稲作体験: 2010年7月アーカイブ
2010年7月18日
田の草取りと ホタルと 生命の輪
梅雨が明けた!
夏だ! 草取りだ!
というわけで、梅雨明け宣言の出た7月17日(土)、
「第21回 大地を守る会の稲作体験」 - 第2回草取り日となる。
田植えから3回目。 一ヶ月前に手をつないで田を囲んだ仲間たち。
雰囲気にも慣れてきて、
進行係の誘導を待つまでもなく、自然と畦に並んでくれる。
やる気だ。 嬉しいね。
草取りもこれで最後なので、きっちり取ってもらいましょうか。
一ヶ月で伸びてくれた草たち。
でも例年よりは少ない感じである。
一回目の草取りがだいぶ効いている。 これでもね。
例年の感覚が判断基準になっているので、プロの方は笑わないでください。
オモダカの花を 「キレイね~」 という人たちの集まりなのだ。
でもたしかに、これだけを見ると、なかなかに捨てがたい植物ではある。
「 何なら持って帰って、バケ田んに植えてみたら 」
とか言いながら、とにかく容赦なく抜いていただかなければならない。
作業の開始。
人には当然個人差があって、すぐに入ってはしゃぐ子もいれば、
田に足を入れるだけで3年かかった子もいる。
毎年見ているうちに、「お父さん、焦らなくていいですよ」 と言えるようになった。
僕も成長させてもらっているのだ。
3年経って入った子の方が、田んぼの記憶と愛着が深くなるような気もする。
「待つ」 ことの大切さと、「きっかけ」 を与えることが教育の技なのか、と思ったりする。
僕はこの体験田を企画し、21年やってきたわけだけど、
毎年何かしら新しい発見があって、そのたびに
なんでもっと早く気がつかなかったのか・・・という悔しさも、募ったりするのだ。
そして毎年おんなじ様な写真を撮っている。
だって子どもが頑張っている姿は、いつ見ても、どんな場面でも感動モンだから。
" 愛 " だね、愛!だ。
田んぼ一面に、" 愛 " が充満している。
さっきからじっと佇んでいる少女。
何を考えているのか、オヤジには想像がつきません。
たくさんの人の気を感じてか、穂を出したヤツがいた。
開始前に見て回ったときには、出てなかったぞ。
植物は動物の気配をたしかに受け止めて反応している。
よく見て回る田、いつも声をかけてやる植物は生育がいい、と聞いたりするが、
それはあり得る、と思う。
作業後は、例によって陶ハカセの生き物講座。
今日発見した生き物、そして今夜お目当てのホタルについての授業。
子どもたちがどんどん前に迫ってくるので、
ハカセはしょっちゅう 「もっと下がって、下がって」 と叱っている。
オイラなんか、「 もっと前に 」 なのに、ちぇっ!
次は、案山子(かかし) に着せるシャツにお絵描き。
いや、手形押し、か。
ナマの手に絵の具をつけてがんがんやっちゃってくれている。
こんな感じで完成。
ホタル観察は日が暮れてからなので、もう少し時間がある。
次は、「生物多様性の輪」 というゲームに挑戦していただく。
みんな何かの生き物になる。
イネ、カエル、ミジンコ、トンボ、サギ、ミミズ、などなど。
太陽とか風になる子もいる。
それらが、食べる・食べられる、与える・もらう、といった関係がある者同士で手をつなぐ。
必ず右手と左手で、隣の人とはダメ、というルール。
風は桶屋を儲けさせる、みたいな理屈も通しながらやっていくうちに、
だんだん輪がもつれてくる。
全員がぐちゃぐちゃになりながら、手をつなぎ終わったら、
次はもつれを解いていく。
跨いだり、一回転したりしながら・・・・・
最後は-
一つの大きな輪になれば成功!
これが生き物たちのつながりなんです。
一つでも欠けたら、命の輪が途切れてゆきます。
感じてくれたかな。
夜は、ホタル観察会。
今年は 「裏年」 とあって、ホタルの数は少なかったけど、
それでもチラホラと見ることはできた。
夜の田んぼに、ふわっと光が上がってきて舞い始める。
この光景を見るだけで、大切なものは何かを感じさせてくれる。
写真はまたも失敗。 残念。
夜遅くまで、皆様お疲れ様でした。
次は9月。 稲刈りです。
今度来た時には、この緑の田園が黄金色に染まっています。
豊作になりますよう。
2010年7月 6日
ぼくらの田んぼは、美しい!
あっちこっち出歩いている間に、
我らが 「大地を守る会の稲作体験2010」 も一回目の草取りを終えていて、
実行委員会から写真が回ってきた。
おお! これはすごい。 いい光景だね。
みんなで手をつないで田んぼを囲んでいる。
田んぼの広さをはかってみよう! という趣向らしい。
体験田の広さは13アール (1300㎡) ある。 25m プールにして約4個分。
それを約140人の参加者が輪を作って、実感する。
漠然と見ているより、きっと広く感じたことだろう。
しかも、これだけの数が集まったから囲むことができた。
連帯感も、" 私たちの田んぼ " という感覚も、増したのではないだろうか。
実際に 「もう少し参加者が少なかったら、ヤバかった」 とか。
いやあ、見ていて飽きないね。
稲も一緒に気を感じてくれているに違いない。
僕らの田んぼは、美しい!
つらいはずの田んぼの草取りも、
これだけの数での人海戦術となると、一撃だったようである。
こちらとしては、腰が痛い、とか、農家の苦労が少しは・・・
というセリフを期待する日なのだが、「ちょっと物足りなかった」 だって。
仕事とはいえ、おいてけぼりにされた少年のような一抹の寂しさや嫉妬とともに、
いろんなアイディアを繰りだしてくる若い実行委員会諸氏に、感謝したい。
そうこうしているうちに、もう2回目の草取り(7月17日) が近づいてきている。
今度のお目当ては、蛍か。
いっぱい出てくれるといいが、蛍の数も隔年で増えたり減ったりするらしい。
今年は不作の年にあたるが、さて。