2010年8月アーカイブ

2010年8月11日

はた・まる 試食会

 

先週の水曜日(8月4日)、

自由が丘(九品仏) のカフェ・ツチオーネにて、

「はたまるプロジェクト」 主催による乾燥野菜の試食会が開かれたので、

遅まきながらアップしておきたい。

 

「はたまるプロジェクト」 - 「畑丸ごと 実から種まで乾燥プロジェクト」 の略称。

農産物の仕入部門から加工品の開発部門、販売政策に広報と

部署横断的にスタッフが集まって、

実際の加工を行なってもらう (株)ジェイラップさん(福島県須賀川市) と合同で結成された、

新しいコンセプトでの商品開発を進めるためのプロジェクト・チームである。 

その概要は、3月に行なったキックオフ・ミーティングの報告を参照いただくとして、

いよいよ会員さんへのサンプルのお披露目へと漕ぎつけた。

 

ズラリと並んだ試作品の品々。 

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ビンに入っているのが粉(パウダー)、

袋に入っているのがスライスとかチップにして乾燥させたもの。

その数100種類を超えている。

考えられるものはほとんど試作してきた。

ジェイラップ専務の関根政一さんとスタッフの伊藤大輔さんが胸を張る。

「90くらいまで作ったところで、意地でも (サンプル数を) 三桁にして持って来たくなって、

 徹夜して頑張りましたよ。」

そこで意地を発揮しなくったって、とも思ったが、

ま、アスリートに限らず、そういう数字に挑戦したくなることって、あるね。

 

そのまま食べられるものは、お皿に並べて、試食いただく。

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 トマト、ミニトマト、とうもろこし、パイン、プラム、バナナ。

 低温でゆっくりと乾燥させることで、風味と栄養価を保たせる。

むしろ水分が飛んだ分、エキスが凝縮されて濃厚な味わいになる。

最終的な水分濃度をどこまでにするかが鍵、というか秘伝になるのかな。

 


ジェイラップ代表、伊藤俊彦さんがこのプロジェクトにかける意気込みを語る。 

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ただ規格外品や余剰野菜に新たな価値を付与して製品化する、というだけではない。

ブロッコリィなら捨てられるところの茎も使う (ブロッコリィは捨てられる方が多い)。

トウガラシならヘタも活用する。

皮も、種も、モノによっては根っこも、トライしてみた。

「実は、そういうところの方が栄養価は高かったりするんです。

 そういったところにもこだわりたい。」

 

こういった乾燥野菜を家庭でストックしていただき、時間のない時にさっと使え、

あるいは隠し味に使うなど、料理のバラエティに役立てていただく。

また、少量で栄養バランスが摂れるメリットは、

高齢者の方、一人暮らしの方にも重宝されるのではないか。

ゴミの減量化にもつながるし。

離乳食にも使える、という声も上がった。

ねらい通り、だね。 

 

関根専務からは、製造にあたっての苦労話から、

こだわってきたこと、自分なりのアイディアなどを話していただく。 

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「こんなツラですけど、けっこう繊細なんですぅ。」

ジョークも適当に織り交ぜながら、なかなか聞かせる。 

 

カフェ・ツチオーネのパティシエ、猪股さんが、

事前に送った素材を使って、ケーキやクッキーなど

たくさんの試作にチャレンジしてくれた。 

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どれも大好評。 

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猪股さんによると、

「生のトマトだと青臭さもあるが、乾燥だと甘味と酸味だけになって、とても使いやすい。」

水分がなくなることで、その素材の特徴がストレートに出せる。

タマネギも甘味が強くなって、パン生地への影響が少なく、味が水分で分散されない。

また砂糖や塩も控えられるとか。

 

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粉では、はやりフルーツ系が一番人気か。

皆さん、いろいろと用途のイメージが広がって、会話も徐々に徐々にはずんでくる。

 

そして確実な需要を感じたのは、薬味系(ニンニク、生姜、本わさび、ねぎ、など)。

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はじかれた規格外のワサビ、伊豆の本山葵です。

製品化第1号のラインアップに 「当確」 ランプ点灯!

辛味大根にもたくさんの ◎ が与えられた。

なんせ、ちょっと水を加えただけで、

カンペキな  " 辛み大根おろし "  が再現されたのだから。

 

食堂をやっているという方からは、

●●●●●● のパウダーはすぐにでもほしい、と言われてしまった。

 

野菜のチップは、色々ミックスしてもらえば、おやつに最適。

 

などなどなどなど・・・これ以上ネタを広げるのはもったいないので、

やめておきたい。

 

とにかく、たくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

ありがとうございました。

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参加者には、お土産という名の 「宿題」 を持ち帰ってもらう。

「この粉をどんなふうに使ってみたか、写真を撮って感想と一緒に送ってください。」

皆さん、快く引き受けてくれる。

かなりの好反応で、スタッフ一同安堵するとともに、

俄然やる気もアップする。 

 

最初の製品をカタログ 「ツチオーネ」 に登場させる目標の日程は、10月下旬。

これから本番に向けての具体的なオペレーションに入ってゆく。

 

ジェイラップ = 米の生産者団体名では 「稲田稲作研究会」 。

大地を守る会の重要アイテムの一つである 「大地を守る会の備蓄米」 の生産者である。

その 備蓄米の 「収穫祭」 が例年通り、10月2日(土) に開催される。

当然、乾燥野菜も披露させていただく。

 

というわけで皆様。

次なる試食日は、10月2日、福島の現地で、ということになります。

3年越しのチャレンジの成果を楽しみに、どうぞ奮ってご応募ください。

参加申し込みは、原則として

 『NEWS大地を守る』 9月号の申込用紙にてお願いします。

 

いや、待て。

これじゃ、米より乾燥野菜の宣伝みたいだな。

メインは、あくまでも 「備蓄米」 の収穫を祝う集いですので、お忘れなく。

稲田稲作研究会の、黄金色に輝く田園が待ってます!

 



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