稲作体験: 2011年5月アーカイブ

2011年5月16日

進化する伝統 -『稲作体験』

 

『第22回 大地を守る会 稲作体験』

毎年々々同じ作業の連続のようでいて、少しずつ何かが変わっていく。

 

22年前に社員スタッフ一人で始めた稲作体験だったが、

今年の実行委員会には、何と28人も集まってくれた。

大地を守る会に入社した社員は必須の登竜門と言われるまでになって、

若者たちのセンスでいろんなプログラムが組み立てられる。 

いやなかなか頼もしい。

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作業のあとの交流会もそう。

プログラムごとに進行役が割り振られ、ヒヤヒヤする場面もあったりするけど、

まあよくやってくれる。

 

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交流会では必須となった 「スエはかせの生きもの講座」 もそう。

今年は新しい相棒が登場した。

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シュレーゲル青ガエルのチョロ吉 (?) だったっけ。

「ぼくらは田んぼと一緒に生きてるんだよ。」

「農薬を撒かない農家がいてくれることが、本当にうれしいんだ。」

カエルくんが子供たちに語りかける。

生きものハカセがついに、カエルに人間の言葉を教えた! オオーッ!!! 

て、さすがにないか。

腹話術の練習はこっそり一人で励んだのだろうか・・・ 想像するとちょっとヤバイ。

大人は、、、笑ってあげるしかない。 

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田植えまでの作業や、苗作りの違いなどについて語る佐藤秀雄。 

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普段ぶっきらぼーなゴローちゃんも、女子が聞き役になると饒舌になる。

S 君が司会をやった時なんて、

「ま、そんなもんだ。」 「ん? なんもしねえよ。」 てなもんで、悲惨だったもんな。

 


さんぶ野菜ネットワーク代表の富谷亜喜博さんからは、

震災と原発事故の影響について話を伺う。

 

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千葉はまだいいほうで・・・ と言いながらも、

事故直後には県内一部の地域で暫定基準値を超えた葉物が出たりして、

やっぱり生産者には大きな衝撃が走り、不安が覆ったようだ。

そんななか、大地を守る会が企画した 「福島・北関東の農家がんばろうセット」 に

たくさんの申し込みがあったと聞いて、とてもうれしい気持ちになった。

 

「大地を守る会が25年前から原発反対の姿勢を崩さず主張してきたことは、

 改めてスゴイと思ってます。

 営業的にはけっこうマイナスにはたらいていたこともあったと思うんですが、

 今となってみれば、その骨太さに感心させられています。」

・・・ こんなふうに言ってもらえると、僕らも浮かばれるね。

 

庭では、子供たちを集めて、みんなでお歌の練習。

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曲目は昔の唱歌

『田植 (そろた 出そろた) 』

  http://www.youtube.com/watch?v=as1GtfFCVxo&feature=related

 

そろた でそろた さなえがそろた

植えよ 植えましょ みんなのために

これが宝だ 宝のくさを

植えりゃ 黄金の 花が咲く ♫

 

 - よく探してきたもんだな。

エビスダニさんなら知ってるでしょ?

 - 知らねぇよ、年寄り扱いすんな! でもちょっと聞いたことあるような・・・

 

編笠が似合い過ぎている子がいて、一枚ねだる。 

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子どもに好かれてしまうアマガエルは、本当に災難だ。

 

今年も子どもたちに手形を押してもらった看板を囲んで、 

スタッフで一枚。

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今年の実行委員長、大熊俊之 (看板の右、白いTシャツの君) の挨拶も

ちょっと熱かったぞ。

「 震災や原発事故があって、やっていいのか、ホントに悩みました。

 でも、決断しました。 

 たくさんの応募があって、ホント、嬉しかったです。

 みんなの手で、未来のために、希望の米を実らせたいと思っています。」

 

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どんな状況になろうが、生きている以上、ぼくらは食べることをやめられない。

いのちを支え続けてくれる田園を、手放すわけにはいかないのだ。

 



2011年5月15日

希望の米を!-『稲作体験 2011』 の始まり

 

今年もやってきたぞ。

ここは千葉県山武市沖渡(おきわたし)。

 

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 『大地を守る会の稲作体験2011』 。

この田んぼで22回目となる、無農薬による米づくり体験の始まり。

今年の合い言葉は、 " みんなの力で 希望の米を 収穫しよう! "

 

それにしても22年まったく変わらない景色。

ちゃんと手入れされているから、なんだよね。

 

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尺角植えの線を引いてくれるのも、いつもの人、

「さんぶ野菜ネットワーク」の綿貫直樹さん。

手前の苗は、田んぼの持ち主である佐藤秀雄さんが、これまた例年通り、

畑につくった苗代で大きく育ててもらったもの。

それを前日に実行委員会スタッフで苗取り作業をして準備してくれた。 

 

10時半過ぎ、首都圏各地から集まってくれた会員さんたち。

今年の参加者は約130人。 

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嬉しいね。 

実施を悩んだ経過があっただけに、今年は特に嬉しい。

 

挨拶する地主・佐藤秀雄さん。 

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田植え指導は綿貫直樹さん。 

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大熊俊之実行委員長の掛け声とともに、田植え、始め! 

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秋の稔りに向かって、進もう。

 


今日はもう疲れたので、余計なコメントは無し。

写真で雰囲気を感じ取っていただければ、と思います。 

 

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上の写真は、これも恒例の紙マルチ。

最初の頃は 「実験」 と称していたが、今では 「草取り」 の労苦を少しでも軽くしたい、

という理由が優先されている、かな・・・

実験ということでは、写真の左端で植え方の違いによる比較、

というのが試みられている。

これも科学的な検証というより、スタッフの素朴な疑問を確かめたい、に近い。

でもそれで納得できるなら、大いに結構。

 

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去年は一歩も入れなかった子が、今年は一歩入った。

去年は泣いていた子が、土の感触を楽しんでくれた。

土に触れながら成長する。 

そういう場を22年、ひたすら提供し続けてこれたことを歓びとしたい。 

ひたすらカエルと鬼ごっこ、も許す。

その感触を覚えてほしい。

できれば、自然に見守られているってことも。 

 

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作業を終えたあとのひと時。

陽の光が田んぼに注ぎ、いい感じ。

 

眠くなったので、今日はここまで。

 



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