稲作体験: 2009年10月アーカイブ

2009年10月17日

「稲作体験」 20周年の収穫祭

 

今年で20周年を迎えた 「稲作体験」 については、

5月の田植えから草取り、稲刈りと随時お伝えしてきたが、

20年という数字の威力だろうか、予定外のオプション企画が必然のように生まれた。

現地で収穫を祝う交流会が準備されたのだ。

田んぼを2枚に増やしたことといい、こういう  " 勢い "  は、

やっぱり若いスタッフでないと出てこないなぁ、とつくづく実感する。

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稲刈り(9月13日) から1ヶ月を経過した体験田。

まだ育つだけの温度もあってか、どの株にもひこばえ (二番穂) が出ている。

 

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これから寒くなるので、さすがにちゃんとした実になるのは少ないが、

すぐに穂(子孫) を作るところに、自然のサイクルを感じ取る生命の本能を感じさせる。

減反が始まった頃は、これも刈って金に換えたといった話を、

ある地方で聞いたことがある。 真偽のほどは確かめてないけれど。

 


いつもの公民館で、炊きたての新米を味わいながら、

交流会が行なわれる。

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半年の共同作業を経て、随分とアットホームな感じになるのが嬉しい。

 

なお田んの米(左) と、ひで田んの米(右) を食べ比べてみる。

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まったく同じに炊いたものだが、微妙に違う。

モチモチ感を選ぶか、スッキリした食べやすさを選ぶかは、それぞれの好みだね。

 

いつも顔を見せてくれる

 「さんぶ野菜ネットワーク」 の富谷亜喜博さん (大地を守る会理事) の挨拶。 

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20年前の、最初の稲作体験を振り返ってくれた。

山武に有機部会をつくった先達、故今井征夫さんの田んぼから始まったのだ。

そんな話なども出て、ちょっと遠目になってしまう。

 

ネットワーク女性陣たちが用意してくれたおかずの数々。 

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おいしかったです、ホント。 ご馳走様です。

 

みんなで写真を見ながら振り返り、感想などを語り合う。

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さんぶのゴローちゃん、佐藤秀雄も人気者になって、なんだか饒舌である。 

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楽しかったね。 

 

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綿貫直樹さん(左) は、今年の功労者だ。

お陰さまで、希望者全員受け入れることができました。

 

生産者の岩井正明さん。

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生産者も手でイネを植えたり、鎌で刈るなんてことはもうないわけで、

「この稲作体験を手伝うことで、日本人のDNAつうのかね。 そんな深いものを

 取り戻すことができたように思ったよね」 なんて、嬉しいことを言ってくれる。

 

食事のあとは、2班に分かれて、外に出る。

ひとつは、陶(すえ) 博士による自然観察会。

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そこかしこで生き物たちがヴィヴィッドに活動している姿を発見しながら、歩く。

 

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オオカマキリの卵。 

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こういうのにも、なんでか感動したりするのだ。

 

これは見せてはいけないのかしら。

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トリ●●トの花。 形が兜に似ているところから名づけられた。

サービス心旺盛なマルハナバチもやってきてくれて、パチリ。

 

もうひとつの班は、ワラ細工の講習会。

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先生は、綿貫栄一さん。

直樹さんのお父さんで、体験田の田植えの線引きを長く勤めていただいた方だ。

昭和ひとケタの世代には、祖父の記憶、つまり明治からの教えが受け継がれている。

 

今日の作業は、基本の基である縄を綯 (な) うところから。 

そして草鞋(わらじ) づくりに、米俵の蓋編みに挑戦。

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「この蓋の数が多いほど、収穫が多いことを表していたんだよね。」

栄一さんも子どもの頃、ワラを編みながら、今年の収穫量を誇ったりしたのかな。

 

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直樹さんもご指南。 こうやって受け継がれるDNA。

イネは捨てるところがない。

ワラはエネルギー (バイオマス燃料・エタノール) だって産み出すことができる。

田んぼの総合力はスゴイのだ。

なのに平気でワラを野焼きしたりしているのが、この国の現実である。

田んぼを減らしながら。

 

気がつけば、帰ってきた自然観察班が、田んぼでゲームを始めている。

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それぞれが鳥になり、カエル (鳥の餌) になって、食べ合う。

食べあいながら、それぞれに生き残り、子孫を残す。 それが共存の世界である。

 

なんだか、みんな真剣だね。 大人も本気になって逃げ回っている。

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サギにすっかり囲まれてしまったカエルちゃん。 絶体絶命。

 

最後に、みんなでお絵かき。

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今年の稲作体験を振り返りながら、コラージュが出来上がっていく。 

こうして  " ボクらの田んぼ "  が、君たちの記憶に刻まれるのだ。

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おまけの企画も、いいもんだね。

ありがとう。 みなさんに感謝。

 

アキアカネが乱舞する日本の秋の、楽しいひと時でした。

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